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異世界転移者専用ヘルプデスクですが、なぜか俺の黒電話に繋がります  作者: よんまるよん


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21/22

第21話 森でのんびり暮らす予定でしたが

 ジリリリリリ。


「死ね」


「もしもし」


「死ね」


「ヘルプデスクですか」


「違う」


「ステータスに書いてあったんですけど」


「俺んち」


「えっ」


「俺んちなんだよ何回言わせんだ」


「すみません」


「で、何」


「あの」


「何」


「森でスローライフしてます」


「ふーん」


「予定でした」


「ふーん」


「ふーんって!?」


「お前」


「はい」


「過去形だな」


「過去形です」


「で?」


「で、スケベエルフが」


「は?」


「スケベエルフが」


「お前」


「はい」


「もう一回」


「スケベエルフが」


「ふーん」


「移住してきました」


「ふーん」


「ふーんって!?」


「お前」


「はい」


「エルフは普通だろ」


「普通です」


「『スケベ』が問題だ」


「問題です」


「俺んちの隣に」


「お前んち?」


「ログハウス建てた俺の隣に」


「ふーん」


「同じくらいのログハウス建てた」


「ふーん」


「『お隣さんですね』って」


「ふーん」


「『仲良くしましょう』って」


「ふーん」


「『あ、見て下さい』って」


「うん」


「『脱げました』って」


「お前」


「はい」


「もう脱いでんのか」


「脱いでます」


「速えな」


「速いです」


「初日に脱いだ」


「初日に脱ぎました」


「お前」


「はい」


「初日のやつ別にいんだぞ」


「別にいる?」


「『初日です』しか言わないやつ」


「うん」


「あいつのが大人しいぞ」


「大人しい!?」


「お前のとこ脱ぐ」


「脱ぎます」


「お前」


「はい」


「事故物件だ」


「事故物件!?」


「隣がスケベエルフ」


「うん」


「告知義務ある」


「告知!?」


「不動産屋訴えろ」


「不動産屋いない!!」


「森だ」


「森です」


「お前」


「はい」


「自分で建てたな」


「建てました」


「自業自得だ」


「自業自得!?」


「事実だろ」


「事実だけど!?」


「で、スケベエルフ」


「うん」


「他に何してる」


「えっと」


「言え」


「夢を見たって」


「ふーん」


「『運命の人と森で出会う夢』って」


「ふーん」


「『あなたでした』って」


「ふーん」


「ふーんって!?」


「お前」


「はい」


「夢で運命確定する女」


「女?」


「あ、女エルフか」


「女エルフです」


「で、運命だ」


「運命です」


「諦めろ」


「諦めるな!?」


「お前」


「はい」


「ジャンル変わったな」


「ジャンル!?」


「スローライフから」


「うん」


「ハーレム」


「ハーレム!?」


「一人だけどな」


「一人だけ!?」


「『プレ・ハーレム』」


「プレ!?」


「これから増える」


「増えない!!」


「増える」


「増えない!!」


「お前」


「はい」


「テンプレだ」


「テンプレ!?」


「『森でスローライフ始めたらスケベエルフが移住してきた』」


「テンプレなんですか!?」


「テンプレだ」


「俺の人生テンプレ!?」


「だから読まれる」


「読まれる!?」


「次は獣人が来る」


「獣人!?」


「その次はダークエルフ」


「ダークエルフ!?」


「最後ドラゴン娘」


「ドラゴン娘!?」


「全員脱ぐ」


「脱ぐな!!」


「脱ぐ」


「脱ぐな!!」


「お前」


「はい」


「『森のハーレム』だ」


「ハーレム!?」


「タイトル」


「タイトル?」


「『森でスローライフ始めた俺、なぜか異種族の女たちに迫られる件』」


「俺の人生がタイトル!?」


「サブタイ付く」


「サブタイ!?」


「『〜エルフも獣人もドラゴン娘もみんな俺を運命の人だと言う〜』」


「やめて!?」


「お前」


「はい」


「諦めろ」


「諦める!?」


「で、今」


「うん」


「スケベエルフ何してる」


「えっと」


「答えろ」


「窓から見てます」


「ふーん」


「俺を」


「ふーん」


「『お風呂入ってください』って」


「ふーん」


「『覗きます』って」


「お前」


「はい」


「言ってんな宣言してる」


「宣言してます」


「正直なエルフだな」


「正直!?」


「逆に好感持てる」


「持てない!!」


「持てる」


「持てない!!」


「お前」


「はい」


「で、風呂どうする」


「入りたいです」


「入れ」


「覗かれる!?」


「覗かれろ」


「覗かれろ!?」


「諦めろ」


「諦めるな!?」


「お前」


「はい」


「正攻法だ」


「正攻法?」


「覗かせろ」


「正攻法じゃない!?」


「覗かせて」


「覗かせて?」


「もう一回脱げ」


「俺が!?」


「お前が」


「俺が脱ぐ!?」


「全裸でログハウス出ろ」


「出ない!!」


「『見てください』って」


「言わない!!」


「『運命の人です』って」


「言わない!!」


「お前」


「はい」


「逆襲だ」


「逆襲!?」


「スケベでスケベ返す」


「返さない!!」


「お前」


「はい」


「諦めろ」


「諦めるな!?」


「死ね」


「酷い!?」


「お前」


「はい」


「真面目な話」


「真面目!?」


「お前」


「はい」


「エルフの寿命」


「寿命?」


「長いだろ」


「長いです」


「何年」


「五百年とか」


「お前」


「はい」


「五百年覗かれるぞ」


「五百年!?」


「お前死ぬまで」


「死ぬまで!?」


「いや」


「何」


「お前死んだ後も」


「死んだ後!?」


「お前の墓覗かれる」


「墓!?」


「『運命の人の墓』」


「やめて!?」


「五百年通う」


「通う!?」


「お前」


「はい」


「業の深いエルフだ」


「業!?」


「諦めろ」


「諦めるな!?」


「お前」


「はい」


「結婚しろ」


「えっ」


「結婚しろ」


「えっ!?」


「五百年通われるなら」


「うん」


「最初から一緒に住め」


「一緒!?」


「もう住んでんだろ隣に」


「隣にいます」


「壁壊せ」


「壁!?」


「ログハウスとログハウスの間の壁」


「うん」


「壊せ」


「壊す!?」


「合体だ」


「合体!?」


「『運命のログハウス』」


「やめて!?」


「お前」


「はい」


「『プレ・ハーレム』終了」


「終了!?」


「『結婚編』突入」


「突入!?」


「お前」


「はい」


「速いな」


「速い!?」


「電話一本で結婚」


「結婚!?」


「お前」


「はい」


「諦めろ」


「諦めるな!?」


「で、聞きたいことは」


「うん」


「他にあるか」


「えっと」


「あんだろ」


「あります」


「言え」


「実は」


「うん」


「スケベエルフ」


「うん」


「俺の前世」


「うん」


「知ってるって」


「お前」


「はい」


「待て」


「はい」


「何だ前世」


「えっと」


「言え」


「『日本でアダルトビデオ見過ぎて死んだ男』」


「お前」


「はい」


「あいつだ」


「あいつ?」


「AV監督」


「監督?」


「半日で世界救って」


「うん」


「AV監督になった男」


「監督!?」


「お前」


「はい」


「同類だ」


「同類じゃない!!」


「同類だ」


「同類じゃない!!」


「『AV見過ぎて死んだ男』」


「俺じゃない!!」


「お前」


「はい」


「事実だろ」


「事実じゃない!!」


「スケベエルフが言ってる」


「言ってる」


「『運命の人』って」


「言ってる」


「『前世も知ってる』って」


「言ってる」


「お前」


「はい」


「あのAV監督と」


「うん」


「マッチングしてる」


「マッチング!?」


「『煩悩×スケベエルフ』」


「煩悩!?」


「最悪マッチング」


「最悪!?」


「神様の仕業だな」


「神様!?」


「あいつマッチング担当だ」


「担当!?」


「お前」


「はい」


「諦めろ」


「諦めるな!?」


「神様マッチング外せねえ」


「外せねえ!?」


「で、結婚しろ」


「するな!?」


「お前」


「はい」


「五百年覗かれるか」


「うん」


「結婚するか」


「うん」


「二択だ」


「二択!?」


「即答しろ」


「えっと」


「即答」


「えっと」


「即答」


「結婚で」


「お前」


「はい」


「速かったな」


「速かった!?」


「お前」


「はい」


「煩悩マッチング成立」


「成立!?」


「神様喜んでる」


「喜んでる!?」


「で、切るぞ」


「待っ」


「何」


「ヘルプデスクの人」


「だから違うって」


「あの」


「うん」


「最後に」


「うん」


「スケベエルフが」


「うん」


「電話番号知りたいって」


「お前」


「はい」


「教えるな」


「教えます」


「教えるな」


「教えます」


「お前」


「はい」


「もう教えてんだろ」


「教えました」


「事後報告か」


「事後報告です」


「死ね」


「酷い!?」


「切るぞ」


「待っ」


 ガチャ。


 受話器を置いた。


 森でスローライフ予定だった男。


 スケベエルフと結婚。


 知らん。


 俺の知ったことじゃない。


 ジリリリリリ。


 出ない。


 ジリリリリリ。


 出ない。


 ジリリリリリ。


「死ね」


 出た。


「あの」


「何」


「スケベエルフです」


「お前」


「はい」


「自分で言うな」


「自分で?」


「『スケベエルフ』」


「うん」


「自称か」


「自称です」


「お前」


「はい」


「正直すぎんだろ」


「正直です」


「普通隠すだろ」


「隠さない」


「『エルフです』で始めろ」


「『スケベエルフです』」


「『スケベ』いらん」


「『スケベ』いります」


「いらん」


「いります」


「お前」


「はい」


「もういい」


「もういい?」


「『スケベエルフ』で定着だ」


「定着!?」


「もう電話してきたな」


「してきました」


「で?」


「で、運命の人ありがとうございました」


「礼もいい」


「お礼に」


「いい」


「私が」


「いい」


「脱ぎます」


「電話で脱ぐな」


「脱ぎました」


「見えてねえよ」


「想像してください」


「しない」


「お前」


「はい」


「正直なエルフだな」


「正直です」


「諦めろ」


「諦めない!!」


「五百年諦めるな」


「諦めない!!」


「切るぞ」


「待っ」


 ガチャ。


 受話器を置いた。


 知らん。


 俺の知ったことじゃない。


 異世界の結婚式が森で開かれても俺の知ったことじゃない。

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