第一回 賢者会議
転移するしばらく前のことになる。
創造神代行のアイと名乗る存在と寝てたり気絶してたりの状態で白い談話室でやりとりをしていたが、随時連絡が取り合えるようにとオーバーテクノロジーのHMD型端末を送られてきた。スピーカーが耳に掛けるツルの部分にある他は見た目はマイク部分を除くと、ほとんど現代のめがねだ。
アイ側からおれの探しきれなかった、ユニークな人工痴能の情報を送ってきてくれている。
全てではないが興味を引かれるものが多い。どうやって探してんだろう。
『数あるわしの能力の一つじゃ』
「はいはい」
『はいは一回じゃ。何度言えば分かるっ』
「はーい」
『うむ。そこでじゃがの、わしらのクライアントたる7柱がお主に相談したいことがアルみたいでの、そこでそのコーグルじゃ』
あっメガネじゃなくてコーグルだったんだね。
『細かいことは気にするなっ』
あー、勝手に人の心読んでやがる!
『以前からその方法でも、やりとりしてたじゃろうが』
「そうですね」
椅子にゆったりと座り直して、「どうぞ」と言う。
会議室らしき部屋とテーブルの向こうに8人の女性、一人だけちっこい?
『改めて自己紹介しなくても、ナナっ(映像が消えゴチンと音がした)『アイです!』・・・訂正、我が代行のアイから説明は行っていると思うが、わたしがそちらから言うところの「異世界の創造神」じゃ』
『はいアイですよ。あとその他大勢の六大精霊が居ますが、挨拶は省略ね』
『『『『『『ちょっとナナちゃん扱いひどいよー『だから、アイだってばよぉ!』』』』』』』
((((((悲鳴ともなんとも表現できない背筋が凍りつく音が続く))))))
漏れて聞こえるのは『この役立たずの疫病神がっ』とか『わしの人生計画を返せー、ポンコツ死に神め』と絶叫し『やはりこいつらではまとまんないな』と創造神と六大精霊を言葉で表せない何かにした邪神アイ様が冷ややかにつぶやいた。
『やっぱり二人で話しましょうか』
「ソウデスネー」
おれは、創造神すら撲殺するアイ様に逆らう術など持ち合わせていない。
『『『『『『『『死んでない(わよ)(んだから)(と思います)、ちょっと天国に行ってきただけなんだからねっ 』』』』』』』』
『五月蠅いですねぇ』
『『『『『『『『!・・・・・・・ 』』』』』』』』
クライアントの依頼は、地球日本の通貨を手に入れること。
『そこで、課金アプリを開発することになりまして、幾つか案を用意しましたので、詰めていきたいと思います』
「大がかりなプログラムなんてくんだこと内ですよー」
『そこは大丈夫です。案を煮詰めて整合性をチェックしてもらったり、ストーリーがあれば背景と舞台の準備とかです』
「はぁー、絵師とか脚本、音入れとかも・・・?」
『はい、専門家に発注しますから心配いりませんよ』
「じゃあ、おれいなくてもよくね」
『いえ、秀でたところのないありきたりの方も必要です。ベタな原案と骨子、プロジェクト管理がお仕事ですね』
「なるほど」
勢いで返事をしてしまった。
『一段落したら、視察に出ますからね』
お読みいただき、感謝します。