表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする  作者: 流優


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

335/613

少し変わった朝



「おはよー! お寝坊さんで仲良しさんなおにいちゃん、おねえちゃん、起きてくださーい!」


「おきてくださーイ!」


「……朝ごはんが待ってる」


 耳から飛び込んでくる、幼い元気な声が三つ。


「んっ、んん……わかった、今起きる」


「うっ、うむ……待て、今起きる……」


 上に乗りかかってきた重みに、俺は唸りながら身体を起こし――と、すぐに俺は、同じ布団に入り、隣で同じように身体を起こし、目を擦っているレフィの存在に気付く。


「…………」


「…………」


 互いに、顔を見合わせる俺達。


 俺は頬をポリポリと掻き、レフィは髪の先をいじる。


「もう、探したんだよ、おにいちゃん達。いつものお部屋にお布団敷いてるのに、二人ともいないから――って、どうしたの? 新婚さんごっこ?」


 不思議そうな顔で見てくるイルーナに、俺はコホンと一つ咳払いし、立ち上がる。


「わかった、朝ごはんな。今行くが……あー、俺達は先に風呂入ってから行くよ。だから、先食っててくれってみんなに伝えといてくれ」


「わかった、お風呂ね! あ、二度寝しちゃダメだよ!」


「にどね、キもちいいもんね~」


「……二度寝より、お風呂の方が気持ち良いと思う」


「はい! わたし、知ってる! こういうの、諸説あるって言うんだって!」


「しょせつあル!」


「……諸説ある」


 そんな感じでワイワイと騒ぎながら、幼女達が旅館から去って行ったタイミングで、俺は隣のレフィへと口を開く。


「……レフィ、風呂行こう。昨日は外の障子戸開けたまま寝たから、部屋に臭いは籠ってないだろうが、多分俺達自身は酷い臭いだと思うぞ」


「う、うむ……確かに今のまま居間へ行ったら、ネルやリューに色々言われそうじゃからの……」


「あぁ。リューとか特に、すげー鼻が良いし、このまま行くと一発でバレると思うぜ。――そうだ、何なら、二人で洗いっこでもするか? 身体の隅々まで洗ってやるぞ?」


「戯け」


 ニヤリと笑みを浮かべてそう言うと、ちょっと照れた様子でパシンと俺の肩を叩くレフィ。


 そのまま俺達は、二人一緒に、いつもより少し近い距離感で旅館の温泉へと向かって行った。



   *   *   *



「――ご主人から、すごいレフィ様の体臭がするっす」


 唐突にそんなことを言うリューに、俺は思わず吹き出しそうになるのを我慢し、口を開く。


「そ、そうか? 別に、いつもと変わらんと思うが?」


「いいや、今日はご主人から一段とレフィ様の臭いがするっす! しかも、レフィ様からもご主人の臭いが! 昨日、ウチらの知らないところで何があったんすか!」


 お見通しっすよ! とでも言いたげに、ビシ、と俺達に指を突き付けるリュー。


 なっ、何故気付かれた……!?

 これを避けるために、レフィとしっかり風呂に入ったというのに……!!


 と、リューの言葉を聞いて、こちらに近付いてきたネルが、スンスンと鼻を鳴らす。


「……ホントだ。今日はおにーさんからすごいレフィの体臭がするね。昨日の夜は、二人だけで旅館の方に行っていたみたいだし……気になる」


 ッ、よく鼻の利くリューはともかく、ネルまで!?


 元々、女という種は鼻が良いとは聞くが……ここまでとは。


 恐るべし力を持っているものだ、女性とは。

 浮気した世の男性が、簡単にバレてしまうのも無理はないだろう。


 ――ま、ここにいる女性陣が世界で最強の嫁さん達なので、俺が浮気することはないがな!


 ジトーっとした視線を送ってくる二人に、そんなアホなことを考えながら俺は、とりあえず何とか誤魔化すべく口を開く。


「昨日、レフィに添い寝をしてもらったってだけさ。別に怪しむことは何もないよ。――それより、ネル君! そろそろ帰りの準備をしないとヤバい時間帯じゃないのか? お前がまだいてくれるんなら俺達は嬉しい限りだが、今日の夜には王都に着いてないとマズいんじゃなかったか?」


「あっ、そ、そうだった! ま、マズい、早く準備しないと……」


 そう言って彼女は、真・玉座の間の一角で、慌てて着替えやら何やらの準備を始める。


「リュー、お前もさっき、レイラに手伝いを頼まれてたろ? そっちはいいのか?」


「む! ……まあ、そうっすね」


 怪訝そうに何度も俺達の方をチラチラ見ながらも、リューはレイラのいるキッチンの方へと向かって行った。


 そして残るのは、俺とレフィ。


 しばしお互い口を閉じたまま、ただその場に佇み――と、ふとレフィが口を開く。


「……そうじゃ、ユキ」


「うん?」


「今までお主の嫁でありながら、こういうことを聞かなかったのは儂が悪いのじゃが……その、男というものは定期的に、せ、性欲を発散させねばならんものではなかったか? もしや、今まで我慢させてしまっておったか……?」


 ちょっと恥ずかしそうにしながらも、申し訳なさそうな感じで聞いてくるレフィ。


 大分答え辛いその質問に、俺は「あー……」と首の後ろを擦りながら答える。


「……ま、まあ、確かにお前の言う通りではあるんだが……それ以上に俺は、みんなと一緒に毎日を過ごしてて、満たされてたからさ。性欲に関して言うと、二の次三の次になってたから、別に大して辛くも――って、何を言わされてるんだ、俺は……」


 そう、真面目に答えてしまってから、何だか非常にマヌケなことを言っている気分になり、苦笑を溢す俺。


「……フフ、そうか。満たされている、か」


 小さく笑ってレフィは、俺に身体を寄せる。


 俺は、その温もりをさらに感じるために、片腕で彼女の華奢な身体を掻き抱き――と、突如ヒョコっとキッチンから顔を覗かせたリューが、「あー!!」とこちらを指差す。


「やっぱり怪しいっす! 二人、いっつも仲は良いっすけど、今日の仲の良さは絶対おかしいっす! レフィ様、これは後で嫁会議案件っすよ!!」


「……ま、まあ、その内にの。今日はネルが忙しいから、また今度じゃな」


 いじらしい様子で、はにかみながらそう言うレフィを見て、リューがネルへと顔を寄せ、わざとらしい態度で耳打ちをする。


「見てくださいっす、ネル。あのレフィ様が、今日は超しおらしいっす! これはやっぱり、何かあったっすよ!」


「うん……これは、しっかりと聞かないといけないね! 確かに明日にはもう仕事があるけれど、それはつまり、僕が夜向こうで寝る時間を減らせば、まだここにいられるということ! レフィ、しっかり聞かせてもらうよ!!」


「うっ……ま、待て、お主ら! ユ、ユキ、お主も見ておらんで、何か言わんか!」


「お元気で」


「お元気で!?」


 こういう時、口を出すとロクなことにならないと学んでいる俺は、リューとネルに両腕を掴まれ、ドナドナされるレフィを微笑みと共に見送ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらもどうか、よろしくお願いいたします……! 『元勇者はのんびり過ごしたい~地球の路地裏で魔王拾った~』



書籍化してます。イラストがマジで素晴らし過ぎる……。 3rwj1gsn1yx0h0md2kerjmuxbkxz_17kt_eg_le_48te.jpg
― 新着の感想 ―
やって、なかった……? え?マジで?てっきりやることやってたけど避妊具が無いから頻度が高くないだけだと……! そ、そうかぁ……昨日のガチックスが初だったのかぁ……
[気になる点] 結婚してからHをするまで、世の中こんなに時間がかかりますか?というか、かなりおかしいと思っていましたいました。子供を作りたくない、という主人公の気持ちはわかりましたが、DPでゴムも入手…
[良い点] 最高だった
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ