表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/95

目撃証言20『俺のせいじゃない』

「糞! 糞おお! この俺がああ! 糞おお!! ラグナも全て滅ぼされてええ……」

「うん……」


気が付いた文雄の耳に、まず初めに聞こえた声がそれであった。


「まだだ……組織が俺を裏切ったんじゃなくて……何か妨害のせいで亜空間が崩れたって……さっきの場所まで戻れば……帰れる……助かる……」


クライアンは、涙を流しながら血を滴らせて、必死に歩いていた。


(おわああ……これはひどい……)


文雄は、少し同情気味な表情で見ていた。


「か……える……もうすぐ……」


その時、地面が光った。


「え?」

「うん?」


文雄は、その時までは特に何も考えていなかった。

しかし、突如大量のラグナが現れた。


「な! なんだ……どうしてラグナが……一体今まで何処にいた! 屑共が!!」

『グルルルル』


クライアンが、怒鳴り付けるが、ラグナはクライアンに向かって唸り続けていた。


「ああ! なんだ! テメエ等! 俺の言う事が聞こえねえのかあ!! 糞! 腹立たしい!! そもそも何で結界が! 俺は解除したぞ! うん?」


そして、足元を見るとそこには札があった。


(あ……あれって俺が捨てようとした札……)

「これって……俺が殺した……仮面のアイツの札……!! まさか!」

『グラアアアアアア!!』

「ぐああああああああああああああああ!」


するとラグナは、突如クライアンの腕に噛み付いた。


(なんでえ……)


文雄は、仮面の男の言葉を覚えていなかった。


「まさか……コイツ等……主人を殺されて俺を……だがなんで札が……これは奴の魔力じゃなきゃ……!!」


しかし、自身の手を見て何かに気付く。


「まさか……俺の手に奴の魔力残痕が……アイツの……魔力が……それでえええ……」


クライアンの顔は、恐怖に染まる。


「っやめろお……いやだああ……死にたく……」

『グラアアアアアアアアアアアアアア!!』

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


クライアンは、グチャグチャに食い千切られていき、最終的には骨すら残らず食べられた。

そしてラグナ達は、クライアンの血を全て舐めている。

すると、恵斗と凛と流鬼奈、そしてセシリアがやって来た。


「!! 結界があると思ったらどうしてラグナが!」

「だがアレは……クライアン!」

「どうやらあの札が原因のようだ」


凛は、ナギで札を消滅させた。


「恐らく奴等はこの札でクライアンを始末したんだろう……あわよくば人間を襲い私達の嫌がらせも出来る」

「ったく! 悪趣味な奴らだぜ!」

「全く許せませーん!」


そんな会話をしながら、四人は証拠を隠滅して帰った。

文雄は、四人が居なくなり、誰も居ない事を確認してから物陰から出てきた。


「さて……帰るか……血が凄いし俺のせいにされるのも嫌だし……」


そして、文雄はその場から逃げた。



プールは、良子達の戦いによって出来た破損が怪我に繋がると危惧して、一時閉鎖となった。

しかし、プールのフロントから客に、無料券が配られた為、また来ようとなり話は終わった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ