第2話:思い出
まだワクワクしません。
少しコンビニへ寄り帰宅。母子家庭故に母親の帰りは少し遅いが何も気にしていない。結構待遇の良い大手企業に母は勤めているので滅茶苦茶貧乏とかでも無く、普通の一般家庭と変わらない生活をしていると思う。
いつもの日課、洗濯物を取り入れ、畳む前に米を研ぎ、炊飯器のスイッチを入れる。洗濯物を畳み終わり、少し小腹が空いてきたのでさっき買った魚肉ソーセージと炭酸飲料を準備して自室へ。
少し行儀が悪いがベッドの上に飲み物と魚肉ソーセージを用意、そして我らが国の変態性と変態性が詰まったヘッド型ディスプレイと専用の操作装置を準備。
ふと、思い出す。3年前、初めてこのVRMMORPGの世界に入ったした時の事を。
その発表は世界に衝撃を与えた。
脳から直接的な電気信号を読み取り、自分の意思のまま自由にヴァーチャルで作られた世界を冒険出来る専用のゲーム機変態種族の夢であるVRMMORPGの誕生に。
そのゲームは瞬く間に人気となり、開発した会社は莫大な利益を生み出した。当時の俺は小学校卒業間近、卒業祝いとして母親にねだると家事手伝いをちゃんとやるという約束によりそのVR体感専用機゛GVR゛をGETしていた。
そして同時に超話題作となる中世をイメージしたありがちだが憧れの世界に行けるGVR専用データソフト゛創成神話゛を専用サーバーからインストールしていた。インストールは簡単でネット回線をGVRに設定、そこからコンビニなんかで購入したネットマネーで創成神話を選択してインストール。
だがこのインストール作業にすら感動を覚えた、GVRを頭に装着、起動と同時に宇宙空間のような場所に自分が居る感覚、そして立体的に写し出される近未来的な同意書、そのサインをする際は自分で思った通りに、考えただけでサインできるという現実。
ワクワクが止まらなかった、キャラクターエディットを終わらせVRMMORPGの世界へ…。感動が止まらなかった、自分の考えた通りに、その世界の分身が動く。とてつもなく綺麗な景色、見たことは無い、だが見たことのある怪物だけどそんな感動は次第に薄れていく…。自分の考えた通りに動く自分。だがそれは普段の生活、なんの変鉄も無い、ただの人間だった。
元々ゲーマーな俺には全く合わなかった。格ゲーをしているときも゛自分の技術゛で勝つのが嬉しかったのだ。有名な悪魔狩りアクションゲームでもどれだけスタイリッシュに魅せれるかやりこんでいたし、格ゲーでもどれだけ格好良くコンボを決めれるか練習していたのだ。それらに比べるとこのVRMMORPGというのは現実的過ぎた…。当時小学校卒業間近の俺の感性には普通過ぎたのだ…。
そしてそこから約2年後、その2年の間も相変わらずゴッズは人気だったがその開発会社から新たなるタイトルとGVR専用の補助機器の発表があった。
読みにくいかもです。