9:スナップの出生
ス=スナップ モ=モリガン
俺は人生で初めてのダチになったモリガンとともに、野を超え山を越え時に襲い来る魔物と戦いながら、モリガンの所属する、「祝福の翼」の本部が有る港町、「ディウ」を目指して進んだ。
モ「あんたやっぱりすげぇな! あの”ゴールデンタイガー”を一撃で倒しやがった!」
あの”ゴールデンタイガー”はモリガンからしたら強力な魔物らしく、それを瞬殺する俺に感心していた。
前まで普通に狩って普通に食ってたんだがな。
ス「まぁ、長いからなこの生活。慣れってもんさ」
俺がそう言うと、モリガンは「マジで……?」って感じで唖然としていた。
一応アンタも「祝福の翼」?の副リーダー見たいなもんなんだろ? 難しいのかよこれ。
モ「正直驚いた。ゴールデンタイガーはエリート揃いのA級ハンターの集団でも苦戦すると言われんだ。それをいくら体がデカい異形症とはいえ一人でって……」
ス「一人で虎を食って悪いか?」
モ「悪くはねぇよ。ただ良く死ななかったな。あたしはあんたの力を見くびっていたようだぜ……」
ス「……光栄だな」
俺が「呪熱線」で脅そうとした時もビビっている様子は無かったが、マジで見くびってたのか?
ス「これが、”祝福の翼”の副翼の洞察力か……」
モ「何か言ったか?」
ス「な、何でもない……」
俺が皮肉を呟くと、モリガンから一瞬強烈な殺気を感じたため、ついそっぽを向いた。
恐らく、このモリガンは脳筋な一面はあるが、戦闘の実力は悪くは無いんだろう。
あくまで俺とゴールデンタイガーより弱いだけだ……うんそうだ、そうに違いない。
ス「……聞きたいことが有るんだけどさ?」
モ「……?」
俺はモリガンに先ほど聞きそびれた事を尋ねる。
ス「アンタは俺が”エポナ大森林”に来た時から、二十四回タイムリープを繰り返してるって言ったよな? なんでそんな事が分かったんだ?」
俺が大森林に来たときは、俺たちに面識はなかった。
世界が二十四回タイムリープしているのは分かっても、その時期と俺が大森林に来た時期が同じ時期だと、どうやって知ったのか? どうしても謎だった。
モ「それはな……どう伝えたら良いか……」
ス「遠慮はいらねぇ。俺たちは友達だろ?」
モ「……友達だからこそ気を遣うんだよ。これはあんたの出生にも関係する話だ」
ス「俺の出生……?」
ちょっと待て、俺の出生に関係するだと? どういう事だ?
モ「あんた、”呪いの大怪獣”の噂……知ってんだろ?」
ス「ああ」
モ「ケルト王国はその大怪獣にコードネームをつけたが、その名前が”イグア・ノードン”だった」
ス「それも知ってるさ。俺は違うって言ってんのにさ……」
モ「いや、間違いないんだ。あんたの本名は”イグア・ノードン”なんだ……」
ス「は……?」
いやいやいや、俺はスナップだ。
モリガンだってさっきまでそう呼んでたはずだろ? それに……
ス「……仮に俺の本名が”イグア・ノードン”だったとして、なんで俺の出生の話が出てくるんだよ?」
モ「イグア・ノードン、その本当の名付け親は……あんたの父親、”エリオ・ノードン”だ」
ス「はぁ……!?」
なんだよそれ。
俺の親父が俺の名前を名付けただと!?
モ「エリオは、この国でも有数の大貴族”ノードン家”の跡継ぎだった。だが、彼は一人の村人の女性に一目惚れした」
ス「その女性が俺のお袋だった訳か……?」
モ「ああ。貴族が農民と婚約するには、貴族の地位を捨てる必要がある。わざわざ自身の立場を捨ててまで農民と婚約する奴は普通はいない。だが、奴は公衆の面前で貴族の地位を捨てる表明をした」
ス「それほどアイツはお袋を愛してたんだな……だったらよぉ……」
それなら、なおの事疑問が残る。
ス「それなら、何でアイツは家族を捨てたんだ!? 俺の呪いで死にたくなかったからか!?」
だったら俺の事なんて煮るなり焼くなりすれば良かっただろ! それなら、お袋も衰弱することなく、家族バラバラにならずに済んだんだ! なんで俺だけじゃなくてお袋まで見捨てたんだよ!? 親父の顔なんざ知らねぇが、考えれば考える程に怒りがこみあげてくる。
モ「その答えは、着いてからのお楽しみだ……」
ス「……は? なんでだよ?」
モ「着いたら分かるぜ……」
親父が俺を捨てた理由が、着けば分かるだと?
良く分からないまま、俺たちは王都の次に巨大な街、「ディウ」に到着した。
質問 ハンターとは、どう言う役職ですか?
答え
主に魔物の討伐を行います。
この世界には冒険者と言うものが、登場しません。
あくまで、魔物討伐と素材採取で分けられています。
ちなみに、素材採取する者は採取者と呼んでいます。
それぞれランクがあり、ハンターはc〜s級までで、採取者は5〜1級までランクがあります。




