第37話:パーティ
遅れを取り戻す!
「今日はパーッと祝うか!?」
「そんな事しなくても大丈夫だよ…」
「いやいや、でもよ!100年ぶりくらいの勇者だぜ?」
「そうかもしれないけどセイラ君のおかげなんだし…」
「いやいや、盛り上がってるとこ悪いけど今からダンジョンだし」
「「えっ」」
「何だよ、まだ依頼の猿倒してないだろ…」
「そ、それもそうだね」
「くっ…世話になったし何も言えねぇ…」
「あと装備は前使ってたので来いよ、もうさっきの武器は使えないからな」
「分かったよ、もう皮の装備で良いのかい?」
「あぁ、何だかんだ勇者の便利な点でレベルさえ合ってれば大体の装備は大丈夫だからな」
「分かった、それじゃあ一旦ギルドに戻ろう」
教会を出てギルドへ向かう。
「てかよ装備新調するのもありだよな!」
「レンゴはどんな装備なんだ?」
「へっへっへ、鱗装備と黒硬樹の大弓だぜ!中々だろ?」
「まぁ無難なとこだな、35までは下手に防具変えたりしないほうが良いよ」
「なんか理由あんのか?」
「実力に合わない装備をしたらステータスが下がるんだよ、ジンがクラスチェンジ出来なかった理由でもあるけどね」
「初耳だぞ…」
「でも僕も村人だったけどレベルは50あったよ?」
「ただ着てただけって事、村人に合う防具なんて無い」
「そうだったんだね…」
「続けるよ?んで皮の装備適性レベルは1からだけど戦士、狩人の二つとそのセカンド以降なんだ。んで鱗はその二つに騎士職も当てはまる。」
「勇者はレベルさえ合えば大丈夫…」
「そそ、で、鱗装備の実力に合ったレベルってのが18から」
「それじゃあ俺は大丈夫な訳か」
「だな、まぁ装備新調しても良いんだけど例えばレベル22からは骨装備が付けれる、けどあんまり性能に差が無いんだよね」
「そうなのか…」
「まぁ金は足りるだろうから心配は無いけど35から弓職なら羽根装備が48、無理したら60迄使えるからおすすめ」
「勉強なった、礼を言うぜ」
「どういたしまして、フェザーは結構高いはずだから頑張って」
「げっ、まぁ何とかなるだろ!」
「セイラ君!僕はどんな装備が良いのかな!?」
「ん、ジンは勇者だから何でも大丈夫だけど俺のおすすめは鉱石とか金属鎧系かな。レベル16になったら緑鋼装備、32で赤熱銀装備、ちょっと辛いけど61で強硬石装備かな」
「ありがとう、覚えておくよ」
「武器はどうしたら良いんだ?」
「ぐいぐい来るな…」
「こんなに知ってる奴なんて初めてなんだから仕方ないだろ!」
「僕も知りたい!」
「分かった分かった、とりあえず着いたし先に装備取ってこいよ、待ってるから」
「うん、そうするね」
「あぁ、急ぐぜ!」
勢いよく扉を開きバタバタとギルドに入っていく。
「ふぅ…」
『ご主人様って知らない事とかあるんですか?』
『ん?俺が知ってる事なんて戦闘関連だけだよ』
『それでも凄い事には変わりありませんよ!』
ルインは直ぐ持ち上げて来るが胸を張って偉そうには出来ない。
知っていて当たり前なのだから。
「ただいまー!」
「早かったろ?」
見るとジンは着ていた緑の服の上下に茶色の皮の装備一式に身を包み腰には短い片手剣、左手に円型盾を握っている。背中には大きめの麻袋。
レンゴも胸筋と腹筋が見えるよう前の開いた赤い上着の上から鱗の胸当て、下は黒い革のパンツで腰回りに鱗の腰蓑を履いている。色はくすんだ緑、ちゃんと脛当てもしている様だ。背中には黒く硬い木で出来た大弓と長く太い矢筒を背負っている。
「んじゃダンジョンに戻るかー」
「なんか言葉はねーのかよ…格好良いだろ?」
「ん?あぁ…ちゃんと後衛用の装備選んでて偉いね、鎧はステータス下がるから気を付けて」
「お、おう…」
「レンゴ!ちゃんと似合ってるから大丈夫だよ!」
そして在りし日の記憶、1界層エリナとの出会いへ戻る。
「とりあえずジン、これあげるよ」
そう言いアイテム欄から1本の直剣を取り出す。
「これは…?」
・始まりの剣:全能力+5 攻撃力30
LV1~勇 その昔、ある男が岩から引き抜いた剣。柄は青、十字の鍔は金色、刀身は青銅色に輝く。伝説級
「その剣でこれから先頑張ってみな」
「だが、良いものじゃないのかい?」
「どうせ使わないしね…それにそれ、勇者やるなら必須だよ?絶対に使って行かなきゃいけない」
「どういう意味?」
「その剣を折れるまで使う事、それで…」
イベントリから4つアイテムを渡す。
・大精霊の涙:力を蓄えた精霊の涙。特殊な武器の進化に使用。
・邪竜の血:災いを運ぶ竜の血。特殊な武器の進化に使用。
・強硬石|相当な硬度を誇る石。武具の作成、進化に使用。
・光の雫:眩い輝きを放つ一滴の雫。武具の作成、進化に使用。
「折れたらこの4つのアイテムを使ってその剣を打ち直して、まぁ腕の良い鍛冶職人に頼まないとだけど」
「えーっと折角だしありがたく使わせて貰うけど乱暴に扱う気なんてないよ?」
「いや、それ大切に使っても折れる設定だから。んでジンがレベル100になったら打ち直した剣持って教会に行ってごらん」
「100…途方も無い話だね…教会に行くと何かあるのかい?」
「まぁその時のお楽しみって事で、水晶に手をかざせば分かるよ」
「分かった…今更セイラ君を疑うなんて出来ないし言われた通りに頑張ってみるよ」
背負っている大きめの麻袋に仕舞っていく。
「ん、じゃあレンゴもこれ」
「あっ?いや俺は良いよ」
「今更遠慮すんなって、肥やしにするくらいなら誰かに使ってもらった方が良いんだし」
今度は巨大な骨で出来た弓を渡す。
・竜骨弓:STR+80 AGI-16 攻撃力590
LV71~ 大 地竜の骨から作られた巨大な弓。その重さ故、俊敏性は下がるがそれを補う程の力を得る。秘宝級
「まぁレベル71からしか使えないけどな!」
「すげぇな…見ただけなのに何かこう…ぞくぞくする」
「良い目してるね、まぁこれはギルド戻ってから渡すよ」
「助かるぜ、流石に二本も武器を持ったままじゃ動き辛ぇ」
「じゃあとりあえず…ジンが何体かクロウラー倒したら奥に進むか」
『おっけーです!』
「うん!」
「おう!」
ジンのレベルを8迄上げて森を進む。
ガサッと音がし3体のモンスターが表れる。
紫の体毛、体長は1.5メートル程の腕が発達した耳のデカイ猿。
・暴力猿 LV9
「ルインとレンゴは手を出さないでくれ」
「あん?3体だぞ!?」
「良いから、ジンは1体相手してくれ俺が2体相手にする!」
「分かった!気を付け…」
言い終わらない内に走り出す。
固まった3体の内の1体をジンの方向へぶん投げてそれを確認せず2体目に弱中強攻撃、その場を動かない3体目に右拳左拳右足に依るWS、連撃をお見舞いする。
『相変わらず早いですね…お疲れ様です』
『ん、良い経験値稼ぎが出来そうだな』
後ろを見るとジンはまだ戦っている。
発達した腕に依る攻撃を盾で受ける。完全防御をしていた。
「おっ、中々やるじゃん」
防御に依る反動を無くす技術の後にジンが声を上げる。
「はああぁぁぁ!ファストブレードオォォォ!」
ルインとレンゴの元へ戻って眺めて居たが思わず吹き出す。
「ブフォ!なんだアレ」
「戻るの早すぎねえか!?」
「見てただろ…そんな驚くなよ、それよりあの技名叫んでるのなんだよ」
「あぁ?何だよって見たまんまウェポンスキル使ってんだろ、それにしても流石勇者、もうウェポンスキル使えるなんてな」
「ん?いやいや…ちょっと待てよ…」
「なんだ?」
「なんで一々声に出すんだよ、それに流石勇者って…WSなんて誰でも出来るだろ」
「何言ってんだよ、アレは強者だけが出来る技だぜ?それに声に出さなきゃ発動しないし何より格好良いだろ!」
格好良いの部分は分からなく無い、まぁあんな一番最初に覚えるWSで言われても分からないが。
「はぁ…ジンが戻ったら良いこと教えてやるよ…」
「ん?なんだよ気になるな」
ジンが戦いを終え戻ってくる。
「皆!見てくれてた!?ウェポンスキルを撃てたよ!」
「見てた見てた、やっぱ勇者ってのは凄ぇな!」
「ジン、レンゴ…よく聞け、そしてちゃんと見てろよ」
「うん?どうしたんだい?」
「何かセイラが教えてくれるってよ」
少し遠くに猿が見えたので転がっていた石を投げてこちらへ誘き寄せる。
「魔物だ!気を付けて!」
「うっし、こっちに来る前に矢で射ってやる!」
「待て待て見てろって」
よく見える距離まで来たので走り出す。
一瞬体が輝き、猿の顔に膝をぶち込む。一撃で沈めた。
「今何したか分かったか?」
「今のはウェポンスキル?一瞬体が光ったからそうだよね!?」
「しかも無言だったぞ?さっきの2体を一瞬で片付けた力もあるし…セイラって達人なのか!?」
「はぁ…説明してやるよ…」
休憩がてら二人に聞かせる。ルインも興味深そうにしているがWS使えるだろ…。
「先ず、ウェポンスキルってのは誰にも使える」
「俺も使えるのか!?」
「当たり前だろ…基本職でちゃんとレベル上げしてれば50になる頃には使えるよ」
「そうなんだ…」
「続けるぞ?んでまぁ好きにすれば良いと思うがわざわざ技名を言う必要は無いよ、何するか相手にバレバレだろ」
「そう言われたらそうだけどよ…どうやって使うんだ?」
「僕は何だか力が沸いてくる感じだったからやってみたんだけど」
「その感覚の方が分からねぇよ…んー因みにウェポンスキルって何回も撃てるけどそれは知ってる?」
「えっと…僕が聞いた話だと凄腕の冒険者でも2回が限度なんじゃ無いかな…」
「ここぞって時に使うものらしいからな…」
「まぁレベル上げなきゃだけどね、因みにジンのファストブレードは三回までなら連続で撃てるよ」
正確にはWS後の硬直があるから連続では無いが。
「そんなに…」
「ジンはまだだけど、レンゴは三つウェポンスキル使えるんじゃないかな?」
「本当か!?」
「んーー、おっ調度良いあの猿の上に一本の雨って言いながら矢を射ってみて」
こちらに気付いていない様子の猿を指差す。
「分かった…」
上空へ弓を向けぎりぎりと矢を絞るレンゴ。
「シングルレイン…」
レンゴの体が淡く輝き矢が上空へ放たれる。
弧を描き飛んだ矢が宙で突然直角に曲がり速さを増し猿の脳天を貫く。
「おぉ…!なんだ今の曲がり方…」
「本当に出来たね…」
「レンゴのレベルだと4回は撃てるよ、他には強穿雨、扇状の雨も使えるはず」
「他の冒険者に自慢出来るな…」
「ジンは感覚で分かるんだよな…」
『私もなんとなくで使えました!』
『うーん、それが才能ってやつなのかなー?』
「まぁこれから先も色々使えるようなるからしっかりと武器を扱えるようにね」
「うん!楽しみだなぁ」
「あぁ!これがあれば敵無しだぜ!」
「いやいや、んな事ねーから…」
『私も頑張ります!』
『ルインはウェポンスキルも多いからちょっと大変だけどね、俺も教えるから』
『はい、お願いします!』
「じゃあ…狩りを続けるとしようか!」
そのまま二時間程休まず次々と沸く猿を移動しながら狩り続ける。現在のレベルとステータスを確認。
:セイラ・アズミ 武術家 極者
LV17 HP5180 TP2231
STR 384 攻撃力576+15+360
VIT 288 防御力432
DEX 364+2
AGI 338
INT 152
MND 248
CHR 208
:ルイン 三操者 小鬼殺し
LV19 HP740 TP470
STR 112+2 攻撃力163+(20+15+45)+(50+45+0)
VIT 61 防御力91+32 火耐性小 水耐性大
DEX 107
AGI 89
INT 87
MND 48
CHR 66
:ジン 勇者 LV16
:レンゴ 大弓師 LV28
じっくり視るのはマナー違反なのでジンとレンゴはレベルと職だけだ。
「フッフッフ…」
良いステータスだ…。
「どうしたんだよ気持ち悪い笑い方して」
「自己満だよ、気にすんな」
「それにしても…何だか体が凄く軽く感じるよ」
「まぁジンは特にそう感じるんじゃないの?今までが今までだったし」
「そうだね…本当にありがとう!」
「良いって良いって」
『パーティも良いものですね!』
『ちょっと暴れ足りないけどね』
『いっぱい倒したじゃないですか…』
「つーか今日もすげぇ稼げたんじゃねーのか?楽しみだな!どうするかなー」
「ん?何かしたいの?」
「まぁちょっとな!」
「まぁとやかく言わないけど」
「僕はどうしようかな…剣は貰ったし…」
「ジンは防具替えたら?エメラルドシリーズがもう装備出来るし」
「わかるのかい?」
「あぁ…えっとまぁ大体、一応ギルドカード更新してもらってレベル確認したら良いよ」
「分かった、そうするね」
「今日はどうする?まだ奥に進むか?」
「いや、切り上げて帰ろうかジンは勇者なったばっかで疲れてるだろうし」
「僕は平気だよ?」
「今までと動きが違うからな、念のためだよ」
「分かった…」
「更新楽しみだな!あんだけ倒したんだからすげぇ上がってるはずだぜ?」
適正レベルをだいぶ過ぎたレンゴは1しか上がってないが黙っておこう…。
『私も楽しみです!』
『数字で見れるのは実感沸くしね』
「じゃ、帰りますか!」
『はいっ』
「うん!」
「おう!」
大満足でギルドへ向かう。
大変な慌ただしさになってるとも知らずに。
ブックマークありがとうございます!次は100目指して精進します!




