第68話 ガザンだから大丈夫
今日のガザンは二回爆発する。
台本を貰った時から気になっていた。
二回も爆発する必要ある?
「熊さん、今日大丈夫?」
「ん?」
「二回も爆発しますよ」
「ガザンだから大丈夫だよ」
すごい説得力がある。
収録が始まって数分でガザンが爆発した。
けれど今日はマンドラゴラ戦隊を倒そうとミサイルを装填していたらしく、爆発と同時にミサイルも暴発……。
「逃げろーー!」
リーダーの言葉も虚しく、敵味方関係なく容赦なくあちこちで爆発が起きた。
これ、放映して大丈夫?
みんな吹っ飛ばされ、誰もいなくなった砂漠でゴソリと大きな影が動いた。
「わははは! 驚いた! やはり銃器は危険だった!」
ガザンだった。
いつも通り砂まみれだけど、爆発の中心だった割には傷がない。
「さて、奴らはどこまで飛んで――ん?」
少し離れた砂の上にぽつりと青い何かが転がっていた。
「…………」
ブルーだった。
「ふはははは! チャーーンス!!」
ブルーは返事をしない。
「……」
「一人とは運が悪かったな!」
「……」
「……おい?」
砂の上でぐったりしているブルーに、ガザンがそろりと近寄っていく。
「大丈夫か?」
「……むり」
ようやく返ってきた声は小さい。
「仲間は!?」
「おまえが……ふっとばした」
「と、とにかくここにいては危険だ!」
ガザンがブルーを抱き上げる。
「みぎゃ!」
抱き上げられた瞬間、ブルーが可愛らしい悲鳴を上げた。
「ど、どうした!」
「あづいぃ」
「すぐに日陰に!」
「おまえ、やけてる」
ガザンは全身金属の兵士。
灼熱の太陽の下、よく焼けていた。
さらに言えば、爆発の熱でさらに……ブルーから文句が出ても仕方なかった。
「青いの、お前文句が多いな」
「……」
「まったく、とりあえずこれで」
ガザンが大きな体を盾にして日陰を作ってくれた。
アホの子だけど、基本的にいい子なのよね。
「やはり小さいのは弱いな、そんな事では最強になれんぞ」
「雪山でなら、ぼくがさいきょう……」
「ならばいつか雪山で勝負だな」
「ぼくが勝つから」
ちょっとだけ良いシーンな空気が出た瞬間。
「ブルー!!」
レッドが太陽を背に登場。
全身を燃やしながらガザンに突撃、渾身の一撃で空に打ち上げた。
「ふはははは! また会おう、小さきものよ!」
捨て台詞と共に爆発するガザン。
今なら分かる。
レッドの渾身の一撃でも、大してダメージが入ってないってことが。
「ブルー、帰るぞ」
「プール入りたい」
「アイスも奢ってやる」
二人が歩く背中を映しながら、エンディングが流れる。
ブルー、クールっていうよりワガママね?
ところで……リーダー以外の戦士はどこ?




