35話『拝見』
「娘さんを見るためまた来ました」
「? 万利子なら昨日見たのでは?」
「もう一人の娘さんなんだが」
サターテは真顔で言った。
「ああ、由美子の事か、なら帰って来たぞ」
そして埜羅は由美子を呼んだ。
「おっお父様どうしましたか? ……」
おどおどとした感じで出てきた。
清楚な感じであった。
「ほほう、お姉さんとはなんか雰囲気自体が違うね」
「まあ、もうちょっと強気でいて欲しいが」
「何を言う、そこがいいんじゃねえか! 全く分かってないな」
サターテは満足そうに由美子を見ていた。
「ヒイ!」
サターテは悶えた。
「何ともしがたい可愛さではないか、素晴らしいではないか」
「ありがとうございます」
「おっお父様、その方は誰でしょうか? ……」
由美子は恐る恐る聞いた。
取り敢えず埜羅はサターテのことを説明した。
「あなたがお父様の契約した悪魔さんですか! お話は聞いております! そのすみませんでした!」
「おう、謝らんでいいよ、可愛いから大丈夫だよ、可愛いは正義だよ」
「あっありがとうございます」
サターテはまじまじと見ていた。
「なっなんでしょうか?」
「ふむ、なかなかどうして悪くない、女子中学生、いや失敬、あまり見ることないから珍しくて」
「サターテ様、さすがに娘をそんな目で見られるのは困るんですが」
「……すみませんでした、さすがにやめます」
サターテは弱腰になった。
「ま、今日は帰るよ、また君に借金してる人をチャラにする約束忘れるなよ」
「はい、分かりました」
「……そういや、御嬢さんは部活とかしてるの?」
「生徒会の会長を」
「おう、いじめとかない?」
「皆良くしてくれています」
由美子は嬉しそうに言った。
「そうか」
そして、サターテはマアリの部屋に帰って行った。
「クッ! 勝ち組状態の人間か、なんか皆から信頼されてそうな顔をしとる、心読んだが嘘は言ってないようだ、守ってあげて甘える姿とか見てみたかった」
サターテは煩悩を漏らした。
「それはさておき、久しぶりに契約者と会ったがもう1人の契約者が気になる、最近した奴はまあ、またでいいか、ボクシング少年だけど興味があまり出ない」
サターテは笑いながら部屋に入った。
「遅かったわね、もうご飯出来てるわよ」
「案外遠いな、あの家は」
サターテは疲れたように言った。
「迷惑かけませんでしたか?」
「そんな、迷惑をかける前提で離さないでくださいよ、かけてないよ」
「それならよかったんですけど」
マアリは笑いながら言った。
「こうしていると、恋人みたいだね」
「? 何の事ですか、違うますよ」
きっぱり言い放たれた。
「ちょっとはそうだねって言ってくれても」
「えー」
マアリもさすがに嫌そうにした。
「そうですか、いやですかどうも失礼しました、申し訳ございませんでした」
「嫌ではないんですけど、恋心がないのにそういうことするのが嫌なんですが」
「おっおう」
困ったようにマアリが言うと、サターテは少しがっかりした。
「うう、まだ告白には早いか」
「ちなみにどんな告白にするつもりですか?」
「君のことを思うと、オ○ニーが止まらなくて、夜も眠れない」
「えー」
さすがに引かれた。
「酷い、であったころからずっと考えてたんだよ!!」
「さすがにもうちょっとマシな告白をお願いしますね」
「えー!!」
サターテはショックを受けた。
「そう言えば、他にどんな契約者がいるんですか?」
「昔は2人しか契約してないから、ヤクザの埜羅と成金系見下し男子君と契約した」
「成金、ですか」
「そう、成金」
マアリは、笑いながら
「良い人になってるといいですね」
「そうだな」
サターテはまた探すようにすることにした。




