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自分が生き残る為に。楽に、眠るように息を引き取る為に……。私は……この死体を利用する……!!
優しくなくていい。残酷でいい。弱者は弱者なりに姑息に足掻くだけだ。
「おい、ゴキブリ。手足を動かすな。気持ち悪ぃ」
閏日さんが振り上げた足が地に向かって急降下。また数センチ浮いたところでぴたりと止まる。
閏日さんの双眸が『殺れ』と指令を出す。黙って十字を振り上げると思い切り振り下ろした。
柄を通じてくる不快感が幾重にも連なり、力を奪う。迫り来る嘔吐感に耐えきれず、後ろを向いて吐き出した。口中には不快な酸味。
「感覚が何時もより増してるな……。大丈夫か?」
「…………なん……とか……」
「そして紅葉、あんたが貫いたのは脚だ」
前髪をかき上げると閏日さんはハンカチを手渡してくれた。黙って受け取ると口を覆う。そのままへたりこんで何度も荒い呼吸を繰り返す。
もう戦闘は無理な状態だった。彼女もそれを察したのか次の指示を出さない。
「今回は私が片付ける。休んでな」
目を閉ざす。今ある現実から必死に逃げる。
ギチギチと物凄い力で千切られていく音がする。腕を、脚をバラバラにし、残された胴だけが無残に残される。手足のないマネキンと化す。
駄目だ……。逃げられない……!!
そう思った瞬間には意識が落ちていた。




