第16話:遭遇
ブックマーク増えてた…歓喜。
凄く短いですが投稿します。
辺りも暗くなり、街まであと2時間程。
「くっそ…腹減った…」
昼食すら用意せずに街を出てしまった事に今更後悔。
イベントリに何か入って無かったか確認する。
戦闘中に様々な効果の得られる料理の項目を選ぶが全て無くなっていた。
「なんでだよ…」
特に考えなく、発光石等の貴重品が入る項目へ。
至高の実:至福の時を味わう事の出来る実。4700
「おっこれ確か゛料理王のレシピ゛の余剰分だ、食えるかな?」
1つ取りだし、口へ運ぶ。
「うんっっっっまぁーーーー!」
所謂、植物型のモンスターに依るドロップを集める周回系だが、熟練度上げに持って来いなクエストで必要数を集め終わった後にも通いまくっていた。
「これマジかぁ…これマジかぁ!」
ハート型の実は桃の様な食感、味はとてつもなく濃厚なキウイとイチゴを混ぜた様であり、果汁が飲んでいると錯覚するくらい溢れてくる。
あっという間に完食し、2つ目を取りだすと…
目の前に黒く、うっすらと発光する細長い生物が現れた。
「んおっ!えっ…?コイツもしかして…」
宙に八の字に浮かぶその生物に襲いかかってくる気配は無いのでじっくりと観察する。発光石は使っておらず、今は月明かりのみなので少し見辛いが目を凝らす。
「やっぱり…」
その生物は体長50センチ程、体は細長く、バナナ位の太さの胴回り、背には細かい鱗があり、腹はスベスベしている。小さな腕が四本、顔はワニの様だが先は少し尖っており、目は赤く輝いていた。そして頭から2本、3センチ程の角が生えていた。
龍。竜では無く龍が目の前に居た。
「゛闘争者達の宴゛じゃ見た事無いけど…」
龍は動かず、此方をじっと見つめている。
「くっ…なんとか手に入らないかっ…!考えろ…何故コイツが現れたのか!恐らくこういう時…イベントとして考えるべきだ…!条件…コイツが現れるためのフラグ…!」
龍は動かない、じっと見つめて。
「………ハッ!」
スーッと右手を動かす。
それに釣られ龍が首を曲げて視線を移す。
「簡単だったな…」
そのまま右手を龍に近く付ける。
龍が体を何回か腕に巻き付け手の平に乗る実を食べ始める。
「至高って言われるくらいだからな、まぁゆっくり食え」
「ピイィーーーーー!」
「鳴き声可愛すぎなっ!」
龍が至高の実を食べ終わると又じっと赤い瞳で見つめて来る。
「一緒に来るか?」
「ピイィ!」
龍が鳴くと右手の甲が黒く輝きを放ち熱くなる。すると腕に巻き付くのを止め、龍がその輝きに吸い込まれる様に消える。
輝きを失い、其処には真っ黒な龍が無限を描いた紋様が浮かぶ。
保有所持効果を取得しました。【黒龍の印】
【黒龍の印】その手に黒龍を宿す証。任意発動型。幼い黒龍を呼び出し、呼び出された黒龍は印を持つ者の意思を汲み取り自動で戦闘に参加する。TP消費毎秒2。
称号【黒龍の使役者】を取得しました。CHR+30
「黒龍GETだぜっ!」
と少し声高に叫ぶ。
「アビリティ扱いなのか…装備で調整すれば常時呼び出せるな…名前は…うーん…」
考える。真剣に考える。
「邪王…はアウトか…ひえ…も完全アウト…うーん…黒じゃ安易だし…どうせなら格好良い名前が良いけど…」
所持保有効果扱いだったが、モノを食べている。生きているのを確認している。
空を見上げ考える。ふっと七つの星が光り輝くのが目に入った。
【黒龍の印】を発動。
ピイィ!っと紋様から姿を現す。
「夜斗…お前の名前はヤトだ!」
「ピイィーーーーー!」
気に入ってくれたのか嬉しそうに首へ巻き付き頬擦りをしてくる。
「おっ気に入ったか!んじゃ暫くこのまま歩くか」
「ピイィ!」
暗い夜道を歩き出す。七つの星を見上げながら。初めての仲間を従えて。
夜斗は去年の7月7日にお星さまになった愛犬の名前です。バリバリの職権乱用みたいな感じですがこれからヤトを宜しくお願いします。




