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無人島漂流災害記  作者: 高城葉蘭
一章~大雨災害編
5/6

04話 出航、そして...

船の名前は裕子さんを登場させようと思ったあたりで

決まっていました。ワタツミには海とか海原という意味も

あるらしいですね

「あとすこしだ」

亮太の声で目を覚ました俺は大きく伸びをする。

どうやら俺より遥かに早く起きて作業をしていたようだ。

「おつかれさん!」

「寝起きで悪いが少し手伝ってくれ」

そう言われ俺は寝ぼけたままロープを握らされた

今日で2034年6月4日、遭難から二か月。

やっと脱出の目途がたったものの目的地までは200kmもある

「いったい何年かかるんだか...」と小さな声での呟きは波の音に消されて

亮太の耳に届くことはなかった。

そうして時間は8時。皆も起きて美紀がとってきた魚とキノコのスープをいただく。

暖かい汁が体に染み渡る....最高だぜぇ....

「食べながら聞いてくれ、先程船が完成した。食事が終わり次第出航する」

亮太がそう言うと皆頷いた。

「なにか持っていくものとかあるか?」と聞いてみると

「最低限の食事と、ロープ、あとはいかだを保護できるシートくらいか。余計な重量は増やしたくない。あとはニューニックだけで十分」

との事。

皆食事を終え必要なものを船に詰め込んだ

「いくぞ...」そう呟き船に足を入れた。

乗ってみると意外にも安定していてこれならなんとかなりそうだ。

6人乗っても沈まず安定を保っている

「せっかくだし船の名前でも決めようじゃねぇか!」

そう言ってみると...

「せっかくのいかだだしな。いいんじゃないか?」

「僕も名づけは良いと思うよ、でも命名は賢吾以外で。だけどね」

「賢吾のネームセンスはあーしより壊滅的だからなぁ」

悲しい。あまりにも悲しい。

「船の名前かぁ...無難に神話とかからでいいんじゃないか?」と正宗が

「神話っつってもあーし、ゼウスがぎりぎり知ってる範囲だからなぁ」

うーーん。と一同悩みこむ

「ワタツミ、なんてどうでしょうか?」

ワタツミ、たしか日本神話で海の神だったはず...海原の苗字は伊達ではないか..

「いいじゃんワタツミ!」

「ワタツミ号か...いい名前じゃないか」

「ワタツミと言えば私はあの配信者さんを先に想像してしまいます...」と春さんが

そこに俺が

「海神みさき。だっけ?」と聞く

「はい!私すっごいあの人好きで!トークも面白いし歴史に詳しいのも

あの可愛い見た目とのギャップがあって....っは!すいません、推しの事になるとつい......」

みんなで笑っている中一人だけなんだか恥ずかしそうな顔をして裕子さんが俯いている......

まさか?どこかで聞いたことのある声だと思ったら...まさか?

「とりあえず船の名前も決まったし出航しようか!ワタツミ号、出発ーー!!」

おれはそう高らかに叫んで水平線の先へ向かい竹のパドルを漕ぎ始めた。

──現在時刻12時30分。漕ぎ続けて腹が非常に減った。

漕ぐのを正宗に交代して島から持ってきた不思議なフルーツを片手に景色を楽しむ

(そういや滅茶苦茶綺麗だよな...景色)

沖縄の海に引けを取らない見渡す限りの青い海。

そうして食事を終え正宗からパドルを受け取り再び漕ぎ始めた。

「正宗ぇ、あとどんくらいの距離だぁ?」

「あと...4.5kmだそろそろ島のシルエットが見え始めると思う」

目を凝らしてみるとうっすらと島の形が見え始める。見た感じ山が多くて傾斜も大きそうだ。

そうして交代交代でパドルを漕ぎ続け、残り1kmってところで空に異変を感じる

さっきまで青で染まっていた空が黒く、そして分厚い雲でおおわれてきたのである。

『やばいな...』おれと亮太の声が被り思わず目が合ってしまった。

だが笑っている場合ではない。このいかだがあの雲が生み出す大雨に耐えきれると正直

俺はは思っていない。急ぐぞ、と口に出し全速力でいかだを進める

残り2、300mくらいだろうか腕に何か当たった気がする...

その直後ゴーーーーという轟音とともに大量の雨が降り注ぎ始めた。

海が荒れる前に陸にたどり着かねば...その一心で漕ぎ続け....なんとか生きて島にたどり着くことができた

時刻は18:24分。日の入りまではもう少し時間がある。

素早くいかだをシートで覆いニューニックのテントに入りこむ。

「あっぶなかったなぁーー!!」と叫び

隣にいる正宗からうるさい、と怒られてしまった。

その後持ってきた食料で各自食事を済ませ睡眠に入ったが、いつまでたっても雨の音が止まる

ことはなかった.......


今回から3~4話にわたって豪雨編をお送りいたします!

なにやら不穏な文章が最後に書かれていますが一体この後どうなってしまうのでしょうか...

次回をお楽しみに!

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