40話『壁ドン』
「なあ、壁ドンって何であるの?」
「え、私に聞かれても困るんですけど、そう言うのはディビーに聞いたほうが詳しいのでは」
サターテの唐突の質問にマアリは困った。
「いや、床ドンって確か親から食事を要求するあれだろ、だけど壁ドンって何なんだ?」
「え、ああ、意味を聞いてたの? 確か好きな男性にされると女性はキュンとするそうですよ」
それを聞いてサターテは
「では、床ドンは母親をキュンとさせてるのだろうか?」
「えッと……それはどうでしょうか? まあする人はいるのではないでしょうか?」
そしてサターテはそこから話を広げた。
「ほら、床ドンはちゃんと要求があるけど壁ドンは壁をドンとしてから何をするつもり? 食事を要求するの? なぜ壁に向かってするの? 必要ある?」
「何も食事を要求することだけではないかと……」
サターテはあまり納得が言ってなかった。
それを見てマアリは
「はあ」
「え、何で溜息つくの?」
マアリは言った。
「いえ、私も教えてあげれるほど知らないことに少し悲しいと思ってしまって、私これでいいんでしょうか……」
マアリは少ししょんぼりした。
サターテは笑いながら
「もし寂しいなら俺が結婚してあげるよ! てか結婚しようか?」
「それは最終手段にしたいんですけど……」
マアリは悪気なさそうに言った。
サターテは少し悲しい顔をした。
「そっそうですか、まあいいんだけどね……」
「? そうですか」
マアリがそれに応えて
サターテは
「では床ドンと壁ドンの違いを考えようか」
「え、さっきので終わりではないんですか?」
サターテは驚きながら
「そりゃ最終的の壁ドンの後の要求が分からないってことだろ、好きな男にされると女はキュンとすることは分かった、でもその後男は何をするんだ? 何のために壁ドンをするんだ? 床ドンは食事や買い物系を頼むためにするのは分かるよな?」
「ええ、まあさっきも言ってましたよね? 確かに壁ドンはその後どうするんでしょうか? 男の方は何で壁ドンをわざわざするんでしょうか?」
サターテは
「やっぱり何かを要求するために壁ドンをするんだろうね、でも要求するにも男が壁に追いやることで行き場を塞いでしまっている、床ドンの場合は別に塞いでないから要求のために親が動くことが出来るが分かるんだがどうしてだろう? いったい何を要求してるんだろうか?」
「床ドンは食事の要求や物の要求、では壁ドンは……分からないですね」
サターテとマアリは悩んだ。
そして数分後
「もしかして、床ドンと要求は変わらないんだろうか?」
「食事や物を要求ですか? しかし行き場を塞いでしまっているからそれは無いのでは?」
サターテは少し顔を俯きながら
「……いや、食べ物は別に人間が普段食べている者だけではないんだと思うよ……」
「? 何でしょうか?」
マアリは思い浮かばないと言う顔をしながら聞いた。
サターテは気まずそうに
「確か、カニバリズムと言う人肉を食べる偏食の者がいると聞いた、もしかしたらそれをやる者は全てカニバリズムなのかもしれない」
「!!」
サターテとマアリは想像した。
----------------------------------------------------------------------------------
「おい」
「え?」
ドン!!
「きゃ!!」
女の子は壁ドンをされた。
「え! え!」
キュン!!
女の子はキュンとした。
そして、
「お前を食い殺してやるうううううううううううううううううううううううううううううううううう!!」
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ガブグシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
--------------------------------------------------------------------------
「あわわわわ……あわわ……」
「サイコパス!!」
サターテとマアリは震えた。
「マアリ!! 取り敢えずサイコパス壁ドンに会ったら逃げるんだ! 食い殺されるぞ!!」
「はっはい!!」
サターテはマアリに注意を促した。
「しかし、行方不明が出るニュースを聞いているがまさか、壁ドンが原因とは……恐ろしい、しかしそれはそれで納得がいく! 食い殺されてるのなら証拠が残らないようにある組織に処分されてるのかも!」
「!!」
そしてサターテは続けた。
「そして女の子の肉は男よりもしかしたら美味しいのかもしれない、もしかしたら珍味に入る食べ物扱いなのかもしれない! でなければカニバリズムがこの世に言葉として残ることはない! 壁ドンを流行らして自分たちが女の子の肉をくらうためのダミーだ! なんておぞましい……俺みたいな悪魔にここまで震えさせるとはさすが人間!!」
「こっ怖いです……」
マアリはサターテの話を聞いて完全にビビッていた。
「とにかく壁ドンする男が現れたら必死になって逃げるしかないってことは分かってるんだからもし危ない時は僕を呼ぶんだ!!」
「サターテ君……ありがとう、私ちゃんと逃げるようにするね!!」
それを聞いてサターテは
「頑張れマアリ!」
と励ました。
-------------------------------------------------------------------------------------------
次の日
山地は少しドキドキしていた。
(きょっ今日はマアリさんに女性が喜ぶ壁ドンをしてみよう! アプローチを変えて恋心に気づいてほしい!)
山地は今日のために女性が喜ぶ壁ドンについてかなり勉強した。
どのタイミングで? 表情は? 言葉で一番相性がいいのは? どういうときにするのか?
その様なことに詳しい雑誌などを読み漁った。
自分の恋心に気づいてもらいたいという一心で
それまでなかなか出来なかったのは勇気がなかったという完全に自分で認めるヘタレを今日乗り越えることを決意した。
「お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
「お疲れマアリちゃん」
そしてマアリが帰る準備をして職員の方に挨拶をしていた。
それを見て
(まっマアリさんが帰ってしまう! いや、僕に挨拶がまだだ! その時が勝負だ!)
山地はドキドキしながら待った。
すると、
「山地さん、お疲れ様でした、今日もありがとうございました」
マアリは山地に笑顔で言った。
山地はドキッとして少し後ずさりしてしまった。
「? どうしました、山地さん? 顔が赤いですよ? 風邪ですか? 無理しないでくださいね」
マアリは心配そうに覗き込んだ。
山地はさらに顔を真っ赤にして
「だっ大丈夫です! こっこれは違うんです! えっと……」
「そっそうですか、でも無理はしないでくださいね、私に出来ることがあれば何でも言ってくださいね」
「あっありがとうございます、マアリさん」
山地はマアリにお礼を言った。
そしてマアリは
「では私はこれで帰りますね! 体調がすぐれないのであればお大事になさってください」
「あっありがとうございます」
山地はお礼を言うとマアリは帰ろうとした
山地はハッとして
(ダメだ! 帰ってしまう! そうだ! 呼び止めて壁ドンをしよう!)
そして山地は
「マアリさん!」
「はい?」
そしてそのまま
ドン!!
マアリを壁ドン。
(きっ緊張する! マアリさんが少し震えて……あれ? ていうか真っ青? 何で?)
そしてマアリは震えながら
「たっ食べられるううううううううううううううううううううううううううううううう!!」
と言って逃げてしまった。
「え! え! え!」
山地は何のことか分からず戸惑っていた。
すると他の職員が来て言った。
「山地さん……マアリさんをそんな目で……ドン引きです」
「良い人だと思ったのに見損ないました」
「変態……」
完全に皆からドン引きされていた。
「ちっ違うんだああああああああああああああああああああああ!!」
誤解は解けなかった。
そしてサターテとマアリの頭の中で
壁ドン=カニバリズム
という発想になった。




