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第4話:宣戦表明

遅筆で申し訳ないです

「悪い癖だぞ殲姫」


シヴァルバに殲姫と呼ばれた女が気だるげに答える。


「あら、別に貴方でも良いわよ?」


自分の胸を揉み舌舐めずりをする殲姫。


『セイラ、こいつは南の最強…殲滅危姫(せんめつきき)メイア・ニックニフォー。敵も味方も関係なく戦場を駆ける女だ』


『誘われたんだけど?こいつも闘るのが好きなタイプ(性格)?』


『姦(ヤ)るのが好きな奴だよ、デカイ戦いの前なんかでも兵士を漁るから戦場で力が出せなくて死ぬ男が何十人と出る』


『とんでもねぇ女だな…』


「座ったらどうじゃ?そっちのお嬢ちゃんはワシの上でも良いぞ?」


「おい爺、ふざけてんのか?」


「美しい女性を誘わなければ失礼じゃぞ?」


正面に座った白髪の老人が厭らしい笑みを浮かべる。


『この爺さん今すぐ殴り倒してやろうか…』


『待て待て、あの爺さんは東の最強で閃仙羅刹のライドー。各方面の最強の中で一番長く最強を名乗ってる』


『だから何だよ、年長者は敬えみたいなクソみてぇな風潮か?』


『顔合わせに来てるんだぞ、止せ』


「セイラ殿、お席へ」


レイヴに促され空いてる場所へ座る。


「北の最強、狡勝欺刃(こうしょうぎじん)のディシーヴ。宜しくな!」


笑顔を見せる武者鎧の男。


『気をつけろよ、コイツは回りを騙し続けて成り上がった男だ』


『この中じゃ明らかに弱いな…』


『だが北の最強なのだけは事実だ』


席は四つだけのようでルイン、シヴァルバ、レイヴは立っている。


「しかし剛傑が負けるとはの…西は大丈夫なのかの」


「閃刹よ、コイツは強いぞ」


「あの英雄がそんな事言うなんてね、慰めてあげましょうか?」


「困ってないんでな」


顔を知った仲に入ると言うのはなんとも言えない置いてけぼり感が襲ってくる。どうせ倒す相手だから馴れ合う必要も無いが。


「なんにせよ新たなる同胞の誕生だ、拍手でもしようじゃないか!」


ディシーヴが乾いた音を鳴らす。


「あのさ、一つだけ良いか?」


三人の視線が集まる。


「俺の目的は唯(ただ)ひとつ、あんたら全員倒して最強を名乗る事だ。宜しくな!」


気だるげな顔も物分りの良さそうな顔も欺瞞に満ちた笑顔も表情が変わり空気がピリつく。


『ひっ』


ルインが服の裾を摘まんで来る。


「止めろよ、威圧なんて無意味だぜ?なんなら今すぐ全員闘ってやろうか?」


「小僧!煽るな!」

「セイラ殿!場を弁えて下さい!」


おっさん二人に叱られてしまう。だがルインが怖がっているので無理矢理にでも止めさせてやるつもりだ。


「アハ、貴方本気?面白い事言うのね、私は依頼が無いときなら良いわよ」


「若いの、自信があるならワシの街で相手してやるぞい」


「元気なのは良い事だな!気に入った!北に訪れた時は私を頼りなさい!」


「全員承諾だな、忘れんなよ?」


殺気が消え空気も戻る。


「えーあまり長居をして貰うのも悪いのでこれで解散とさせて頂きます、皆様遠くからご足労有り難うございました」


それぞれが席を立ち、三者三様の言葉を残して後ろに設置された別々のゲートへ向かう。


「またね西の最強さん、あなたとヤるの楽しみにしてるわ」


「じゃあの若いの、負ける覚悟が出来たら来るんじゃの」


「全く、お前達…若者を苛めるつもりだろう。セイラ、私は君をかんげいするからな!」


静かになった部屋でシヴァルバが五月蝿く言う。


「どうしてお前はそう我慢出来ないんだ、そう簡単に闘える相手達じゃ無いんだぞ!」


「シヴァルバ、セイラ殿はいつもこうなのか?」


「相手を見てるさ、別に戦闘狂って訳でも無いんでね」


『本当にそうでしょうか…』


部屋を移動し豪華な場所で待たされる。


「私はこれで失礼します。寛いでお待ちください」


レイヴが部屋を出る。


「あいつら何処に居るの?」


「まぁ知らねぇよな…」


『また旅ですか?』


『一旦ラハブには戻るけどねー』


「南は行ったとしても闘えるか分からないぞ?」


「ん?本当に姫とか?」


「いや、そう言う訳じゃないんだが…っと、誰か来たな」


シヴァルバがノックに対応する。


「小僧、お前に客だ」


視線の先には立派な白銀色の鎧を来た金髪のイケメン騎士、ロット・デュラクが居た。


「久しぶりだね、聞いたよ」


「よう、元気だったか?」


「元気だよ、そちらの女性は初めましてだね。王都聖騎士団(キングスヘイブン)所属、ロット・デュラクだ宜しくね」


会釈するルイン。


「彼女はルイン、訳あって話せない」


「奴隷の刻印だね…君が?」


「そうだよ」


「ふむ、あまり感心はしないが…」


「別に変な扱いはしてねーよ」


「フッ…そんな男じゃないのは分かってるつもりさ」


「つーかさっき何で無反応だったんだよ」


「王の前で態度を崩せる訳が無いだろう…ところで直ぐに王都は出るのかい?用事は済んだんだろう?」


「んー、ちょっと観光でもして帰るかな」


「観光か…」


顎に手をやり思案気な顔をするロット。


「なんだよ、田舎者には合わねーってか?おっさん!嘗められててんぞ!」


「俺に振るな、ラハブは田舎でも無いしな」


「今はあまり観光を勧めれ無いんだが…君と一緒なら彼女も大丈夫か…」


「なんかあるのか?」


そう言うと一枚の似顔絵を見せられる。


「この男が行ったとみられる殺人が二件発生していてね、騎士達も冒険者に協力を仰ぎ犯人を探しているんだが…なにせ王都は広くてね…名を…


「ドレイドル…」


ロットの手にはかつてラフィンのダンジョンで出会った男が描かれていた。



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