1:スナップ
これは俺、スナップが五歳になる頃の出来事だ。
俺は辺境の小さな村、「メガソマ村」に生を受けた。
俺は生まれつき異形だった。
人間離れした水色の肌に、手指と口には鋭い爪と歯、トカゲの様な形の顔と尻尾、額には鬼の様な角が生えている、世界に稀に見る「全身異形症」だった。
それだけならまだ良かった。
嫌らしい事に、俺には近づいた者をいずれ死に至らしめる強力な呪力が備わっていたのだ。
ただでさえ怪物の様な外見な上に、呪力と言う「猛毒」まで備わっちゃ、それは「厄災」そのものだった。
俺は物心つくのが人より早かった。
一歳で言葉を覚え、その翌年には俺に置かれている状況を理解した。
親父は家族を捨てて村を離れ、村の奴らからは腫れ物扱い。
外に出たら、「化け物」、「村から出ていけ」とか言いながら、石を投げてくる奴もいた。
そんな、俺を唯一理解してくれていたのが、お袋だった。
あの人だけは、救いようもない「厄災」の俺にも愛情込めて育ててくれた。
だが、当時の俺は自分から発せられる呪力をコントロール出来なかった。
だから、お袋は日に日に衰弱していった。
そして俺が五歳になる頃には、寝たきりの状態になっていた。
村に常駐する医者が言うには、余命一か月も無いとのことだった。
そして、このまま俺が近くに居たら、お袋は死んでしまう。
そう告げられた。
俺は決意した。
お袋を死なせないためにも、俺はこの家に、この村に居るべきじゃないってな。
それに、お袋は俺と違って村の住民に慕われていたからな。
その夜、俺は身支度を整えて置手紙を残した。
突然家を出る事への謝罪と、今まで育ててくれた感謝を添えて。
これが俺が五歳になる頃までの出来事だった。
この話はカクヨム様でも連載されています。
質問 スナップの呪力の効力は?
回答
おもに、動物系の生物のみに、効果が有ります。
母親が衰弱したのも、漏れ出る呪力が何年もかけて蝕んでしまった結果です。
スナップの母親はただの人間ですからね。
逆に植物系の生物と異形症を持つ者には呪力は効きませんが、効かない理由は異なります。
呪力は感情がある者だけに影響されます。
植物には”喜怒哀楽”と言った感情は無いので、呪力の影響は受けません。
逆に異形症の者は感情がある為、呪力の影響を受けますが、体に呪力に対する”抗体”に当たる物を持っており、体を守っているのが正解です。
これが植物と異形症の者の、呪力に対する影響の違いです。




