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アンデッド ─undead─ 一部  作者: 秋暁秋季
第二体 ミエザルメ
77/178

6

「おーそうか。じゃあ相楽、宜しく」

「はいよ。軽いのにしてね☆」

「元々二人掛かりで運ぶ機材を軽く出来たら、そりゃ魔法だ」

 軽い会話に教室が沸く。

 私は適当に聞き流し、少しだけ息を着く。今日という日もまだ長いのだから。

 午前の授業を真面目に聴く振りをして、大半を聞き流す。つまり聞いているのだ。聞いてはいるが、聴いてはいない。

 それでもノートにシャーペンを走らせて、後から見直しが利くようする。当てられるような授業も無く、気が楽だ。

 そんなこんなでお昼。何時ものように椅子と弁当を両方の手に持ち、群青と雫の元へ。雫と目が合うと、ゆるゆると手を振ってくれる。群青の席に着くと、彼女の机の上で弁当を開く。

「ん? 今日ベーグル?」

 ベーグルを口にくわえたまま顎を引く。そのまま食い千切り、租借した後に口を開く。

「なんか開発中で味見して欲しいって」

「へー……。あっ、もしかして“ブッシュ・ド・ノエル”の?」

 雫が問う。私は黙って頷いてまた租借する。食べ物が口の中に入ったまま話すのは、二人に失礼だと思っての配慮である。

 私は噛み千切れなかったベーコンをそのまま引き抜き、口の中に収めていく。口元にソースが付いてしまった為、中指で拭い、口の中へ。

「あれ? 今日紅葉バイト?」

「ううん。明日」

 首を横に振ると『そっか』と頷く。私はその後も黙々と食べ続け、弁当箱を畳んだ。

 群青は食べ終わっていたが、雫はまだゆっくりと箸を動かしている。その様子を黙って見る私と群青……。

「あっ、ごめんね。あと少し」

 何故か慌てられてしまったが、残りの米粒を口に入れると満足そうに口を動かす。何処か栗鼠を連想させる。

「はー……。最近面白い話ないかなー……」

「あったら皆食い付いていんでしょ?」

 雫が退屈そうに窓を見て、群青が呆れたように返す。長い髪を指で払いのけ、群青もなんだか退屈そうだ。

 私は内心、『面白い話は無いけれど、危険な毎日なら過ごしている』と愚痴った。しかしそれを口に出す訳にもいかないので、心中に留めるだけになる。

「あっ、もうすぐ授業だね。席に戻らないと……」

 雫が弁当箱と椅子を持って、『じゃ、また』と端的に挨拶した。私も戻らねば。椅子を引きずって元の席へ。席に戻ると此方を見ている相楽と目があった。

「不知火は反応ねぇよなー……」

「“出さないようにしている”だけ。あと紅葉で良い」

「そりゃどーも。綺麗な子に名前で呼ばれる権利ゲットー!!」

 と無駄にはっちゃけた返事を返す。御丁寧に、にかっと笑いながらガッツポーズまで決めてくる。彼はふんぞり返ると欠伸をした。それから何処か企みがちに口角をにやりと吊り上げた。何か面白い事でも起こるのだろうか?

「楽しそうだね」

「あぁ、そりゃ勿論。今まできっかけが無かったからなー。逃がさねぇ」

 そのあくどくも魅惑的な微笑みを残したまま前に向き直った。


 


あぁ……相楽……折角出て来たのに、此から出番が無いという……(;´Д`)

相楽の言うチャンスと言うのは恋愛方面のベクトルです(*´∀`)

セット販売、セット販売♪

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