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第40話:記憶

長いです。

装備説明~バトル回です

翌日、いつもより早く目が覚める。

要因は1つだろう…ルインはまだ目を閉じているのでそのまま見つめる。可愛い寝顔だ。思わず頬に手が伸びる。

そこでルインの目が開いたのでそのまま頭を撫でる。


『おはようございますご主人様』


「おはようルイン」


準備を整え終わると朝食が運ばれて来た。

今日のメニューは肉中心のガッツリとした内容、日本(あっち)じゃ朝からこんな食事は無理だろうがこっちに来てからは全然平気だ。体力を使うからだろうか?ヤトは言わずもがなルインも平気そうに平らげる。


「ごちそうさまでした、んじゃ行こうか」


『はいっ、ごちそうさまでした!』


ヤトを戻し宿を出る。リーラさんに今日も夕食は要らないと伝えておく。


『今日はいつもより少しだけ早いですね』


『俺がルインより早く起きたからねー』


途中いつも通り弁当と飲み物、パンをいくつかと肉と野菜が交互に刺さった串焼きを買っておく。


「兄ちゃん!勇者様が現れたってよ!めでてぇ事もあるな!」


噂は相当広がってるっぽい。

ギルドに着き中へ入るがジンとレンゴはまだの様だ。

緑の髪のおっとりとした外見に似合わない性格の計算女が居る受付へ。


「おはようリリーナさん、今オークスさんの所行っても大丈夫?」


朝の挨拶に合わせルインも会釈。


「おはようございますぅセイラさんにルインさん、大丈夫と思いますよぉ、あ…昨日の分のお支払しますかぁ?」


「あージンとレンゴが来てからで良いや、また4等分にしといてもらえる?」


「はぁいかしこまりましたぁ」


ルインを先に促しギルド三階へ。

朝から大勢の作業員が解体をしていたり武器や防具を広げて見ていたりしている。


「うーん…と、居た」


作業台の横でドカっと椅子に座るガタイの良いアゴヒゲに口回りのヒゲが繋がった男のもとへ。


「ん?セイラじゃねーか、マウントエイプの解体なら終わってリリーナに査定額伝えたぞ?」


「おはようございます、いえ、実は…」


そう言いながら空いている作業台へ森の中の初級ダンジョンで狩った赤毛の狼(レッドウルベイン)と力有る狼(グレイトウルベイン)、戦利品(ドロップアイテム)を取り出す。


「これ、解体と査定お願いします」


「お前…毎日毎日…まぁこっちも助かるけどな…」


「助かるなら問題ないでしょ?」


「量が多いんだよ、まぁ良い昼過ぎには終わらせておくよ」


「お願いします」


「リリーナもお前が来てから個別支給が増えまくってんぞ?まぁ俺もだがな」


「なら良いことしかないので問題無いですね」


「まぁその通りだよ、ギルドも潤うからな、礼を言う」


「どういたしまして、それじゃ」


手を泳がせ一階へと戻る。

ジンとレンゴが並んで壁側の椅子に座って居た。

冒険者に囲まれ色々聞かれているようだ。


「二人ともおはよう、ちょっとオークスさんと話してた、待った?」


「セイラ君ルインさんおはよう、待ってないよ」


「おーう、ほらこれ」


冒険者達を払い、そう言いながらレンゴが2枚の粗い紙を渡してくる。雑に書かれた黒髪黒目、茶色の服の男と蒼い外套のフードを被った金目の女。


「お菓子のお兄ちゃんと綺麗なお姉ちゃんに渡してくれってな」


「お菓子のお兄ちゃんってなんだよ、まぁありがとうって伝えておいてくれ」


お菓子のお兄ちゃんが描かれた紙はアイテム欄(イベントリ)に入れ、綺麗なお姉ちゃんにもう一枚の方を渡す。

柔らかな表情になったルインは大事そうに腰のポーチにそれを納めた。


「おう、早速職人街の方から行くか?」


「先に正門の方でも大丈夫だよ?」


「あー先ずは昨日の査定額受け取ってからね、もう分けて貰ってるから」


「それじゃあリリーナさんの受付かな?」


「おっ、楽しみだな!」


『また数字が増えるのが楽しみです!』


まだ並んでいる冒険者は居ないので直ぐに用意してくれる。


「それではぁ今回の査定ですぅ、マウントエイプの尾が1本辺り7000ネル、全部で322本ありましたのでぇそれだけで合計225万4000ネル、更に取得品(ドロップアイテム)の土の魔石が1つ辺り2000ネル、全部で126個あったのでぇ25万2000ネル、本体丸々持ってきて頂いたんですがぁ量も凄いので毛皮の代金は処分代とさせていただきますぅ」


「了解」


「それではぁ…合計金額は250万4000ネルになりますぅ、4等分だとぉ、お一人様辺り62万6500ネルになりますぅ!どうぞお受け取りください!」


そう言うとドン!と麻袋が4つ置かれる。


「持ってみるとやっぱり重いね…僕は全部預けるよ、職人街のお店でもギルドカードのお金は使えますよね?」


「大丈夫ですよぉ、ありがとうございますぅ」


「俺も預けるぜ、こんな大金持ち歩けねぇよ」


「はぁいかしこまりましたぁ」


ルインもギルドカードと麻袋を渡してお辞儀をしている。


「ルインさんもですねぇ、ありがとうございますぅ」


チラッとリリーナがこっちを見るが無視してイベントリに入れる。


「一気に100万越えたぞ…」


「暫くは安泰だね…」


『ふふふ』


「そのくらい装備ですぐ消えるだろ?」


「そうなのか!?羽根装備は高いって言ってたよな…」


「レンゴは孤児院の事もあるしね…節約しなきゃかな?」


「いや、稼げば良いだろ?何のためのダンジョンだよ」


「そうは言うけど、セイラ君の戦闘は異常に早いんだよ?普通はもっと一回で時間掛かるし…」


「だな、まぁセイラ言うのも一理あるし稼ぐだけか!」


「まぁジンは街出る前に荒稼ぎしたら良いんじゃない?とりあえず防具見に行こうか、ダンジョンも早く行きたいしね」


「そうだね!」


「そう言えばよ、あんなに倒したのにレベル全然上がんねぇんだぜ!なんでだ…」


まぁ後で教えてやるか。ギルド出て職人ギルド街へ。


「装備揃えるならおすすめの店があるから」


「何で装備の店は知ってんだよ…」


「セイラ君は戦闘関連の事だと本当に頼りになるね…」


『ゼンジさんのお店ですね?』


『そそ、あそこはかなり良い店だよ』


何て言ったって全てにステータスボーナスが付いている。

しかも相場より安いくらいだ。


「ここだよ…おはようございまーす」


腕の組み合った看板の店ラゼバルトへ這入る。


「おはようございます…あぁ、セイラさんにルインさんまたお越し下さったんですね…そちらのお二人は?」


「ジンとレンゴ、お客さんを連れてきましたよ」


「ジンさんにレンゴさんですね、対した物は置いてないですが見るだけでもどうぞ」


「はい、宜しくお願いします」


「おう!ちょっと見させて貰うぜ!」


『ご主人様…私も…』


『うん、好きに見てきなよー』


『ありがとうございます!』


武器や防具を見るのは楽しいからな。


「ゼンジさんの店って良い品ばかりなのにあんま賑わって無いね、時間が悪いのかな?」


「ハハッ、私の腕がまだまだなんですよ。そう言ってくれるのはセイラさんだけです…それに大通りの方には綺麗な装備を売る人気店もありますしね」


「へぇ…覗いてみようかな」


「私には打てないような物ばかりでしたよ…高慢かもしれませんが負けている気はしないんですがね…」


「ちょっと行ってきますね」


「はい…残念ですが良い店があればそちらに行かれて下さい、冒険者にとって良い装備は大切な事ですからね兄の紹介でもそこは情け等要りませんので」


自分の事より使い手側の立場になって考える良い人だ。

が、そこは当然の事と考える。ルインも居るのだから甘さは出せない。


「じゃあ…皆!ちょっと出てくるからここで待ってて!」


「うん!それにしてもこのお店の装備は無骨だけどなんだか見てしまうね…」


「おーう、好きに見て待ってるぜー」


『ご主人様、私も付いて…』


『いや、ちょっとした確認だから大丈夫だよ興味あるの探して後で教えてよ』


『おっけーです、お待ちしてます!』


一旦一人でラゼバルトを出て大通りへ。

森の方へ続く道に出る門の方面を目指す。

すると一際大きな、剣の描かれた旗と盾の描かれた旗が屋根に掲げられた建物が見える。人も多く出入りしており、おそらく此処がゼンジの言ってた人気店だろう。


「おはようございます、装備を見て回っても良いですか?」


カウンターらしき場所が3つあり、全て女性の受付だ。


「はい、何かお気に召すものがあれば申し付け下さい」


店内をぐるりと回る。そしてじっくりと´視´て回った。


・炎の剣(フレイムソード):攻撃力40 LV40~戦騎LV1~二剣聖 炎の力が宿る赤熱銀を素材として用いた剣。熟練者が扱う事に依り火花を放つ。鍔の部分には筋力を増強する効果のある魔石が埋め込まれた上級者向けの武器。


レベル40から適正なのが基本職(ベーシック)の戦士と騎士、レベル1から適正が二次職(セカンド)の二刀者(ツヴァイサー)、剣操者(ブレイダー)、聖騎士(ホーリナイト)となっている。が…。


「くそ過ぎだろ…」


攻撃力はまぁ普通にあるが炎の力が宿るなんて書いておきながら炎熱付与もされていないし、筋力を増強するに関してもSTR+の効果も無い。攻撃力や適正職、効果なんかは多分ほかの冒険者には分からないが…これじゃ詐欺だ。値段は48万ネル。馬鹿か。


・白銀の鎧(プラチナメイル):防御力270 LV50~騎 LV1~聖 変質し難い高価な貴金属で作られた鎧。胸に魔石が埋め込まれ加護を得るとされている。


防御力は序盤の聖騎士にはありえない程高いが、言わずもがな加護効果なんてなく御値段なんと2億万ネル。誰が買うんだ。


他にも視て回ったが全て論外、見ためだけに拘(こだわ)った物ばかりでとんだ無駄足だった。


「又のお越しをー!」


二度と来ない事を誓い、念の為に他にも何件か回りラゼバルトへ戻る。


「ただいまっと」


「どうでしたか?美しい装備が多くあったでしょう?」


『おかえりなさいませご主人様、ゼンジさんに相談して幾つか選んでみたのですが…』


『おっ、後で教えて。とりあえず…』


「あんなのは飾りですよ、控えめに言ってゴミですね」


「ラハブ一番の店の装備をゴミですか…」


「どこ行ってたんだい?それにいきなり言葉が悪いよ…」


「一番って言ったら…クリエイティーンじゃ無いか?」


創造ねぇ…確かに想像は絶したが。


「一応他の店も回ったけど…俺が保証するよ、この店がこの街一番の武具店だね」


「嬉しいお言葉をありがとうございます…!職人冥利に尽きますよ!」


「セイラ君が言うならそうなんだろうね…ところで選んだ…まぁどれか判らなかったからゼンジさんに選んで貰ったんだけど…」


そう言いながらカウンター横に置いていた赤い装備を持ってくる。


・火蠍の兜(スコピオヘルム):防御力13 VIT+1 【火耐性・極小】<※LV14~二剣聖暗LV1~無達輝深>砂漠に潜む蠍の甲殻から作られた防具。僅かだが炎熱耐性を得る。>希少級(レア)。


・火蠍の鎧(スコピオメイル):防御力22 VIT+2 【火耐性・極小】 <※> 希少級(レア)。


・火蠍の護手(スコピオガントレット):防御力11 VIT+1 【火耐性・極小】<※>希少級(レア)。


・火蠍の腰簑(スコピオウエスト):防御力10 AGI+1 【火耐性・極小】<※>希少級(レア)。


・火蠍の脛当(スコピオグリーヴ):防御力12 AGI+1 【火耐性・極小】<※>希少級(レア)。


・灼火鋼(しゃっかがね)の盾:防御力20 【防御体勢時被ダメージ軽減・極小】


・黒糸(こくし)の防刃(ぼうじん)シャツ:防御力1 【斬撃耐性・極小】 黒毛の熊(ブラックベアル)の毛から編まれた丈夫な服。爪に依る攻撃等から身を守る効果がある。希少級(レア)。


・黒糸の防刃ズボン:防御力1 【斬撃耐性・極小】 黒毛の熊の毛から織られた丈夫な下履き。爪に依る攻撃等から身を守る効果がある。希少級(レア)。


「あー、そう言う手もあるかー!ゼンジさんやっぱ良い職人だわ!」


「他の装備をお探しでしたか?見たところ片手剣を扱う様なので動きやすい物を用意したのですが」


「一応金属鎧で考えてたんですけどね、いや、これも全然有りな選択なんで大丈夫ですよ」


何より全てに効果付き。色も良く、赤熱銀(クリムゾン)装備に換える時も違和感無いだろう。


「ならば良かったのですが…ついでにはなりますが鎧の下に着る物も勝手に選びました。冒険者皆さんは普段着の上から防具をする事が多いのですが…」


「それもバッチリ…良い感じです、ジンそれにしなよ」


「それじゃあそうするね、お会計はギルドカードから良いですか?」


「大丈夫ですよ、全部で37万ネルになります」


「ちょっと待った!俺の知りあいだから割引してないですか?」


「いえ?通常価格ですが…中々売れる事が無いので割引をする事が出来ずに申し訳ないです…」


「そんな気を使わないでも大丈夫ですよ!生活もありますしセイラ君も良い装備と言ってるので!」


「違う!安すぎるんだよ!正直その2倍取っても全然損しない!」


「えーっと…2倍払ったほうが良いかな?」


「いえ!購入して貰えるだけでもありがたいので流石に!」


「どう言う事だよセイラ」


『そんなに良い装備なんですか?適正レベルと言う物も大丈夫であれば…熟練者向けの物でも無いのですよね?』


「はぁ…あのなぁ…この店の装備は全部効果付きなんだよ、腕の良い職人じゃないと効果ってのは付与されない。低レベでも効果付くだけで価値はすげー上がるんだ」


『そうなんですか…』


「へぇ…本当に良い店なんだな」


「うん?セイラ君にはそれが分かるのかい?」


「私も聞いた事はありますが…例えばクリエイティーンの剣には炎が宿ると」


「まぁ…分かるよ…何でかは知らないけど…」


ゲームをする者なら゛調べる゛は当然の機能だろう。

何故使えるのかは本当に知らないが。


「魔眼…か?」


「どうだろう…【鑑定】でも効果が付いているのが分かるなんて聞いた事ないし…」


『知っている事では無いんですか?』


『んーそれとは違うんだよね…まぁ…いつか…』


首を傾げるルインの頭を撫でる。


「まぁ安く売ってくれるなら儲けもんか…ゼンジさんに感謝だな」


「こちらこそありがとうございます今お使いの皮装備はどうされます?」


「そうですね…早速装備を替えて今の装備はギルドに寄付します」


「それが一番ですね」


マジか…゛闘争者達の宴(バトルワールド)゛じゃ取って置いて着回すか競売に出すのに…。


「んじゃ次は俺だな!これなんだけどさ」


そう言い持っていた1本の長く細い筒を見せてくる。


・限定空間の矢筒:一種類の矢を固定して無限に収納、取り出す事が出来る。ゼンジの技術の結晶である。希少級(レア)。


ゲーム内じゃアイテム欄(イベントリ)の矢事に設定された筒を場合事に取り替えるから普通だがこっちじゃ技術の結晶なのか。


「これデカイし一種類しか入らないらしいんだけど重さを感じなくなるらしくてさ、制限は無いらしくてよ…これって簡易のマジックボックスだよな?」


「矢を持ち運ぶの大変だろうし沢山入れれば弾切れの心配も無いから良いんじゃない?いくら?」


「15万ネルだ、安いよな!」


「あ、あぁ…」


とんでも無く高く感じるがそれは自分には要らない物だからだろう。マジックボックスは珍しいらしいし。


「じゃあ俺もカードで!」


「ありがとうございます、矢しか入らないのでマジックボックスには及びませんが便利ですよ」


「だな!後は持ってる矢と同じのを…取り合えず100本買うか」


弓職って金ばら蒔いてるんだよな…。それに比べてルインに渡した夢幻の矢筒は消費する事に勝手に矢が補充されるから便利だ。弓職の雑魚狩り(レベル上げ)の必須なんだが。


『ご主人様、私もゼンジさんが教えてくれたのを聞いて選んだんですが…』


言葉を出さないルインに教えるのは大変と思うが…ゼンジさんに感謝だ。ルインが装備を持ってくる。


・連咲(れんさ)<葵花(アオイバナ)> 攻撃力44 DEX+2

LV16~三踊 LV1~駆舞 片手剣より短くナイフより長い二対の剣。鍔は寒い地に咲く花を連想させる形で刀身は青銅色に輝く。希少級(レア)


・短弓<毒咬(ドクガミ)> 攻撃力30 【毒付与・極小】

LV18~三連 LV1~駆束 カルツの木から作り出した短弓の照準口に魔石を加工した物。確率は低いが毒を与える事がある。希少級(レア)。


・黒狼(くろう)<顎合(バイツ)>:攻撃力62 STR+2

LV18~三暗 LV1駆闇 持ち手から伸びる長い棒の先から黒毛の狼(ブラックウルベイン)の牙を何本も埋め込んだ刃が二本付いた狼の強靱な顎(アゴ)を連想させる大鎌。希少級(レア)。


「おっ、武器を選んだんだね」


『はい、防具はもう少し実力を上げてからが良いと言われたので武器だけです』


ゼンジの見立てだと骨(ボーン)辺りか?


「良い武器を選んで貰ったね、文句は無いよ。鎌がちょっと凶悪な見た目だけど…まぁ良いか!ゼンジさんいくら?」


『ご主人様!自分で払います!』


「そう?ゼンジさん、ルインが自分で払うみたいなんでお願いします」


「はい、それでは全部で32万ネルになります。細かい目の布とレブの木から採れる油も入れておくので手入れに使ってください」


ルインが武器を受取りお辞儀をする。


「なぁ、セイラはルインちゃんの伝えたい事が分かるのか?」


「僕も気にはなってたんだけど…」


「ん?まぁ通じあってるからじゃない?」


「かーーーっ!言ってくれるじゃねーか!」


「だね、セイラ君は奴隷だろうと関係なく接してるみたいだし何だか珍しいよね」


「つーかセイラは装備買わないのか?ルインちゃんと並んだらどっちが主か遠目からじゃ分かんねーくらいだぞ」


「そんなただの服で冒険に出る人も居ないしね…」


「うーん…」


『ご主人様は強いですから気にしないんですよね?』


『まぁレベルさえ上がれば防具持ってるし、このくらいのレベルじゃ必要無いかな』


普通なら防具は重要だが、ステータスが異常に高いので気にならない。


「ゼンジさん、どう思う?」


「私ですか?そうですね…」


ジッと実力を測る様にこちらを見つめ口を開く。


「セイラさんには…今の時点で置いてある装備は実力に追い付きませんね。必要無いと思います」


「な?分かってくれたのはルインとゼンジさんだけか…」


「そう言われても…ゼンジさんは何でそう言えるんですか?」


「勘としか…あまり当てにはしないで欲しいですが…」


「へぇ…俺達もその内分かるようになるのか?」


「さぁ?経験積めば分かるんじゃない?」


だいぶ時間を取ったのでゼンジさんに礼を告げてラゼバルトを出る。


「次は正門の方の商人ギルド街だね」


「マジックボックスだったよな?あればいいが…」


『珍しい物ですからね…それに高価ですし…』


「まぁ無いなら諦めるよ」


商人ギルド街に入り正門の向かって店を物色していく。

何件か回り、無駄足を踏み、一件の少し古そうだが綺麗にしている店に入る。


「いらっしゃいませ、お探しの物があればお手伝いしますよ」


少し腹の出た額の広い中年の男が声を掛けて来る。


「あぁ、マジックボックスを探してるんですが…」


「それは良いところへ、調度先日入手したところなんですよ!」


そう言うと棚から少し埃の被ったペンケース程の丸みを帯びた金属を取り出しカウンターへ持っていく。


「おっ!日頃の行いが良いのか?」


「幸運だったね!」


『初めて見ます…』


ルインはともかくコイツら何を見てたんだ…。


「こちら回復剤を入れても瓶が割れる心配もありませんし、なんと武器や防具を入れる事も可能で重さも感じません!どうですか?初めて来られた様ですし…そうですね…150万ネルでいかがでしょうか?」


「おぉ!安いぞセイラ!」


「うん!普通もっとするはずだよ!」


『私は詳しくないので分かりません…』


「はぁ…お前ら二人は…まぁ良い、ところで店主」


ここで敬語を止めて戦闘体勢に入る。


「何でしょうか?何でもお聞き下さい」


「このマジックボックスにはいくつの種類を入れる事が出来る?」


「はい、5つも入れる事が可能です」


「ふーん、個数は?」


「そうですね…回復剤なんかですとひとつの仕切りに20ですね」


そう言いながらマジックボックスを開けて見せる。中は5つの仕切りで区切られている。


「武具はどうなる?」


「そちらはひとつの仕切りにひとつになります」


「ふーん、魔物の死体なんかはいくつ入る?」


「魔物は…生き物は入れる事は出来ません…」


「大したこと無いな」


「何をおっしゃいます!?これは大変貴重な物なんですよ!」


「食料なんかはどうなる?中で腐らないようにちゃんと保存されるのか?」


「そんな魔道庫の様な機能はありませんよ…」


「話になんねー、高ぇよ…そうだな…50万なら買ってやるぜ?」


「そちらこそ話になりませんな、先日入手したばかりでまだまだ買い取り先はこれからいくらでも…」


「棚で埃かぶってたのに?冗談だろ?」


「うっ…ならば100万ネルでどうでしょう?格安でしょう?」


「一気に下げたな、売れなくて困ってんだろ?たかが5つ、入る量も少ない、まぁ行商人なんかはその程度持っても持って無くても一緒だろうし冒険者だってわざわざ高いマジックボックスじゃ無く麻袋に必要な物は入れる。50万ネルだ」


「そ、それでも急いで売る必要は無いので…が、貴方の様な強気な方も嫌いじゃありませんので90万ネルでどうでしょう?」


「強気なじゃなくて珍しい、だろ?50万ネル」


「ですから…いえ、分かりました、そこまで欲しいのであれば80万ネルで手を打ちましょう」


「いや?俺武器も防具も大量に入るし回復剤もひとつの仕切りに99個入って尚且つ食料入れても腐らないように機能するマジックボックス持ってるから別にそこまで欲しくないよ?」


「そんなマジックボックスなんて…」


ガラス張りのショーケースの上に超回復剤を90個出して見せる。


「な?どうする?まぁ無理して欲しい訳じゃ無いが…そうだな60万ネルなら出しても良いぜ?」


「うう…7…いえ65万ネルでいかがでしょうか?」


「買った、ありがとうございます。そのまま持って行きますね」


驚く店主に金貨を65枚渡す。


「んじゃ用も済んだしギルド戻ろうか」


「あぁ…」


「うん…」


『お安くなって良かったですね!それでも高価な物には違いないですが…』


ギルドへ向かう途中、ジンとレンゴが絡んでくる。


「さっきの何だよ?」


「店主さんは嘘を言ってたの?」


「嘘つーか、まぁ良く見せたいのは基本だろ?貴方の為に仕入れられた様な物ですって言われたら欲しくならない?それに値下げ交渉なんて高い物買うときはするのが当然だって俺の母親も言ってたしな」


「そうか…本当変な知識だけあるよな…まぁ良いんだけどよ」


「勉強になるよ、セイラ君のお母さんは元気なのかい?」


「ん?まぁ…多分?」


実際どうなってるんだろう。自分の存在もそうだし…元気で居てくれればそれで良いが。


「あんまり連絡はしてないんだね…ちゃんと親が居るなら心配掛けない方が良いよ?」


「セイラもガキじゃ無いんだし大丈夫だろ!」


話ながら進んでいるとギルドへ着く。

ジンは2階で装備を替えに行った。


『前の武器はどうしましょうか…』


『うーん、ジンみたいに寄付したら?』


『ですがご主人様に頂いた物なので…』


『誰かに使ってもらったほうが武器も嬉しいんじゃない?』


『そう…ですね、寄付してきます!』


リリーナの所へ武器を持っていく。少し困惑したリリーナだったが事情を理解したようで受け取っていた。


『終わりました!』


『はいよ』


先程のマジックボックスを取り出しルインへ渡す。


「これ、その鎌邪魔でしょ?この中に入れても切り替えは出来る筈だから使いな、回復剤も入れてるからいざとなったら」


『えっ…こんな高価な物…』


「ん?さっきのルインちゃん用だったのか」


「そうだよ、まぁ制限はあるけど便利には変わり無いしね」


それに三操者(チェンジャー)が使う軽い裏技(テクニック)で二つ目三つ目の武器をイベントリに隠し、攻めを分かり難くするのは誰もがしている事だ。


「へぇ…でもセイラのマジックボックスに必要な物は入ってんだろ?今更じゃねーか?」


「回復剤なんかは直ぐに渡せるとも限らないしね、それに戦ってる相手が今まで使って無かった武器を突然出したら驚くだろ?」


「確かにな…つかルインちゃん珍しい職業だよな」


「うーん、まぁそうかな」


未だどうすれば良いかモジモジするルインに声を掛ける。


「ルイン、日頃の感謝だから使ってくれると嬉しいな」


『感謝される事なんて…何も出来ていません』


ナニはしてくれているが。


「つかルインちゃんも貰える物なら貰っとけよ、奴隷だからって遠慮ばっかしてたら贈ってくれた相手の気持ちも寂しいもんじゃねーのか?」


金色の瞳で何かを訴え掛けるかの様なルインだが頭下げる。


『ご主人様、ありがとうございます。大切に使わせていただきます!』


『うん』


笑顔で応えてくれた。


「お待たせ、どうかな?」


そう聞こえた方へ向くと全身を赤い火蠍装備(スコピオシリーズ)で固めたジンが立っている。


「格好良いじゃねーか!」


ルインも拍手をし誉めている様だ。


「まぁ似合ってんじゃない?まぁ足りないのは…」


アイテム欄(イベントリ)から真っ赤なマントを取り出しジンに渡す。


「これは?」


・深紅のマント(ディープレッド):防御力20 STR+15 VIT+15 【被魔法ダメージ軽減・中】LV1~ALL 伝説級(SSR)。竜を金の刺繍で背中に施した深い色合いの真っ赤なマント。


「勇者に似合うのはいつだって真っ赤なマントって決まってるんだよ、使ってくれ」


性能は申し分無く、ルインのフード付きの蒼い外套と同じ系統なのだがいかんせんダサい。


「ありがとう…」


マントを肩の装着具と繋ぎ装備も完了した。

一応、様にはなってるかな。


依頼を探すがこれといって見つからない。


「今日は依頼無しでモンスター選ばずに倒して行こうかー」


『はいっ!』


「分かったよ」


「稼げるなら何でも良いぜー」


そして又、[在りし日の記憶]内[1界層・エリナとの出会い]へ。


昼を少し過ぎてたので崖の上で昼食を済ませる。ヤトを喚んで一緒に食べたが胴回りが少し太くなったように見える。


「ヤト、太った?」


「ピイ?」


『少し体が長くなった様にも見えるので単純に成長したのでは?』


『何それ、いつか乗れるかな?』


『えーっと流石にそこまでは…』


まぁ期待せずに待っておこう。

ヤトを戻し森へと続く階段を降りる。


「んじゃ皆、モンスターが表れ次第どんどん狩って行こう、なるべくWSを撃つようにしてみて、出ないときはモンスター殴ったり暫く時間が経過すれば直ぐに撃てるから」


WSにもレベルが存在する。当てた回数でレベルが上がるのだがとんでもない回数がかかるのでなるべく使っておきたい。

レベル1からレベル2は直ぐに上がるがその後が途方も無いのでオマケ程度にだが。


『おっけーです!』


「何回くらい連続で撃てるのか把握しておくのも大切だよね」


「了解!」


クロウラーにマウントエイプ、巨大な川の近くでは新しく爆弾蟹(ボムクラブ)が表れたが自爆する前に倒せば良いだけなので問題無く進む。森の中心に近付いた付近でレンゴが口を開く。


「そろそろ界層主の出る場所だ…どうする?」


少し休憩を挟み全員のレベルだけ確認。


セイラ:LV23

ルイン:LV24

ジン :LV22

レンゴ:LV29


「どんな奴か分かる?」


「あぁ、エリナを襲ったとされるオークだ、前に他のパーティで行った時は何とか勝てた。ランクCからBに上がる昇格試験の相手でもあるからな」


ぬるい試験だ。


「オークか…性欲の強い豚の魔物だね」


「あぁ…」


「えっ?そうなの?俺の知ってるのは何でも食べるって奴なんだけど」


「そうなのか?聞いた話と違うな…」


「女性が優先的に狙われるらしいんだけど…」


「うーん、余裕で倒せるはずだけど少し不安か…」


ルインを見る。


『私なら平気です、もし危なくなったら避ける事に専念します』


『オッケ、まぁ俺が直ぐに倒すから大丈夫だろうけどね』


「戻るか?」


「いや、行こう。ここの界層もそんなにうま味が無くなってきたし調度良いだろ」


「そうなのかい?」


「うん、レンゴはもうレベル上がんないんじゃない?」


「またかよーー!」


休憩を終えて更に森の中心を目指す。

そして木の生えて居ない、広い場所へと出た。


「ボスエリアかな」


「あぁ…出るぞ!」


「気を引き締めて行こう!」


「まぁ一瞬で…」


『油断は禁物って教えてくれたのはご主人様ですよ?』


地面に青白く輝く梵字の様な文字列(コード)が浮かび上がる。


『そうは言ってもね…レンゴから聞いた相手だし…』


その文字列が青から赤へと色を変え輝きを増す。


『前言撤回、楽しめる相手が出てくるよ』


赤く輝く文字列が螺旋状になり凝縮され球体になる。


「前に来たときとなんか違う様な…」


「全員下がれ!ルイン!レンゴ!援護を!ジンは二人を護れ!」


「分かった!」


「突然なんでやる気になったんだ!?」


『おっけーです!』


纏り球体となったそれがより強く輝きを放ち弾ける様に霧散する。赤い光の粒子から3メートル程の豚…家畜として牙を抜かれた獣では無く野生として牙を抜かれる事無く育つ猪の顔をした獰猛そうなモンスターが顕現する。2本の足で立ち、腹は出ているが脂肪では無く筋肉の塊、腕も足も太く全体が一つの巨大な岩の様な力強さを感じる。肌は濃い紫で頭には白い体毛がモヒカンの様でありそのまま背中へと繋がり伸び、その手には体に見合う巨大な斧(ちから)が握り締められている。


「ふぅ…1界層で出てくるボスじゃねーな、回数撃破で出てくるレアポップか?」


・ーーーーーー(ネームレス) LV47


名無し(ネームレス)と通称されるモンスターは条件を満たし、抽選に当選して出現する。所謂(いわゆる)レアモンスターで共通点が二つ。出会えれば幸運。同時に不幸でもあるという事。


「これは…!セイラ君、撤退した方が良いんじゃないのか!?」


「俺でも分かる!不味い相手って事しか分かんないけどな!」


『どうされますか?』


いつでも矢を放てる様に構えたままのルインとレンゴ、その二人の前で盾を構え防御の体制をとるジン。

緊張が顔から伝わる者達の中に一人だけ口角を上げ、唇を歪ませる。


「雄゛雄゛雄゛雄゛雄゛雄゛雄゛雄゛雄゛多゛!!!」


声とも音ともとれる咆哮が上がる。


「楽しもう(遊ぼう)か?」


男が嗤(わら)う。咆哮を嘲笑(あざわら)う様に。



「全員下がってろ!邪魔だけはするなよおぉっ!」


叫び、走り出す。


【加速】+【闘志】


「おらあああぁっ!!」


ネームレスモンスター…呼称では猪頭。その腹へと勢いに乗った拳を打ち込む。その攻撃に怯む事無く猪頭が巨大な斧で薙ぎ払いを仕掛ける。


『ご主人様!!!』


「危ねぇ!セイラ!」


「避けて!!」


「黙って見てろおぉ!」


完全防御。格闘職だとダメージは受けてしまうが殆ど軽減し、更に防御の反動に依る後退(ノックバック)を無くす。


ギイイイイィン…と鈍い音が響き猪頭に隙が生まれる。

自身が一瞬輝きを放つ。


【闘士】+WS(激震)。


再度腹への攻撃を打ち込み今度は怯み(追撃チャンス)を生む。そこへ対象を浮かせ空中コンボ(エリアル)へと運ぶ始動技として代表的なWS(昇掌)、輝きを放ち掌(て)を突き上げると猪頭の巨大な肉体が浮かび宙空へと舞う。【加速】を発動しながら飛び上がる(ジャンプ)、端から見れば消えた瞬間に宙空へ移動した様に見える。そのまま回転しながら右足、左足、右足と交互に強攻撃の繋ぎ(チェーンコンボ)をし、着地間際、再三度一瞬の輝きを放ちWS(踵墜とし)、縦方向に体を回転させ踵(カカト)を猪頭に食らわせ、脳天から地面へと叩き衝(つ)ける。頭を踏みつけたまま力を込め少し距離を取る(バックステップ)。


「何したのか殆ど分からなかったよ…」


「あぁ…手を出せる状況じゃ無かったよな…」


『ご主人様!』


『まだだ…』


「侮侮侮侮部…无无无无无部!!!!」


地面から頭を引き抜きゆっくりと立ち上がる猪頭(ネームレス)。

両手でしっかりと武器(斧)を握り締め頭の上で構える。

斧が光を帯びる。特殊技(奥の手)発動の前兆(分かりやすい合図)だ。体が輝く…その前に駆け寄る。


「ダアアアアアッッッッ!!」


【加速+踏み込み(ステップイン)】×【闘志+WS(トビヒザ)】


伸びた鼻がひしゃげ、顔面へと凄まじい衝撃が走り豚の様な顔になる。膝から崩れ落ちながらも倒れずに動きが止まる。


「侮…侮部…无无部…」


「次で楽にしてやるからな…」


諦めた様に抵抗をせず握っていた武器を手から離す。その胸へと拳を宛てる。


「神塵(カミホフリ)」


体が輝きを放ち宛てた拳から規格外な力を帯びた閃光が胸をく。遅れて轟音。倒れる猪頭。拳を掲げる。


「俺の…勝ちだ」


戦いが幕を閉じた。


「強っっっっえぇぇ!」


「セイラ君!最後のは凄いって事だけ分かったよ!」


『お疲れ様ですご主人様!』


三人が駆け寄って来る。


「ちょっと驚いたけど当然の結果だよ」


倒れた猪頭から戦利品(ドロップ)を確認。


・覚醒結晶<選択不可>:三次職で使用可能。使用後、無作為に選ばれた覚醒を取得。


「おっレアドロ、うーんランダムか…」


「あんな強そうな奴からの取得品(ドロップ)なんだから良い物なのか?」


「それは当然セイラ君の物だね!」


『綺麗な石ですね…』


八角形の石が虹色の輝きを放っている。


「まぁ貰っとくか、微妙っちゃ微妙だけど」


猪頭の回収も終えると辺りの地面が青白く点滅する。


「おっ転移が発動するぞ」


レンゴがそう言うと視界が白くなった。


ウェーブ掛かった金髪の美しい女性。耳の先は尖っており、エルフの特長の一つだ。その女性が森の中でオークに襲われている所に一人の男が表れ見事女性を救う。男はその女性と共に森を出て大きな街へと連れていく。これまた大きな城へと向かい王冠を被った厳格そうな男に膝を付き女性を紹介する。

その城で一緒に住む事になる二人だったがエルフの女は陰湿な嫌がらせに毎日合う。その程度なら耐えれたが、森を連れ出してくれた男が居ない時に首から下げたブローチを壊された日に森へと戻った。又、一人の日々が訪れる。



「なんだ今の」


視界が戻り、青く淡い光を放つ鉱石で出来た広い場所へ居る事を認識。中心には転移門(ゲート)も見える。


「なんだよって、迷宮(ダンジョン)の記憶だろ?」


「僕は初めてだから少し驚いたけど1界層のお話しだね」


『綺麗な女性でしたね、エルフは禁忌とされてるので可哀相でしたが…』


「なるほど…」


こんな風に分かるのか…ゲームなんかじゃ背景やストーリーなんかはNPC(ノンプレイヤーキャラ)から聞いたりするが。


「ムービーシーンって考えれば良いか…」


「今からどうする?進むか?」


「今日は帰るか」


「そうだね、界層主(エリアボス)も倒した事だし」


「次からは何処に来るんだ?」


「あぁ、1界層かこの部屋か選べるぜ。2界層に行く時はこの部屋から行って、一回行けばこの部屋じゃなくても2界層に直接行ける」


「分かった、んじゃ戻ろうか」


『次は私も界層主(ボス)と戦いたいです!』


『やる気だなー、ちゃんと適正ボスならね』


「川の近くで蟹と戦っただろ?アイツ美味いから何体か持って帰ろうぜ!」


「お店で買うと高いからね、子供達も喜ぶんじゃない?」


「分かった分かった、デカイから家まで持って行ってやるよ」


『ご主人様…あの…』


『ん?』


『私も食べたいです…』


全く、そんな上目遣いをされて断れる筈が無いって。

今夜は蟹のフルコースだな、リーラさんに頼もう。

転移門を使い外へ出る。黒い台形の建造物を見上げ…。


「次はどんな物語(ストーリー)かな?」


迷宮(ダンジョン)、在りし日の記憶[1界層・エリナとの出会い]攻略!!






































纏めるの下手くそだったと思いますが自分的には良い仕上がりになったと思ってます


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