バイオハザード??
遺書などの書類を書かされた後、問題のゲームのある部屋へと案内された。
ここで見たことは超極秘情報ゆえ他言無用とのこと。
浜島さんは厳重にロックされた部屋の扉を開け、部屋にはいる。
そして、僕も続いて中に入る。
「すごい・・」
思わず声がもれてしまった。
まるで未来の都市に来てしまったような感じがする。
バスケットコート3つ分くらいの広さで、ありとあらゆるところに近未来的なコンピューターがおかれ、配線が 張り巡らされ、何人もの研究員がせっせとそれを操作している。
維持するだけでも莫大な予算が掛かりそうだ。
弁天堂とは本当にただのゲーム会社なんだろうか??
中心にはでかい木のような建物が建っている。
周りのコンピューターの配線が全てそこにつながっていることか ら、メインコンピューター的なものだと考え られる。
そして、それの下には人一分くらい入れそうなカプセルが無数に設置されている。
これに入ってBAをプレイするのだろう。
「吉田、BAへの干渉はできそうか??」
浜島さんが近くの吉田と呼ばれる研究者に話かけた。
「いえ、それが全く」
浜島さんに暗い表情で答える。
「そうか・・・」
浜島さんは残念そうに言った。
恐らく、ここの研究員のほとんどは、被験者のために尽力しているのだろう。
「それでは予定通り計画を第3段階へ移行する。」
浜島さんは、吉田さんに命令した。
吉田さんは、研究員を集め、計画の第三段階とやらについて説明を始めた。
いよいよ始まる。
「それでは、山口様はあちらのカプセルに入って準備にとりかかってもらいます。
何かやっておきたいことがあったら今のうちに。」
浜島さんが僕に言った。
「やり残したことはありません。今すぐでも大丈夫です。」
とは言ったものの、かなりの恐怖を感じている。足ががくがくしてきた。
ここに来て命が惜しくなってくる。
ゲームオーバーしたら帰れなくなってしまうのだろうか、本当にしんでしまうのだろうか。
考えれば考えるほど不安になる。
逃げ出したいという気持ちが頭をよぎった。
学校から逃げ、人から逃げ、自分自身から逃げてきた。
その結果が今の自分である。
また逃げだすのか??? 自分自身に問いかけてみる。
そもそも、BAに挑んだのだって、人生から逃げ出すためである。
結局、ここで逃げ出しても、逃げ出さなくても一緒ではないか。
そう考えるとなんだか気分が楽になってきた。
どうせにげるんだったら、将来のために逃げる方がよい。
それに僕はゲーム王とよばれるほど、ゲームをやりつくしている。
僕にクリアできないゲームなんかない。
自分を奮い立たせる。
浜島さんに誘導され、カプセルの中に入る。
「それでは、ヘッドギアを頭に装着して横になってください。」
僕は指示に従い横になる。
「最後に確認します。まずはホラーアクションから挑んでもらいます。
銃やナイフでゾンビを倒して行くシンプルなゲームです。
ログアウトはクリアしてからでないとできません。
もし途中で私の部下に合うようなことがあったら、協力して脱出してください。5人います。
それと、バグを修正するアイテムを入れときますので、発見次第使用してください。
しかし、あくまで人命救助が最優先なので、5人の意識が戻れば依頼は完了します。
もし失敗して、何人かを死なせてしまった場合、一人につき1億円引かせていただきます。
よろしいでしょうか」
「わかりました。」
「ゲームオーバーは命の保証ができません。それに難易度はなぜか高く設定されています。
慎重に行動してください。
それでは、目を瞑っていてください。」
僕は言われたとおりに目を瞑った。
カプセルの蓋が閉じ、ヘッドギアが起動する。
やげて、カプセル全体が光を発し、それと同時に僕は眠りについた。
いざ、夢の世界へ。
気が付いたら、見覚えのない部屋の中にいた。電気がついていて外は暗い。
体を動かしてみる。
現実の世界となんら変わらない。ほんとうにゲームの中なのかと思ってしまう。
辺りを見回してみると机の上に拳銃と弾とナイフが置いてある。
これを使って敵を倒していくのだろう。
この世界は、あの有名なホラーアクションゲーム「バイオハザード」をモチーフに作られているらしい。
今回はゾンビを倒して行き、最後は町から脱出するという、至極単純なゲームである。
バイオハザードを一度もゲームオーバーせずにクリアするのは至難の業である。
しかし僕は、バイオ1~12まで全てコンプしている。外伝作品やアウトブレク等も同様だ。
その経験を生かすことができれば必ずクリアできる。
ただ、ひとつ問題なのがバグの存在である。詳細は不明だがこれが難易度を飛躍的に上昇させているのだとか。
バグを発見したら、とにかく逃げよう。
とりあえず、拳銃とナイフを取る。その横には、拳銃の取り扱い説明書とゲームプレイに関するマニュアルが
置かれている。
それを手に取り読もうとした瞬間、とつぜん"ドン"という部屋のドアが開かれた。




