その後…
ギルド・フェニックスの建物の裏庭。そこには今までクエストで命を落とした者のお墓が並んでる。
その内の一つの墓には、色とりどりの沢山の花束が添えられていた。
そしてそのお墓の前に座り込む人物…レイラの姿があった。
「ユウ……」
あの事件から1週間が経った。
アーサーがを夜通し操縦し、次の日の昼にはセントブルグへ帰ってきていた。私はその時にはもう気を失っていて、アーサーが私をギルドへ運んでくれたそうだ。
目を覚ました私はすぐに王宮へ行き、国王に激怒して問い詰めた。兵士達に押さえられそうになったが、デュークやアーサーがいたのでなんとかなった。私は島で起こったことを全部話した。
その話を聞いた国王は驚愕の表情だった。そして国王はバルバードという人物に頼まれた事だと言った。
国王はバルバードの屋敷へ兵士を派遣し、私もそれに同行した。バルバードという奴は絶対に許せなかった。見つけたら殺そうと思った。たとえそれで私が死刑になったとしてもだ。
だが屋敷はバルバードの姿は無く、無残に殺された使用人達がの姿だけが残っていた。それを直視した私は気分が悪くなり、家には帰らずギルドの部屋で籠っていた。
リリィやマスター、クリスやアリン達が心配してくれたが、私はもうダメだった。家にも帰りたくなかった。もう死のうかと思った。
だけどユウの言葉を思い出して死ねなかった。
あの時の事を思い出しては涙が止まらなかった。毎日、私の枕は涙でずぶ濡れになっていた。
3日ぐらい経ち、国王から伝達が届いた。
どうやらあの島の再調査を行ったらしい。
だがユウの死体も無く、村人の姿も誰1人としておらず、村も更地になっていた。完全な無人島となっていたらしい。
その伝達を見てマスターはお墓を作りましょうと言った。
もちろん私は断固反対したが、
『私だってそんなことはしたくないわ!でも何もしていられないの!もうこの町なんか破壊したいぐらいなのよ!』
目に大量の涙を浮かべてこう叫んだマスターに何も言えなかった。
それからすぐにユウのお墓が作られた。他の墓には『ここに眠る』と刻まれているが、ユウの墓には『また帰ってくることを祈って』と刻まれた。
そしてギルドの皆だけでなく、街の人からもこのお墓に参りに来る人がいた。日を追う事にお墓の周りには花がどんどん増えていき、とても華やかになっていた。
「ふっ……ユウらしい派手な墓だな」
ユウのブレスレットが架けられたネックレスを握りしめる。
「またここに来いらしたのですか?」
ふと後ろから声が聞こえてきた。
「シルビア…」
「早く学校へ行きましょう。もうすぐで夏休みに入りますよ?」
「そうだな…」
あの事件から3日後に学校が開校した。だが私は学校なんか行ける態じゃなかった。
休み続ける私を心配したシルビアが私の家を尋ね、そしてギルドまでやってきた。ここ毎日シルビアが尋ねてくる。そろそろ罪悪感を感じてきた。
「明日から行く」
「その言葉、昨日もその昨日も同じことを言ってましたね」
「う…。あ、明日は本当だ!」
「本当ですか? それでは明日の朝に迎えに来ます。起きていなかったら魔法でも使って無理やり連れていきますので」
シ、シルビアが怖い。私のうじうじしている姿に腹立っているのかもしれない。
「わかった。本当に済まない」
「全然いいのです。…これ、私が作りましたからしっかり食べてください。残したら許さないですよ」
シルビアは私に近づき、お弁当箱を渡してきた。
「ありがとうシルビア…」
「礼には及びません。友達ですから当然の事です!」
そう言って私に向かってッコリと微笑む。本当に友達思いの良い奴だ。
「それではまた明日」
シルビアはくるっと回って歩いて帰って行った。
「ああ、本当にありがとう」
ふ、こんなところで何時までもウジウジしているとダメだな。こんな姿をユウに見られたら何を言われるかたまったものじゃない。
「よし!」
ぐう~
元気よく立ち上がったところでお腹が鳴った。そういえばここのところ食欲も無く、ほとんど食べていなかった。
「せっかく作ってくれたんだし今から食べるか」
シルビアからもらったお弁当箱を持ってギルドへと向かって行った。
いつかまた会える。
そんな気がして仕方なかった。
ユウが帰ってきたら一発殴ってやろう。
レイラの目には再び光が戻っていた。
いつか会える。
その日に向けて。
……to be continued
第一章 完結




