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第7話:邂逅

応援メッセージ戴きました。力になります。

真っ白な空間を暫く進むと眼前に金属製であろう鈍色の扉の様なものが現れた。


「んーやっぱ新イベ?」


扉の様なものの前に進むとその扉が左右にスライドした。


「入れ…か?」


曖昧ではあるがスライドした扉の中の空間と扉の外の空間では雰囲気が違うように感じる。

その空間に侵入(はいる)。すると今居る空間の真ん中辺り、その真っ白な空間は曖昧なので広さを感じ取れないが、恐らく中央で位置するであろう場所に八角形の真っ赤なテーブルが現れる。同時に足の無い、車のシートのような真っ赤な物体が浮遊するように現れた。


「………うん、乗るか」


思考する。阿澄(あずみ) 星楽(せいら)頭が良い(賢い)訳では無かったが頭が悪い訳(バカ)では無かった。

誘いに乗る。呪い系(カースド)(トラップ)であれば解呪アイテムもあるし、攻撃系(ダメージ)(トラップ)であっても超回復剤(EXポーション)は99個持ちだ。

同時に掛かった場合は奇跡の薬(エリクサー)でも使えば良いか…特に高いわけでも無いし…。と何気なく席に着く。


始まりの席へ。


八角形のテーブルらしきもの、自分の座っている椅子のようなものの対面の椅子、らしきものに男が現れる。

突然に、元から居ましたよ?と言わんばかりに突然に。

髪は白く、肩の辺りまで伸びている。オールバックで整えており、その顔も白く、不健康では無く一目で同性から見ても美しいと思える肌をしていた。当然の如くイケメン、日本人の様に見えるが透き通る様な色白の肌のせいで分かり辛い。服装も白。真っ白ではなくすこし色着いた様なクリーム色、黄色の絵の具に白を混ぜ続け限界まで純白に近付けた様な色合いだろうか。

格好自体は高級そうなスーツ、下品ではなく、マフィアの出来る幹部(フィクサー)とかが着そうな一流と分かる物だろうか。

その白い男が口を開ける。


「君は…本当の冒険をしてみたくは無いか?」


「あぁ、じっくりと考えてくれていい、質問があれば受け付けよう、答えれる範囲も決めているが」


阿澄(あずみ) 星楽(せいら)は言葉を発しないまま考える。思考する。自分なりの考えを巡らせる。ぐるぐるグルグル愚ル愚ルと。


最初はやはり新しいイベントだと思った。だが違う、さっきからメニューを開きお知らせやゲーム内の掲示板を開こうとしても弾かれる。そして自身のステータスを確認。


職業:破壊者(ブレイカー)

LV138 HP7400/7400 TP3700/3700

STR:720 攻撃力1080+470+348

VIT:440 防御力660+890

DEX:590+150

AGI:480+300

INT:220

MND:330+150

CHR:370

異常無し。

続いて所持保有効果(アビリティ)の確認。

【村人の心得】【戦士の心得】【魔術の心得】【神官の心得】

【拳闘の心得】【狩人の心得】【騎士の心得】【召喚の心得】

【心技体】【加速】【察知】【不屈】【闘志】【逆境】【反心】【体術】【拳闘術】【武闘術】【破壊術】【極回避】


【反心】と【極回避】は習得大変だったなぁ…。

こっちも異常無し。


覚醒(EXスキル)確認。

【解放】【臨界集中】【闘神術】【???】


問題無し。後は固有覚醒(ユニークEXスキル)だけなんだよなぁ。そして確信、ここはゲームの世界だと。チェック中も何度かログアウトを試みるも失敗。だがそれ以外は全て゛闘争者達の宴゛(ゲーム)の通り。

考えられるのはシステムトラブル…゛死のゲーム゛なんてのも考えてみたが非現実的過ぎる。そして導きだした俺なりの答えを問いかける、ぐるぐるグルグル愚ル愚ルと巡らせた思考を以て。

目の前で嬉しそうに笑ってやがる白い男に対して。


「ニヤニヤニヤニヤしやがって、あんたGM(ゲームマスター)かなんかだろ?嬉しそうにしてるとこ悪いが俺は今日最強になるんだよ!さっさとシステム復旧でも何でも終わらせてゲームの世界に行かせてくれ!!」


いつの間にか声が大きくなっていた。ちょっと不安だったのもあるだろう、イライラもしていた。こんなクソ運営だったか?

そんな事を思っていると白い男が驚愕したような顔をしたあとに極上の、同性の俺でも見蕩れるような笑みを浮かべ口を開く。


「色々説明するつもりだったんだがね、私も出来る限りの事をさせて戴こう、早く参加したいようだし…うん…君を選んだのは間違いなかったのかな?志しも素晴らしい!君はきっと最強になれるだろう…そして私を…」


「ごちゃごちゃうるせえなぁ、説明くらい最初にしろよ!取り敢えず今何時だ?大事な約束があるんだよ、他になんにも無いならさっさと行かせろよ!」


すると白い男が立ち上り、見事なお辞儀を魅せる。


「君の気持ちを考えずに申し訳ない。すぐに往かせよう…阿澄(あずみ)星楽(せいら)…いや、セイラ・アズミよ!願わくば君の伝説を!冒険譚を私も聞けるように!」


興奮しながらそう言った白い男が続ける。笑いながら。


「さぁ、ゲームを始めよう」


霧散するように男は消え、ぐにゃり、と椅子とテーブルが崩壊する。真っ白だった空間はいつもの青白輝く電子の星が流れる空間へ。


「なんだったんだよ…」


星楽は不思議に思いながら真っ白な視界に思考を委ねる。

最強になる。決意を胸に。そのあとは金策でもしながら…たまには(リアフレ)にでも付き合うかなんて呑気に考える。


゛闘争者達の宴゛(バトルワールド)には2度と降り立つ事が無いのを知らずに。


゛最強゛と呼ばれる日が来るのを知らずに。

゛伝説゛として語られる事が来る日を知らずに。


巻き込まれる。愚かなる流れに。愚ル愚ルグルグルぐるぐると。





ワクワクしていただければ。

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