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二十二日目 レイとアル

ここから下の話を全て書き直します。そもそも、ここで壊れてしまいました。

そもそもの原因はここでアルに「クライズが~」と言わせたことです。そのため、クライズを悪にしなければ話が進まなくなり、壊れました。

 昨日はすごくすっきりした。だって、あのイビルを徹底的に叩き潰したんだから。リオとの取引は明後日だから今日は暇だけど、まあいいや。訓練室で術式でも組もう。


「レイ!おはよう!」


 ああ、アルか。‥‥まあ、クライズや生徒が僕を使い捨てにするまでの間だし良いか。


「おはよう、アル。今日はどうしたの?」


「今日はどうしたの、じゃないよ!なんで昨日居なかったの!」


 は?だって、光学科に化けてイビルを叩き潰してたし。


「ああ、昨日用事があったんだ。……何かあったの?」


「光学科に、凄い人が現れたんだ!初戦だけだったけど、凄まじい威力の魔法を連発して相手をボコボコにして去って行ったって今話題なんだよ!」


 それ僕。明らかに僕。誰がどう見ても僕です。


「……それを言うために来たの?」


「本当にすごいんだよ!トルネードだけじゃなく、サンダーボルトも使ってたって!」


 はい確定。サンダーボルトでイビルを攻撃したのは爽快だったよ。


「ねえ!光学科の様子を調べない?」


「……そこまでしなくても良いと思うけどな……」


「そんなこと言ってられないよ!光学科に切り札が居たんだよ!?」


 それ切り札じゃないです。僕です。……はあ、落ち着いてもらおうか。


「アル。落ち着いて聞いて。その光学科の生徒、本物の光学科じゃないんだ」


「へ?でも、ほら!どこからどう見ても!」


 アルに渡された絵に描いてあるローブを着たその人の姿は完全に光学科。魔力も白い。でもね‥‥。


「……ちょっとこれを見て」


 魔力を白くし、右手に電気の塊を作る。


「ええ!?何それ!?」


 だから落ち着けと言ったのに。


「ほら、これで実際に使うから後ろに立って」


 僕の後ろにアルは移動した。‥‥やるか。


「サンダーボルト!」


 僕の右手に出来た電気の塊は正面に広がり、飛んで行った。‥‥アルは固まってるよね。


「ええ!?レイ、サンダーボルト使えるようになったの!?今の、雷魔法だよ!」


「そうだよ。……ボルケーノも覚えたよ」


「凄い!レイ、また魔力増えたんじゃない!?」


「……うん。今日28になってた」


「28!?凄いよ!どんどん差が開いてるもん!」


「……アルは?」


「22だよ。やっぱり、レイって凄いよ!」


「……そんなにすごくない。ただ、自分の価値を守ろうとしてた……だけ」


「え?」


「だって、今必要とされても、それはもうすぐ必ずなくなるから」


「……どういう事なの?聞かせて!」


 まあ、どうせもうすぐお別れだし、教えてあげてもいいか。


「良いよ、教えてあげる。――僕はね、出来るからって周りに良いように使われて、用が無くなったらあっさりと使い捨てにされる……それが何よりも恐ろしかった」


「え?……それってどういう……」


「闇学科で周りに教える役目を与えられたとき、僕の中には子供学校での思い出が蘇った。僕を良いように使い捨てにした自称友達のイビル、そしてイビルの取り巻き。そんなイビルの味方になって僕からイビルが搾り取るのを奨励した、ううん。やらせた教師たち。あの術式の授業の人間が全員こいつらに重なった」


「そんな……皆そんな人じゃないよ……」


 どうだろうね。どうせあいつらも、僕を使い捨てにするんだ。


「僕はね、そんな連中の信頼に答えるのが嫌なのに、信頼されるためか知らないけど居心地がいいって勘違いしてるんだよ。ううん、勘違いしてた」


「してた?……どうしてしてたなの?」


「取引相手がね、励ましてくれたんだ。そんな連中の価値なんかどうせなくなるけど、それよりも大事な物が自分には残る。だから、それで叩き潰したり、そいつらをこちらから捨てることにすればいいってね。確かに損はするけど、自分にはそれを作ってあげただけの物が残るって」


 本当に、リオだけだ。僕の事を分かってくれたのは。


「な……!それもおかしいよ!」


 はあ?一体何がおかしいの?アル?


「そんな……損得だけで全てを決めるなんて、間違ってる!友達は、そんな冷たい関係じゃない!」


 ‥‥意味が分からない。アルも、僕から技術を毟り取るために来たんでしょ?それが「友達」じゃない。


「それが友達でしょ?」


 使い捨てにするための免罪符。それが友達だよ。


「友達ってのは、そんな損得の関係じゃない!」


 ‥‥うるさいな。全く‥‥君もしつこく付きまとってきたくせに‥‥。


「……うるさいよ、しつこく付きまとってきたくせに……僕の邪魔をしてくれてるくせに……」


 本当に、目障りだよ。‥‥僕の技術を吸い上げるだけ吸い上げて、用が無くなったら捨てるくせに。


「……レイの邪魔?」


「そうだよ。しつこく絡んで、僕が術式を組む時間も奪って……」


「それは……レイを心配して……」


「うるさい!頻繁に絡んできて!鬱陶しいんだ!」


 本当に、頻繁に絡んできて!そんなに僕の邪魔をしたいのか!


「……!」


「しかも、邪魔だけしにきたり……あんな君の自己満足の友情ごっこなんかしたくもない!損得の関係だけで良いんだ!」


 アルに絡まれたせいで本の束を落としたし!


「あれは……!本当にそんなつもりじゃ……!」


「……もう良いでしょ?放っておいてよ。君と絡んでも全然楽しくも無いし、つまらないだけなんだ」


 本当に、無駄な事ばっかり。


「レイは……怖いの?」


 ……?


「僕が友達だって言って絡んできて、そのまま使い捨てにされること、それが怖いの?」


「使い捨て?くだらない。そんなことされる前に僕が君を捨てるよ」


 そもそも、アルは邪魔なだけだから。


「レイ……どうしてそこまで……」


「……?」


「レイは、どうしてそこまで他の人を信じられなくなったの?そんなに、イビルって人に酷い目に遭わされたの?」


 ‥‥‥‥傑作だよこれは。アルも笑うかもね。


「……イビルに使い捨てられてからさ、イビルの非難をしたら、周りはなんて言ったと思う?先生は、なんて言ったか分かる?」


 本当に、このセリフは今でも笑うしかないよ。


「え?」


「先生は「友達を非難する事なんて言ってはいけません!」周りは「友達を非難するお前の方が最低だ」だってさ」


 ははは……。言っててまた馬鹿らしくなってきたよ。友達の非難はしてはいけませんって。使い捨ての仲だから別に非難しても良いでしょ?まあ、あのゴミは昨日とことん叩き潰したし別にもういいけどさ‥‥。


「ねえ、アル?面白いでしょ?」


 こんな話を聞いて笑わない方がおかしい。‥‥アル?


「なんなのそれ……」


「あれ?何で笑わないの?」


 それどころか、泣いてる?‥‥面白いけど、泣ける話?


「そんな酷い事を言われて、どうして君は笑えるの!?おかしいよ!」


「え?何が……?」


 「友情と言う名の免罪符」こんなタイトルで出せば面白いと思ったんだけど‥‥。


「レイはその時周りに信じてもらえなくて、それが面白かったの!?ありえないよ!」


 ‥‥‥‥‥‥!


「僕なら、そんなことになったら悔しいし、悲しい!とても面白いとは思えない!」


「……」


「レイ、本当は誰にも信じてもらえなくて辛かったんじゃないの!?泣きたかったんじゃないの!?」


 どうして、アルはそんな反応をするの?どうして、そんな事を言うの?


「ねえ、どうして……」


 アルは、どうして僕がその時感じたことをそのまま言えるの?見ていたわけでもないのに‥‥。


「レイ、ずっと一人で我慢してたの?こんなに酷い目に遭ったのに、ずっと……」


 ‥‥言わないで。僕は、ぞれを言っちゃいけないから。それを口に出したら、もう抑えられないから‥‥。


「レイ。もう、一人で抱え込まないで」


 もう、抑えられそうにない‥‥。


「……だよ……」


「え?レイ?」


「悔しいに決まってる!当たり前だよ!一方的に何も悪いことをしてない僕が悪い子だって言われて!それで悔しくないはずがないじゃん!僕がイビルを批判したら悪いのは全て僕!僕に絡んで邪魔するイビルを追い払ったらそれも僕が悪い事にされるんだ!先生も周りも誰も僕の話を聞いてくれない!」


 言葉が次から次へと出てくる。もう、自分じゃどうしようもない。


「昨日イビルを叩き潰したらこの苦しみもましになるかと思った!でも駄目だったよ。いくら魔法でイビルを攻撃しても、全然楽にならないんだ!怒りは消えたけど、悔しさは消えたけど、悲しさだけは消えないんだ!」


 もう、自分で何を言ってるのか分からないよ。‥‥本当に‥‥


「……どうしたら……楽になるの……」


 その場に座り込んでるのかな?もう、前が見えない‥‥。


「レイ……」 


 ‥‥アルに抱きしめられてるのかな?


「本当に、どうしたら、いいの?」


「……気がすむまで、泣いて?」


 その直後に、僕の頭は真っ白になった。‥‥ただ目の前の存在に縋って泣き続けた。


ーーーー


 どれくらいの時間が経ったんだろ?頭が冷えてきて、今自分がアルにくっついてることと思いっきり泣いて顔がひどいことになってる事が少しずつはっきりしてきた。


「……落ち着いた?」


「……うん」


「ねえ、レイ。……レイには、相手に教えるだけって考えはもう出来ない?」


「……出来ない。使い捨てにされたらって考えると、それだけで頭に血が上るし、実際に言われたらもうその人と二度と話さない。仮に術式の授業で言われたらもう誰にも教えないし、添削もしない。というか、もう出ないと思う」


 そんなことを考えるだけでも怒りがこみ上げる。実際に言われたら、どうなるか分からない。教えてあげて使い捨てにされるのは、もう嫌だ。


「……ごめんね」


「……?」


「レイの気持ちも知らずに、術式の添削や同じ場所での訓練なんて頼んで……」


 ‥‥‥‥普通「ケチな奴」とか「付き合いが悪い」とか言われそうだけどね。


「……どうしてそんな顔をしてるの?」


「へ?」


「だって、レイ、今信じられないものを見た顔をしてるから」


 ふふふ……。そうかもね。


「こんな変な人、見たことないから」


 いくらなんでも、謝ってきたのは予想外だよ。


「ええ!?それってどういう意味!?」


「さあ、どういう意味かな?」


 本当に、変なの。


「もう!教えてよ!」


「アルは、僕みたいなのも信じられる?」


「当たり前だよ!」


「だからだよ。アルは、こんな人間でも信じるって言い出したしね。損得でしか動きたがらないし、屑にはなんでもして良いって思ってるし、やられたらやり返して当たり前って考えてるし、そもそも人を信じない。こんな人間であっても信じるって言ったくらいの変人だから」


 本当に、お人よしどころじゃないよね、これ。‥‥まあ、少しくらいなら居てもいいけどさ。


「え!?それって関係ないよね!?」


「仮に悪評だらけでも僕を信じてそうだよ……」


「だから、それは当然」


「はいはい、じゃあ食事に行こうか。一緒に」


 ああ、泣き疲れたらお腹すいたよ。‥‥何か食べてもう寝ようか。


「あ!待って!まだ説明してもらってない!」


 ‥‥本当に馬鹿だよ、君は。‥‥‥‥でも、ありがとう。

全て消して書き直したら原型を留めないくらいに変わりました。大体の方向性は一緒なので大筋は変わりませんが、この後の話もこれくらい変わってしまうかもしれません、いえ、変わります。ここを訂正したので闇学科との決別の場面は180度変わります。

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