怒号からの空腹
朝
夜明けの日差しが窓から差し込んだ。
隼は日差しを嫌がるかのように乱暴にカーテンを閉めた。
「もう、朝になったのか…眠いなぁ。」
隼は部屋をあとにし、居間に向かった。
「隼、今日は珍しく早いな。」
父の良文はぼさぼさになった髪を抑えながら言った。
「寝てないから。」
隼はそう返して、良文とすれ違った。
居間はまだ電気がついてなく、台所では良文の弁当を作る母の和海が視界に入った。
「お母さん、おなか減った。」
隼は痩せ細ったおなかをおさえて言った。
「ごめん、起きてると思ってなくて朝ごはん買ってきてないから買ってきて。」
和海は自分の財布から100円玉を5枚取り出し、隼の手の中に預けた。
隼はお金を手にし近所のコンビニへ重たい足を引きずるように
とぼとぼとコンビニに行った。
朝食を食べ終えるころには両親は仕事に出ていた。
あと片付けを終え、部屋へ戻ると兄の亮がせかせかと学校へ行く準備をしていた。
隼は無言のまま、PCへ向かった。
「今日、俺が頼んだもんが届くかもしれないから任せたぞ。」
亮は隼にその言葉だけを言い残し学校へ行った。
一人残された隼はSkyPのメッセージが届いてないかを確認した。
登録連絡先件数、3名。メッセージ、O件。
隼はくすっと笑った。
「俺って友達少ないな。」
200X年 小学4年生の隼は物静かで普通の男の子だった。
入っていた体育会系のクラブは辞め、文化系のブラスバンドに入部した。
入部することになったのは
音楽の授業に金管楽器についてを知り、楽器を吹いてみたりすることで
間近に音楽の世界を体感することだった。
「センスがいいね。」その一言が入部のきっかけだった。
他にも楽器への好奇心から入部したクラスメイトがいた。
その子の名は和田。
和田と隼は入部した日が同じで、男子メンバーが少ないこともあり
仲良くなるのが早かった。
楽器の上達も競い合いながらだったので、入部して翌年のコンクールにも
2人共出場することができた。
男子メンバーが隼、和田、そして智明の3人はいつも一緒だった。
3人でふざけあい、真面目に練習も共にし、休日でも時間を共にした。
本当に隼はこの頃が一番輝いていた。
本当に隼はこの頃が素直に笑顔で笑えた。
本当の人間だった。
200X年 小学6年生、隼の人生の歯車が弛み始めた。
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