62話『いじめ良くない』
「とにかく、状況を整理しよう」
ベルーラを捕獲して、見世物にしていた館長が言った。
「いや、お前のせいでこんなことになってんのに何自分は冷静ですよってアピールしてんの? 舐めてんのか?」
不良風の少年が言った。
「お前みたいな正論を言うやつが真っ先に死ぬんだろうな」
サターテは言った瞬間
「てめえ!! 誰が死ぬだって!!」
とキレられた。
「いや、館長の方ね」
と言うと
「成程こいつを犠牲にしている間に逃げるんだな、さっきの起点といい、気が利くじゃないか!」
と不良風の少年は褒めた。
「どもども、きっと館長は皆のために犠牲になってくれますよ! だって館長ですもの! その次が従業員ですね! きっとみんな優しいのでそうしてくれますよ! ねっ! 館長!!」
とサターテも笑いながら言った。
「いや、その……」
館長は困ったように言った。
「あれ? 出来ないの? 館長なのに?? どうして? だって館長は皆の命を守る義務があるんですよ? こんなことになったんだからそういう覚悟もおありなんですよね?」
とサターテは普通に疑問を投げかけた。
「おっお願いします! 勘弁してください! 私にはもう3歳になる娘がいるんです!!」
と泣きながら館長は慈悲を求めた。
「え、リア充何ですか? 何ですかそれ? 何で僕より幸せいっぱいなんですか?」
「全く持ってそうだな! 俺だって彼女まだいないってのに!!」
不良風の少年もサターテに賛同した。
「「こりゃあもうこいつ生贄で決定だな!! 反対の人!」」
誰も手を上げなかった。
「ということで頑張ってね!」
サターテは笑顔で言った。
「嫌だ! 嫌だあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
悲鳴を上げるように館長はその場で蹲った。
「まあ、いざってときはこいつを盾に俺らは逃げよう、世界がどうとなろうがどうでもいいし」
不良風の少年は冷静に言った。
「そうだな、どうせ人間なんていたって、地球の害悪で以外何でもないし、動物たちも人間が少なることを祈ってるだろうし、いいんじゃね」
サターテもそれに賛同した。
「「『賛成!!』」」
他の大罪も賛同した。
「てめえら本当に勝手だな」
「大丈夫ですよ、館長さん、皆で協力して逃げましょう」
先ほどのカップルが館長を慰めた。
「ありがとう……ありがとう」
泣きながら館長はお礼を言った。
「じゃあお前らも犠牲役お願いね」
サターテは勝手に押し付けた。
「「何でだよ!!」」
カップルが反論した。
「え、だって館長と犠牲になってくれるんでしょ? だったら頑張ってね! 俺らが逃げ終わるまで粘ってね! 俺らのだれも犠牲につもりはない! リア充以外は!!」
不良風の少年も笑いながら言った。
「そもそも俺たち誰も悪くないのに何でこんなことになったっかていうとこいつのせいだろうに」
「2人が下種っぽく思ったがそうだよな、こいつのせいなんだからこいつが責任取るべきだ!」
「死ね死ね死ね!!」
死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね!
他の皆からそんなコールが続いたとき
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
扉が壊された。
「ほら! 出番だ! 頑張ってね!」
そう言って館長を押した。
「嫌だあああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
館長は泣きじゃくった。




