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第23話:違い

やっと…

ミラにクラスチェンジを頼み修練場へ。

時間はある。が早く作業を終わらせたかった。

最大効率で安全に。ノービスとベーシックでしか出来ない。

強力な武器と経験値の後押し。楽出来るとこで楽しないのは馬鹿だ。熟練度も大切だが後から付いてくる。


「ルイン、さっきの俺みたいに自分でモンスターを湧かせて処理していって」


『はいっ』


「良い?双剣は如何に攻撃を当てるか、手数を増やすかにかかってる、良く見て行動して」


『はいっ』


「よし、自分のペースで始めて」


先ず2体ゴブリンを喚び袈裟斬り、横薙ぎで瞬時に倒す。

横薙ぎで倒すと同時に石に触れる。3体、ステップからの突きで1体、回転しながら剣を走らせ2体葬る。

水色のワンピースが揺れ、チラチラと眩しい。


『黒っ!』


『ご主人様…見すぎです』


洩れていた…。ワンピースを押さえながら闘っている。


「ふっ」


4体喚び出して、袈裟斬り、横薙ぎ、回転斬りで順番に倒す。

1体飛びかかるが回避も攻撃も間に合わないタイミング。

すると一瞬武器が輝く。罰斬り(WS)の発動エフェクト。

ゴブリンから血が吹き出す、バツ文字となり激しくルインに飛び散る。


『今の…どうやった?』

『えーっと何となく…?』


「んー感覚で分かるもんなのか…?」


『ルイン、そのまま続けて。罰斬りは封印、何となく新しい技が使えそうになったら使って』


『分かりました!』


若干ルインが嬉しそうに小鬼を切り刻む。戦闘狂か?


ルイン:戦士が成長限界に到達しました。マスタリーの証として【戦士の心得】を習得。


「よし、そろそろか」


4体喚び出し、双剣が一瞬輝きルインが2度回転。ほぼ同時に3つに別れた死が生まれる。


『ルイン、良く出来ましたっ』

『ありがとうございます!』


「少し疲れたろ?休んでて」

『まだ大丈夫です!』


回転二連はTP100消費の序盤の大技WS、熟練度50で覚える。

ベーシックの熟練度カンストも50、これ以上は意味が無い。


「ん、俺もレベル上げたいし…な」


『はぅ…すみません』


はぅ…あざとい!そのあざとさも可愛い!


「謝らなくても大丈夫だから、休んでて」


『はい、ご主人様の格好良い姿を見ておきます!』


ポンポンっと頭を撫でて戦闘準備。

現在は神官、普通なら回復を駆使しつつ聖属性の魔法(WS)で闘うが…。


ゴブリンを5体喚び出す。ゴッ!ゴッ!鈍い音が響く。

槌による撲殺。見事な手つきでゴブリンを捉え、殴り潰す。


「結構合ってる(面白い)んだよなー」


流れ作業と言わんばかりに次々とすり潰して行く…。


「悪いな…俺の糧になれ…」


微塵も思ってない事を言いながら虐殺は続く。


神官が成長限界に到達しました。マスタリーの証として【神官の心得】を習得。


【神官の心得】上級職(セカンド)以降効果適用。レベルアップ時MNDボーナス+1


「このまま最後終わらせるか、ルインは待ってて」

『はい』


受付に行き何度目か分からない悲鳴を聞いてクラスチェンジを済ませる。いよいよ最後の作業。修練場へ戻り死体で埋め尽くされた光景に自分で引きながらヤトを喚ぶ。


「ヤト、今からお前が闘えるか試す」

「ピー!」


頬ずりするヤトを撫で、小鬼を喚ぶ。


「龍ってのは強い生物なんだ、ヤト、格好良いとこ見せろよ?」


「ピーーーー!」


鳴き声を上げると同時、ゴブリンに突っ込む。

そのまま小鬼の心臓を食い破る。グロ過ぎ…。


「ピー!」


勝利の咆哮だろうか?宙で無限を描きはしゃいでいる。


「よしよし!ヤト、どんどん行くぞ!」

「ピーーーー!」


その後、何体もゴブリンを喚び、ヤトが時折黒い炎を吐きながら次々と心臓を食らい、尾に依る攻撃で薙ぎ倒して行く。


「想像以上…こりゃ剣使う事も考えるか?」

冗談吹いていると…


召喚士の成長限界に到達しました。マスタリーの証として【召喚の心得】を習得。


【召喚の心得】上級職(セカンド)以降効果適用。レベルアップ時MNDボーナス+1


「ヤト、戻って」

「ピーーーー!」


『ルイン、やるべき事が終わった、今日はゆっくりしよう』

『分かりました!ヤトさんも凄いですねっ!』


ミラの悲鳴を聞いて礼を告げるギルドを後にする。

その後地下に行ったミラが気絶するという事件があったらしいが…


視線を浴びながら宿へ戻る。聞き飽きた悲鳴を浴び、自室へ戻り風呂に入る。


「ぷはー!極楽極楽!」


少し体をほぐす。


ガラッ浴室が開く。


「ルインさん?!」

『お疲れ様ですご主人様』


その美しい肌を惜しげも無く披露し、血を洗い流す。

釘付けになっているとルインが湯船に。


『約束…です』

「なっ!くぅっ!」


その柔らかな手により2度目の敗北。


「あ、ありがとう…」


何故礼を言うのか自分でも分からないがルインは笑顔で答えてくれる。女神。完全なる慈母がそこに居た。


『先に上がりますね』

「おぅ…あー、ネイルさんが洗濯終わらせてくれてるみたいだから装備して出掛ける準備だけしてて」

『はい、分かりました』


ルインが着替えるのを待ち、自分は茶色の上下に。


「んじゃ協会に行って、装備整えに東門に行くから」

『はいっ』


協会に着くと初日に会った修道女が出迎えてくれた。


「今日はお祈りですか?」


「ん、それとクラスアップしたいから神父さん呼んで貰えますか?」


「はい、それでは聖堂でお待ちください」


聖堂で待っている間ルインが熱心にお祈りをしていた。


「これはこれは敬愛なる信徒の冒険者様ではありませんか」


「こんにちは、クラスアップをお願いします」


「はい、それでは水晶に手を…」


「お願いします」


水晶が輝き出す。神父が目を見開く。


「こ、これは…やはり神に愛されていますな…」


「武術家(ストライカー)で」


「もう決まって居たのですか…それでは…」


決り文句が終わり、上級職(セカンド)へ職業昇格(クラスアップ)。


「ルイン…僕の奴隷もお願いします、三操者(チェンジャー)で」


ルインが水晶に手をかざす。


「はい、この方も愛されておりますな…金色の者…辛い道を歩んでいく事になると思いますが挫けずに行ってください」


「ぐっ」


「ギルドカードの更新も行いますか?」


「んじゃついでにお願いします」


自分とルインのプレートを渡し更新。


「終わりました、敬愛なる信徒に祝福を…」


「ありがとうございました」

ルインもお辞儀をしている。


「うっし、掘り出し物探しに行きますか」

『はいっ』


東門に着くと面倒見の良さそうな衛兵を見つける。


「こんにちは、僕の事覚えてますか?」


「ん?おぉ旅人の兄ちゃんじゃねーか!今日はどうした?」


「はい、実は武器屋を探してまして…」


「ん?兄ちゃん装備なんにもしてないじゃねーか…そうだな、初心者装備なら南門の方が良いんじゃねーか?」


「そうなんですね…ありがとうございます」


「良いって事よ、男なら可愛い女の前じゃ格好つけろよ!」


「はい…」


まぁルインの装備はかなり整っている。それに比べて俺は普段着。言われても仕方ない。


軽くお辞儀し南門、ギルドを先に進んで行く。


『ルイン、これからは金色の装備は使えない。俺がルイン使う武器を選んで良いか?俺の好みになるけど…』


『はいっ!ご主人様好みにしてくださいっ』


くぅー、良い子だ。


南門前の広場に着くと露店とは別に何軒か剣の看板が目に入る。

そのうち一件、少し古びた店に這入る。


『こーゆー店だと良い品が安く売ってたりするんだ』

『そうなんですか…ご主人様は物知りですねっ』


店内を見渡し、リストをピックアップ。


持ち金が4万ちょっと、正直あまり無いが、3つ選ぶ。


銀の双剣 攻撃力20 良質(アンコモン) LV1~戦三駆狩

美しい模様の双剣。1万2000ネル。


カルツの短弓 攻撃力15 良質(アンコモン) LV1~戦三駆狩曲

カルツの木で出来た短弓(ショートボウ)。1万ネル。


アイネスの大鎌 攻撃力45 希少(レア) LV1~三駆暗

アイネスの持っていた大鎌。2万ネル。


「店主さん、これを」


「ん?なんだ兄ちゃん防具は良いのか?」


「ちょっとお金が無いので」


「そうか…全部兄ちゃんが使うのか?」


「いえ、それは彼女の武器です。俺は武術家なんで」


「あぁ?全部そっちの嬢ちゃんが?まぁとやかく言わねぇが…」


『あの…私よりご主人様の防具を…』


『あぁ、大丈夫大丈夫。防具無しでもルインより堅いから』


「それにしても兄ちゃん見る目あんな…仕方ねぇ、兄ちゃんの武器はサービスしてやるよ!」


「いえ!そんな訳にも…」


「双剣と弓は俺の弟が作った物なんだ、中々売れねーけど確かな品だ。それを選んでくれて俺も嬉しいんだよ!」


「分かりました、ありがとうございます」


「良いって事よ、んじゃこれも合わせて全部で4万ネルで良いぜ」


銀の籠手 攻撃力15 DEX+2 希少(レア) LV1~闘武破

美しい模様の施された拳を覆う籠手。


会計を済ませ礼をし武器屋を出る。


「ラッキーだったな」

『はい、それより…この武器を全部私が扱うんですか?』


背中に大鎌を背負い、左腰に双剣を差し、腰の後ろに短弓を携えたルインが言う。


『そそ、今のルインのクラスは三操者(チェンジャー)。鎌も別に重く無いでしょ?それを切り換えながら闘うんだ。持ちかえるじゃなくて切り換えるってのがミソなんだけど後で教えるよ』


『はぁ…分かりました。本当にご主人様の防具は良かったのですか?』


そこでギルドカードを取り出しステータスを浮かばせる。


セイラ・アズミ 武術家(ストライカー) 極者

LV1 HP4700 TP1800

STR 320 攻撃力480+15+350

VIT 240 防御力360

DEX 300+2

AGI 290

INT 120

MND 200

CHR 160


やっぱり。セカンドの成長限界(LV100)+ベーシックのステータスの10%がボーナスで付いてとんでもないステータス。

熟練度ボーナスで攻撃力半端ない。強さの次元が違う。


『これが俺のステータス…強さの示唆みたいなもんね』

『はい…』

『んじゃルインのプレート渡すから…ステータスって念じてみて』


ルインのプレートが青白く輝く。


ルイン 三操者(チェンジャー) 小鬼殺し

LV1 HP380 TP120

STR 40+2 攻撃力61+(20+15+45)+(50+45+0)

VIT 25 防御力38+32 火耐性小 水耐性大

DEX 35

AGI 35

INT 15

MND 30

CHR 30


目を見開くルイン。レベル1だし最初はそんなもんだ。これからの成長が凄い。やっとスタートラインなのだから。


『あの…ご主人様…凄いです…凄い!』

『まぁこんな感じだから俺の心配は要らないよ』

『はいっ!凄い…』


レベルが上がればイベントリの肥やしになってる装備も生きる。

自分も当然だが仲間も最強にするのが俺の方針だ。


「ルインも格好良くなったし、明日から本格的な冒険だ。今日は宿でゆっくりしよう」


『はいっ、私も強くなってご主人様の役に立ちます!』


ポンポンっと頭を撫で宿へ戻る。

少し早めの夕食を取り自室へ。

ルインが目の前で着替え始め、俺の男が疼くが無を貫く。

ヤトと遊んでデザートを食べ終わった後ルインと心を通わせ深い深い眠りに就いた。いよいよ始まる冒険に心弾ませながら…。



白い男が現れる。嘘の様に真っ白な。

見蕩れる笑みを携えて。その微笑みも嘘の様だが。

男が何か言う。何も聞こえない。

そして微笑む。嘘の様に綺麗なお辞儀をし男は消える。


作業終了です!これから楽しんで貰えるよう頑張ります。PV4800!感謝!

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