夫婦喧嘩は、
久しぶりの更新です。
インフルエンザか流行ってます。
シニマス。
皆さま、体調管理には充分お気をつけください。
マジでシニマス。
…お祓い行こう……
あ"~、だーりぃ。
やってらんな…っ…。
ダルダルなたまごの気持ちが良く分かるわ~。
明日から本気出すから引きこもりたいわ~。
マジないわ~。
宰相さんの話から早5ヶ月。
聖女が現れるのは国に何かしらの災いが起こるとき。
そして聖女はその災いを鎮める為に存在する。
そんなことを言われて戦々恐々としていたのに、平和な日々が続いている。
「いや別にね? 災害が起こってほしいなんて思ってないよ? なんにもないならそれが一番いいに決まってるよ。そんなこと誰だって分かってるよ。でも、あんな真剣な顔して脅されてビクビクしてたのに、こんなに平和が続いてたら、わたしここにいる意味なくない?」
「なにをおっしゃいますか、マリー様。マリー様は立派にお役目を果たしておられるではありませんか」
アルラが思いっきり否定してくるけど、仕事がなにもないんだよ。
ただ、式典とかに出席して笑ってるだけ。
それも頻繁にある訳じゃないから、やることがない。
勉強も一通り終わって、あかりとの時間がとれるようになったのは良いことだ。でもここに来るまでとは違って、今は専任保育士と家庭教師が何人もいる状態で、わたしが同席すると集中出来ないと言われてしまった。
結果。
「ヒマだ…」
「アーリー様はお茶の作法のお勉強中でございます」
「そのあとは?」
「お昼寝のお時間でございます」
「ヒマだ…」
あかりを寝かしつけるだけの簡単なお仕事です。ってか。
仕方ない。何か復習でもするか…。
「貴族一覧をくださ~い」
「畏まりました。少々お待ちくださいませ」
貴族とは式典や夜会とかでよく挨拶するし、あちらの息子とそちらの娘が婚約をかわしたとか婚約解消になったとか結婚したとか離婚したとか、わりと流動的な情報もあるから、こういう時の時間潰しにはいいものだ。
産まれてくる子もいるしね。
下手なこと言えば角がたつし弱味にもなる。
なんてメンドクサイ世界なんだろうね。
でも生活面を考えると経済的な不安がないのは魅力だ。
平民は弱いから。
わたしも身分は平民なんだけど。王族でも貴族でもないから。
聖女って地位はあっても一部貴族からのイヤミは仕様だろうか。
まあ、仕様なんだろうなぁ…。
分からないでもないし。というよりよく分かる。
どこの誰とも分からないポッと出の平民が王様達にもてなされてるのは面白くないだろう。権力的な意味でも、それ以外でも。
「そういえば、王妃様方の愚痴を最近聞かないけど、落ち着いたの?」
王様には王妃様と二人の側室様がいる。
三人はいがみ合いながらも相性は良いらしく、イヤミの応酬のあとは大体王様の愚痴が始まる。
曰く、思わせ振りなことをしておいて本人は無自覚だったとか。
曰く、プレゼントのセンスが悪かったとか。
曰く、昼食を約束していたのに仕事でドタキャンされたとか。
曰く、仕事のしすぎて疲れているようだとか。
曰く、身体に良い食べ物はあっただろうかとか。
「あれだけノロケられてたのにサッパリ無くなっちゃったね」
「はい、マリー様のお陰様で、王妃様、ご側室様方が陛下をサポートされております」
「へ~、公務や調整以外の仕事されてるんだ~。ってわたしは愚痴を聞いただけで、何もしてないよ」
「いえ、普段王妃様方は不満などを口にすることも許される立場ではございませんから、マリー様とお話をされたことで落ち着かれたのだと思います」
「あ~、王族だもんね、誰にでも下手なことは言えないのか…。辛い立場だね…」
「何より、マリー様の一言が王妃様方の心に響いたようでございます」
「えっ!? わたし何か言った!?」
「はい、愚痴を言いたくなるのも、ケンカも旦那がいるから出来ることだ…と、おっしゃったことでございます」
「…あ~、ハハハ…」
ケンカは一人じゃ出来ない。
対等じゃなきゃ出来ない。
対等じゃないケンカはただのイジメだ。
「夫婦喧嘩は対等な夫婦が一緒にいるから出来るんだよ」
うちみたいに会えないと夫婦喧嘩は出来ない。愚痴もない。
「マリー様の旦那様は…」
「わたしの? ああ、事故で死んじゃったよ。あかりが産まれて1歳になる直前だったね~」
もっとも、妊娠中の不倫と借金を理由に、なけなしの現金もらって別れる気マンマンだったけどね!
あのバカ! 相手の女に貢ぐために子供用にって自動振込にしてた口座からお金引き出して、それも足りなくてサラ金に手を出しやがった大バカ野郎だった。
ま、別れる前だったから遺産放棄して遺族年金だけしっかりもらったけどな!
当然の権利だな!
愛情どころか情すらないな!