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「こんにちは」
天使のような声だ。高くて優しい声。
「人族の方ですね。ようこそ。我が狐族の領域へ。」
…狐族?
「あの、狐族の領域ってどういうことでしょうか。オレは人族です。」
「ここは狐族の領域です。あなたは霧に迷い込んだのでしょう?この霧が人族と狐族の境です。」
なるほど。オレは迷ったってことか。
「…初めまして。オレは人族の千歳です。狐族さん、あなたの名前は?」
声のするほうへ近づいていくとだんだん姿が見えてきた。
「申し遅れました。私は狐族の現当主、榧と申します。」
霧から姿を現した美少女はオレと同年代くらいで薄い茶髪で狐の面をかぶっていた。
榧…知らないはずがない。狐族現当主の名前だ。さすがに当主の名前くらいはオレでもわかる。もっと歳とってるのかと思っていたが、まさかこんな少女だったなんて。
「無理を承知してお願いします。私と結婚してください」
…
「はい!?」
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