第56話:準備運動
バトル回の予定を変更してお送りします
「フレア…礼を言うぜ…」
「ま、まだ日程が!」
狼狽えるフレアは無視する。
「闘る気満々だな小僧」
「アンタも一緒じゃねーのか?シヴァルバさん」
「過剰な自信は嫌いじゃないが…装備も録なもんじゃない冒険者が…まぁ約束もしたしな。今から相手してやろうか?」
「ハッ!心配要らねぇ、闘ろうぜ…」
ソファーから立ち上がるとフレアが割って入る。
「セイラさん!せめて場所だけでも考えて下さい!せん…パパも挑発しないで!!」
「英雄の凱旋、更に挑戦者ですかぁ…お祭りですねぇ」
シヴァルバと睨み合う。強い奴に勝つ…これ程嬉しい事は無い。ゲームだからと馬鹿にされようが研き鍛えた腕に依って勝つ喜び。対人程心が躍る物は無いのだ。まして強者と分かりきっている相手なら。
「二日!二日下さい!然るべき場を用意しますので!!」
「コイツがそれで良いなら俺は構わないぜ?」
「セイラさんどうか!ど、どうせなら人も集めましょう!名を上げる為にラハブへ来たのですよね!?」
「フレア、俺が負けると思うか?だが久しぶりに街が盛り上がるのも悪く無いな…どうする小僧?大衆の前で闘う勇気はあるか?」
「後からごちゃごちゃ言われるのも面倒だな…良いぜ、その称号を奪う証人になってもらおうか」
「威勢が良いな…わざわざ相手してやるんだ、ガッカリさせるなよ?」
「期待してくれて良いぜ?俺も楽しみにしてる」
「で、ではパパは報告をお願いします」
「んじゃ俺達は査定お願いして帰るよ…じゃあな」
会釈するルイン。
「小僧、装備くらい整えて来いよ?」
手を泳がせ部屋を出る。
「本当に闘うんですねぇ」
「その為に来たんだから当然だろ?」
オークスに査定を頼む。
「明日の朝だな」
「宜しくお願いします」
ギルドを後にし宿屋へ。体を洗い夕食を済ませる。
「早く闘りたいな…」
『勝てます…か?』
指に噛みつくヤトを相手しながら答える。
「格好良いとこみせるよ」
その日は少し早めに就寝する。
目が覚め可愛い寝顔を眺めていると長い睫毛が動き大きな瞳と目が合う。
「おはようルイン」
『おはようございますご主人様』
朝食を済ませギルドへ。
「おはようセイラ!ルイン!」
「うーっす」
「おはよストロベリル、レンゴ」
会釈するルイン。
「今日は早いな?」
「外が五月蝿かったからな、シヴァルバさんが帰ってきた…そして西の最強に挑む奴が居るってな?」
「その人凄いの!?」
「凄ぇなんてもんじゃねーよ…セイラ、本気で挑むんだよな?」
「当然だろ…本気でいかせてもらうよ」
「えっ!セイラが挑戦者なの!?」
そこでリリーナに呼ばれる。
「おはよリリーナさん」
「おはようございますぅ、場所も日程も決まりましたよぉ」
「何処?」
「迷宮、激苛業炎の有る地区から行ける闘技場ですぅ」
「そう言えばダンジョンが二つあるんだっけ?まだ行ってない場所か…」
「日程は明日、お昼からですが朝ギルドに来て下さいねぇ」
「分かった、ありがと」
「それでは昨日の査定額をお渡ししますねぇ」
そう言い奥から麻袋を持ってくる。
「ブラインドバードの嘴がひとつ6000ネル、84個で50万4000ネル。ワンアイズバットの牙がひとつ4000ネル、180本で72万ネル、黒の魔石がひとつ7000ネルで106個で74万2000ネル。グニグニが16万ネル、痺れ百足が12万ネルの合計…227万6000ネルでお一人様辺り56万9000ネルになりますぅ」
いつも通り三人はギルドへ預け自分はイベントリに入れる。
「早速迷宮に行くか?」
「またさくっと進めるの?」
「今日はゼンジさんの店行ってその後は自由にしようか」
「おっ?セイラも流石に装備買うのか?」
「いや?俺はもう持ってるよ…ストロベリルの武器とルインの武器の強化をね」
『自由…ご主人様は何かされるのですか?』
『ちょっとね…ルインもゆっくりして良いからねー』
『おっけーです!』
ギルドを後にしラゼバルトへ。
「おはようございますゼンジさん」
「いらっしゃいませ…良かった、レンゴさんの義足は無事に作ってもらえた様子ですね」
「うん、ゼンジさんの師匠だけあってちゃんと良いものを作ってくれたみたいだね」
「大変だったでしょう?ところで今日は?」
「ストロベリルの武器を替えるのと…ルインの武器をゼンジさんに鍛えて貰いたいんだ」
「分かりました、気に入って貰えたようですね」
話が通じたようで一安心だ。
「お預かりしますね、二日頂いてもよろしいですか?」
ルインが武器を渡す。
「大丈夫です、お願いします」
「お預かりしている間はこちらを使って下さい、あくまで護身用ですが」
銅で出来た双剣を受取りお辞儀するルイン。
「ねぇセイラ!これなんてどうかしら!?」
店内を物色していたストロベリルが長剣を持ってくる。
・波打つ長剣:攻撃力122 STR+5 【裂傷付与・小】 LV44~長剣 LV1~超達 長い刀身はうねり、斬られた相手は塞ぎ難い傷を負う。
「中々見る目あるね、大丈夫だよ」
「持った時にしっくりきたの!ゼンジさん、これお願い!」
支払いを済ませマジックボックスに入れるストロベリル。
「んじゃこっからは自由行動って事で」
「今日は家でゆっくりするかぁ」
「ルイン!一緒に遊びましょ!」
『えーっと…』
『行っておいで、先に宿に帰ったらご飯も食べてて良いからね』
『遅くなるのですか?』
『んー分かんないな…まぁ今日はストロベリルと楽しんで来なよ!』
『分かりました、ありがとうございます!』
手を繋ぎ店を出るルインとストロベリル。
「じゃあな、明日は頑張れよ」
「おう、任せろ!」
レンゴも店を後にする。
「シヴァルバさんに挑まれるんですよね?噂になってますよ」
「はい、勝ってみせますよ」
「シヴァルバさんの闘い方は確か…」
「待った!ゼンジさん、情報は要らない!それじゃ楽しみが減る!」
「失礼しました…怪我にはお気をつけられて下さい」
店を出てギルドを目指す。途中で弁当をひとつと串焼きを購入。
「リリーナさん、地下借りて良い?」
「どうぞぉ」
ギルド地下、広い空間へ。
「とりあえず…」
左拳左拳右拳、右脚左脚右脚…一通りの連続通常攻撃を確認。
「さてと…闘神術…」
その後全ての確認を終え満足する頃にギルドを出ると辺りは暗くなっていた。宿へ戻るとルインが夕食を終わらせた頃の様だ。
『お帰りなさいませご主人様、先に頂きました』
「ただいま、俺も先に食べようかな」
食事を終え体を洗う。
『今日は楽しかったです!』
「良かった良かった、今日は俺の都合だったけどルインも何かあったら遠慮しないでね」
『おっけーです、ありがとうございます!』
ベッドへ潜り二つの意味で昂る心と体を落ち着かせ就寝へ。
「おやすみルイン」
『おやすみなさいませご主人様』
期待を胸に明日へ備える。
すみませんちょっと長くなりそうだったので区切りました




