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さようなら

白い、白い、何処までも続く先の見えない1本の道。

僕は、今、一人でこの道を歩いている。

怖い思いはないのだけれど、やっぱり一人は寂しいな。


さらに歩くと、遥か先に景色が見えてきた。

霧の中の遥か遠くに沢山のビル、ああ、懐かしい日本の風景が見える。

きっと今度の転生は、日本のどこかに生まれるようだ。

便利で平和で努力すれば、何にでもなれる、普段は命の危険のない安全な世界。


ふと、誰かに呼ばれた気がして道の先を見ると、一人の男性が呼んでいる。

あれは、栄一とうさん?懐かしい、太いフレームの黒ぶちメガネだ。


「麟太郎、随分可愛くなったな」


「「言わないで、気にしてるんだから」」


「?二人、いや、二人で一人か」


「「ん、とうさんからは、そう見えるだ?、僕には実感ないな」」


僕の人格は一人だから、全く違和感はないよ。


「「そう言えば、亜黒(あくろ)兄ちゃんはいないの?」」


「あそこだ」


「「え?」」


栄一とうさんが、僕の後ろを指差した。

振り返ると、そこに大きなテレビスクリーンが浮いており、戦っている皆が見える。

そして、ブラックさんを見た時、動くたびに亜黒(あくろ)兄ちゃんがダブって見えた。


「「ええ?!ブラックさんが亜黒(あくろ)兄ちゃん?」」


「それと、もう一人」


栄一とうさんが、指し示す先にいた人は?


「「はいぃ?!レッドさんが山田 赤兵衛(あかべえ)?!!」」


中学からの友人だった山田がレッドさんだったなんて、なんかショックなんだけど。


「それで、どうする?」


「「?、どうするとは」」


「このまま進めば、日本の世界に転生できるが、この世界に留まる事もできる」


「「…………………」」


「どうする?」


「「ん、もういいかな。僕は日本に逝くよ。大丈夫、最後に皆を助けられた。もう、思い残すことはないよ」」


僕はスクリーンごしに、まだ、戦っている皆にお辞儀をした。

僕は日本の方に振り向くと、栄一とうさんと歩きだした。

そして、小さく呟いた。


「「さようなら」」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




皇帝「ハハハ、弱い、弱い、弱すぎる。これでは遊びにもならないではないか?」


ブラック「ぬかせ!」、ガキン、ガン、バン。


激しく繰り出すブラックの剣撃を、素手の片手でいなす皇帝。

そこへレッドの槍が割って入る。


レッド「うおおおおおお!」


皇帝「無駄だ」


その槍すら、軽く片手で弾く皇帝。


皇帝「飽きたな、吹き飛べ」


ボワッ、皇帝の腕の一振で二人は壁側まで吹き飛ばされる。


ブラック「がは!」、レッド「ぐはぁ!!」


二人は壁に叩きつけられ、血反吐をはく。

全員魔力が無い中、剣術に長けて動けるのは二人だけだ。

それなのに、膨大な魔力を持った皇帝と戦かわなければならない。

圧倒的不利であった。


ボルテック「コリン、コリン、このままではあの子が浮かばれない。力を止めてくれ、コリン」


ボルテックが血を流しながら、巨大魔石に祈る。

その瞬間、巨大魔石が僅かに輝いた。


皇帝「む?なんだ?魔石から魔力が流れてこない?」


ブラック「?!魔力が復活する?、なら、ミストソード▪ラッシュ!」


ブラックの頭上に沢山の黒い剣が出現、それが一斉に皇帝に向かう。


ガガガガンッ、だが、皇帝の周りには結界が展開、皇帝は無キズだ。

だが、皇帝はやや苦悶の表情をした。


間髪いれず、レッドが叫んだ。


「皆、魔力が回復している、皆で集中して攻撃してくれ!」


イエル「ライトニング▪ボルト」

グリン「ツリー▪ランス」

マリン「バリアー▪ランス」

レッド「ファイアー▪ボール」

ブラック「ミスト▪ランス」


ズガガガガーンッ


皇帝の結界が破られる。


皇帝「なんだとっ、なぜ、魔石の魔力が我に届かない?!」


焦る皇帝、背後からカルが近づくのを気ずかない。


カル「スター▪ブレイク」


刹那、カルが一瞬、皇帝に触れて星魔法を発動した。


皇帝「ガアアアアッ!!」、ピシッ、バシッ


カルが転がりながら、皇帝から離れる。

皇帝の身体が、みるみるうちに年老いていく。


カル「賢者の石を破壊しました!」


皇帝「ば、ばかなぁ?!!」


ザシュッ、シュパッ


ブラックとレッドが、左右から同時に皇帝を斬り捨てる。


皇帝「ぎやあああっ」ドサッ、皇帝が倒された。


レッドは、リンレイの方を見た。

タンとマリンが、リンレイに抱きついて肩を震わせて泣いている。

その周りに、同じように肩を震わせて佇むグリン、イエル、カルがいる。


レッドとブラックは、夢遊病の様な歩きでリンレイのところへ向かう。


「「「「「「「………………………………」」」」」」」




そして、静かに肩を震わせて泣いていた。



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