35話『契約者2』
サーーーーーーーーーーーーーーー
雨が降っていた。
その中一匹の子犬が段ボールの中で鳴いていた。
「くーん」
それを見つけた親子がいた。
「おかーさん、あの子犬さん可哀そう連れて帰ろうよ」
「ごめんね、うちマンションだから飼うことできないの」
母親が娘に申し訳なさそうに言った。
するとスーツを着た1人の20代くらいの男が子犬を見つめていた。
「君捨てられたのか?」
「くーん」
子犬は男を見つめていた。
「おかーさん、あの人が助けてくれるのかな?」
「そうだといいね」
親子は見守るように言った。
「そうか捨てられたみたいだな」
男はそう言ってしゃがんだ
そして、
「ざまああねえええな!! お前みたいな畜生は一生一匹で死んでいくんだ! この畜生が! せいぜいここで一生を段ボールの中で汚らしく凍えて死ぬことだな!! ははははははははははははははははは!! まさに負け犬だな! ペッ!!」
ベチャ!!
「く~ん」
と言って痰を吐き捨てた。
犬は目をとして鳴いた。
それを見て親子はこう思った。
((腐れ外道))
(ああー、悪魔と契約して楽しいーなー!! 全くこの力のおかげで今まで散々バカにしてきたゴミどもを本当のゴミに出来たし、俺は出世コースで一生楽しく暮らすことが出来ると言う完全なる勝ち組の世界だ!! しかも人間としての知恵もどんどんと悪魔的に増大した、もはや人間の考える低能の技術は楽勝コース! 全く、下の者を見下すのは楽しいなー)
ニヤニヤとしながら男は楽しそうに歩いて行った。
「相変わらずいい性格してやがるぜ! お前とは反りが合いそうだな!」
男は声がする方を見ると
そこには昔自分と契約した悪魔サターテが立っていた。
「あれー、サターテさんじゃないッスか! アザース!!」
「チャース!」
パン!!
2人はハイタッチした。
「いやー君を見つけたとき蟻さんを虐殺してた時だっけ?」
「嫌だな、虐殺じゃないッスよ、あれは蟻さんの足を全て引きちぎって生きてるのかを確かめる実験ッスよ! 人聞き悪いな」
「えーでもニヤニヤと笑ってたじゃないか!」
「女王アリが自分の大切な部下が戻って来なくって苦しむ姿を想像してただけなんだからね!」
「結局腐れ外道じゃないか、ワロス!!」
サターテはクスクス笑って言った。
「で、何でこんな人間界に居るんッスか、買い物?」
「いや、魔界から追い出された」
「はいざまー!!」
それを言われてサターテは
「はいお前は死んだあと一生俺の奴隷として働かしたるからな」
と言った。
青年は慌てて
「ごめんなさいです、それだけは勘弁してください」
「よろしい」
サターテは謝ったのを確認すると普通に許した。
「ふー、アザース」
「まあ心読めるから反省してないことは分かるんだけどね、やっぱり謝罪は大事だわ」
「さすが、サターテさんマジパねえす」
サターテと男は笑っていた。
「で、外道昔のように施設で暮らしてるの? あの時もめっさ自動販売機の小銭を稼いだり、オレオレ詐欺を施設の電話で実行してたりと犯罪行為まっしぐらの君がスーツを着ててびっくりしたよ」
「俺も今までじゃだめだって思ってサターテさんの力を使ってゴミどもを排除してから社会に這い上がることが出来たんッスよ」
「へー、君も頑張ってるんだ、そういや君借金取りに追われたり、いじめに会っていたもんな、で、排除って殺したの?」
すると外道は
「そんなわけないじゃないッスかやだなー!」
「そうだよな、さすがに大人なんだから犯罪はまずいよな」
「あいつらは全員廃人にしてやりましたよ、簡単に死なすわけないじゃないッスかー、やだなー、俺の筆箱隠した奴とか借金取りとか悪口行ったりとかエクセトラエクセトラ……そんなやつを許すわけないじゃないッスか」
「おう、俺の魔力でとんでもないことしてんな、マジ悪魔としてやっていけそうで期待大」
「アザース」
懐かしそうにサターテと外道は話していた。
すると、
「あれサターテ君」
「おう、マアリちゃん」
「あーーーーーーーーーーーー! お前マアリ・ガーレじゃん!! 元気! ディビー元気!!」
「あっ……外道君……」
マアリは少し動揺した。
「おう、知り合い?」
「うっうん……同じ施設で育ったの……」
「うわー、まだ苦手意識があるのかー、楽しくお話ししようよ!」
「でも、……」
サターテは外道に聞いた。
「ねえ、マアリに何したの?」
「ああ、サターテさんの力を使っていじめてた施設の子を全員廃人にしてからずっとこうなんだ」
「マジかー」
軽く済んだ。
「ねえ、サターテ君、外道君とどういう関係?」
「え、魂の契約者相手だけど、前言ってた成金小僧」
「え!!」
マアリは驚いたように言った。
そして、涙目になりながらサターテに聞いた。
「まさか、サターテ君の力でお友達を廃人にしたんですか?」
「俺はそこまで責任は持たない、力を与えるだけだ、その後は自己責任ってのが悪魔の掟みたいなもんだ、まあ魔界のローカルルールだな」
マアリは悲しそうに
「そうですか、確かに人間が欲望で契約して力を得てもそれを使うのは本人……悪魔に言っても仕方ないことでしたね……」
「おいおい、悲しそうな顔をするなよ」
「ごっごめんなさい! でも、それ以来外道君が苦手で」
「まあ、苦手な人間がいるのは当然だろ、たとえお前でも、反りが全ての人間と合うわけじゃないんだから、ただお前の許容範囲がでかいだけ」
サターテはマアリの方を叩いて言った。
「そうですね、分かりました、仲良くはできませんが話すことは出来るようになりたいので頑張ります」
「うんうん、君のそういうとこ可愛いと思うよ」
「俺も俺も!!」
そう言って2人は興奮した。
「あ、今日お前の家に行っていい? 現状見てみたい!」
「まあいいけど」
そしてサターテは嬉しそうにマアリに言った。
「じゃあ、今日外道の家に泊まるは!!」
「え、あいいけど私は別に」
気まずそうにマアリは了承した。




