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異世界転移者専用ヘルプデスクですが、なぜか俺の黒電話に繋がります  作者: よんまるよん


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20/22

第20話 真の聖女は私なんですけど

 ジリリリリリ。


「死ね」


「もしもし」


「死ね」


「ヘルプデスクですか」


「違う」


「ステータスに書いてあったんですけど」


「俺んち」


「えっ」


「俺んちなんだよ何回言わせんだ」


「すみません」


「で、何」


「あの」


「何」


「聖女です」


「ふーん」


「真の聖女です」


「ふーん」


「ふーんって!?」


「お前」


「はい」


「『真の』って何だ」


「『真の』です」


「『偽の』もいんのか」


「います」


「あ?」


「『偽の聖女』がいます」


「お前」


「はい」


「めんどくせえな」


「めんどくさい!?」


「『真の』とか『偽の』とか」


「うん」


「どっちかだろ」


「どっちかじゃない」


「あ?」


「二人いるんです」


「お前」


「はい」


「聖女二人もいんのか」


「います」


「神様雑だな」


「雑です」


「在庫管理できてないな」


「在庫!?」


「聖女在庫」


「在庫!?」


「で、何が困ってる」


「あの」


「何」


「私が真なのに」


「うん」


「偽の方が」


「うん」


「教会に認定されました」


「ふーん」


「ふーんって!?」


「で?」


「私は追放されました」


「ふーん」


「ふーんって!?」


「お前」


「はい」


「追放されたか」


「されました」


「最近多いな」


「多い!?」


「追放されるやつ」


「うん」


「全員ヘルプデスクにかけてくる」


「うん」


「俺んち追放窓口じゃねえぞ」


「窓口じゃない!?」


「で、お前の場合」


「私の場合」


「『真の聖女』って自称か」


「自称じゃないです」


「証拠あんのか」


「あります」


「何」


「えっと」


「答えろ」


「『聖痕』があります」


「は?」


「『聖痕』が」


「どこに」


「背中に」


「ふーん」


「『聖典に描かれている聖女の証』が」


「ふーん」


「『生まれた時から』」


「ふーん」


「ふーんって!?」


「お前」


「はい」


「偽の方は」


「はい」


「『聖痕』ないのか」


「ないです」


「じゃあお前が真だろ」


「真ですよ!!」


「何で偽が認定された」


「分かりません」


「分かれよ」


「分からないんですよ」


「お前」


「はい」


「教会見ろ」


「見る」


「『聖痕』確認したか」


「してないです」


「あ?」


「見せてないです」


「は?」


「お前」


「はい」


「見せろ」


「見せる!?」


「背中の」


「背中の!?」


「『聖痕』だ」


「『聖痕』!?」


「見せろ」


「見せられない!!」


「何で」


「背中なので」


「だから?」


「服を脱がないと」


「脱げ」


「脱げない!!」


「お前」


「はい」


「真の聖女になりたいんだろ」


「なりたいです」


「脱げ」


「脱げない!!」


「教会の前で」


「無理ですって!!」


「『これが真の聖痕です』」


「『これが真の聖痕です』!?」


「言え」


「言わない!!」


「お前」


「はい」


「証拠あるのに見せない」


「見せない」


「追放される」


「される」


「自業自得だ」


「自業自得!?」


「事実だろ」


「事実かもしれないですけど!?」


「で、追放されてどこ行く」


「えっと」


「答えろ」


「隣国に」


「ふーん」


「隣国で歓迎されて」


「ふーん」


「ちやほやされて」


「ふーん」


「ふーんって!?」


「お前」


「はい」


「テンプレ知ってんな」


「テンプレ!?」


「『追放された真の聖女は隣国でちやほやされる』」


「テンプレなんですか!?」


「テンプレだ」


「私の人生がテンプレ!?」


「だから読まれる」


「読まれる!?」


「お前の人生」


「うん」


「ジャンルは異世界ファンタジー」


「私の人生がジャンル!?」


「ざまぁ系だ」


「ざまぁ系!?」


「お前のジャンル」


「ジャンル!?」


「で、隣国行って」


「うん」


「『真の聖女』として認定される」


「うん」


「で、元の国が」


「うん」


「『偽の聖女』のせいで」


「うん」


「滅ぶ」


「滅ぶ!?」


「お前は隣国で笑ってる」


「笑ってる!?」


「テンプレだ」


「テンプレ!?」


「お前」


「はい」


「ざまぁ満喫しろ」


「満喫!?」


「『真の聖女』として」


「真の聖女として」


「いや」


「何」


「お前」


「はい」


「ちょっと違うな」


「違う?」


「お前のテンプレ」


「うん」


「『聖痕』見せないやつ」


「うん」


「いないだろテンプレに」


「いない」


「みんな見せるだろ普通」


「見せる」


「お前見せないだろ」


「見せない」


「テンプレ崩壊だ」


「崩壊!?」


「隣国でも見せないだろ」


「見せない」


「で、隣国でも追放だ」


「えっ」


「『真の聖女』って言うだけのやつ」


「うん」


「証拠見せないやつ」


「うん」


「隣国も雇わない」


「雇わない!?」


「お前」


「はい」


「ホームレスだな」


「ホームレス!?」


「両国追放」


「両国!?」


「行き場ない」


「ない!?」


「死ね」


「酷い!?」


「お前」


「はい」


「脱げ」


「脱がない!!」


「脱がないと死ぬ」


「死なない!!」


「両国追放」


「うん」


「魔物の森」


「うん」


「魔物がお前見て」


「うん」


「『聖痕』ないと思って」


「うん」


「食う」


「食う!?」


「お前」


「はい」


「魔物に脱がされる」


「脱がされる!?」


「食われる前に」


「うん」


「魔物が」


「うん」


「『あ、聖痕あった』」


「魔物が確認!?」


「『じゃあ食えない』」


「食えない!?」


「『真の聖女だ』」


「魔物が認定!?」


「お前」


「はい」


「魔物に認定されたな」


「されたな!?」


「教会より早い」


「早い!?」


「魔物の方が」


「うん」


「『真の聖女』判定できる」


「できる!?」


「お前」


「はい」


「魔物の方が優秀だ」


「優秀!?」


「教会無能だ」


「無能!?」


「魔物に弟子入りしろ」


「弟子入り!?」


「『真の聖女鑑定スキル』教われ」


「教われ!?」


「お前」


「はい」


「魔物聖女だ」


「魔物聖女!?」


「新ジャンルだ」


「新ジャンル!?」


「タイトル」


「タイトル!?」


「『真の聖女として認定されなかった私は、魔物の森で魔物に弟子入りして魔物聖女になりました』」


「長い!?」


「異名つく」


「異名!?」


「『魔物の聖女』」


「ダサい!?」


「『野良聖女』」


「もっとダサい!?」


「『脱がない聖女』」


「酷い!?」


「お前」


「はい」


「最後の異名」


「最後の異名」


「永久に残る」


「残る!?」


「『脱がない聖女』」


「やめて!?」


「お前」


「はい」


「何でやめてって言った」


「えっ」


「服脱がないってだけだ」


「えっ」


「他の意味で取ったな」


「取ってない!!」


「えっち」


「えっちじゃない!!」


「『えっち聖女』」


「異名追加しないで!?」


「お前」


「はい」


「あれだ」


「あれ?」


「紹介してやる」


「紹介?」


「知り合いに」


「誰ですか」


「半日で魔王倒したやつ」


「半日!?」


「いる」


「いるんですか!?」


「そいつ今」


「うん」


「監督やってる」


「監督?」


「映画監督」


「映画!?」


「異世界に映画あんのか」


「分かりません」


「分かれよ」


「分からないんですよ」


「で、そいつ」


「うん」


「ジャンルがある」


「ジャンル?」


「特殊な」


「特殊!?」


「女優が」


「うん」


「脱ぐ」


「脱ぐ!?」


「お前」


「はい」


「ぴったりだ」


「ぴったりじゃない!!」


「『脱がない聖女』が」


「うん」


「脱ぐ世界に行く」


「行かない!!」


「ギャップだ」


「ギャップ!?」


「需要ある」


「ない!!」


「ある」


「ない!!」


「お前」


「はい」


「監督が見たら泣いて喜ぶ」


「泣くな!!」


「『聖痕付き女優』だ」


「女優じゃない!!」


「需要ある」


「ない!!」


「『聖痕』背中に見せながら」


「見せない!!」


「監督喜ぶ」


「喜ばせない!!」


「監督に紹介する」


「しないでください!?」


「番号教える」


「教えないでください!?」


「『脱がない聖女』」


「うん」


「『脱ぐ世界の監督』」


「うん」


「マッチングだ」


「マッチング!?」


「異世界縁結びだ」


「縁結びじゃない!!」


「『やめて』って言ったろ」


「言いました」


「だろ」


「だろ」


「えっちだ」


「えっちじゃない!!」


「お前のせいだ」


「私のせい!?」


「脱がなかったから」


「脱がない!!」


「だから『脱がない聖女』」


「異名定着!?」


「定着だ」


「定着!?」


「お前」


「はい」


「諦めろ」


「諦めろ!?」


「『脱がない聖女』として生きろ」


「生きろ!?」


「魔物の森で」


「森で!?」


「で、切るぞ」


「待ってください!!」


「何」


「結局」


「うん」


「どうすればいいんですか」


「脱げ」


「それ以外で!!」


「ねえよ」


「ない!?」


「お前」


「はい」


「『聖痕』ある」


「ある」


「証拠ある」


「ある」


「見せれば終わる」


「終わる」


「見せないなら追放」


「追放」


「シンプルだ」


「シンプル!?」


「お前が複雑にしてる」


「複雑にしてる!?」


「『脱ぎたくない』っていう」


「うん」


「個人の都合で」


「個人の都合!?」


「国が滅ぶ」


「滅ぶ!?」


「お前のせいで」


「私のせい!?」


「脱げば救えた国」


「救えた国!?」


「お前」


「はい」


「重いな」


「重い!?」


「重くねえよ」


「重い!!」


「気のせいだ」


「気のせいじゃない!!」


「で、脱ぐか」


「脱がない」


「じゃあ国滅ぶ」


「滅ぶ!?」


「お前」


「はい」


「冷たいな」


「冷たい!?」


「国民見捨てた」


「見捨ててない!!」


「見捨てた」


「見捨ててない!!」


「『脱ぐの嫌だから』」


「『脱ぐの嫌だから』」


「『国民死んでいい』」


「『国民死んでいい』!?」


「お前」


「はい」


「鬼だな」


「鬼じゃない!!」


「鬼だ」


「鬼じゃない!!」


「異名追加」


「いらない!!」


「『脱がない鬼聖女』」


「酷い!?」


「で、お前」


「はい」


「真面目な話」


「真面目!?」


「お前」


「はい」


「『聖痕』本当にあるか」


「えっ」


「本当にあるか」


「えっと」


「答えろ」


「ないです」


「お前」


「はい」


「ない!?」


「ないです」


「ないのか」


「ないです」


「『偽の聖女』だな」


「偽です」


「お前」


「はい」


「最初から言え」


「あっ」


「あっ、じゃねえよ」


「すみません」


「俺ずっと真の聖女前提で話してた」


「してました」


「お前偽だった」


「偽でした」


「謝らねえぞ」


「謝らないんですか!?」


「謝らん」


「酷い!?」


「で、お前」


「はい」


「『真の聖女』って嘘ついた」


「つきました」


「教会にも」


「つきました」


「ヘルプデスクにも」


「つきました」


「俺んち」


「俺んち」


「で、追放された」


「されました」


「自業自得だ」


「自業自得!?」


「事実だろ」


「事実です」


「素直だな」


「素直です」


「お前」


「はい」


「『偽の聖女』だな」


「『偽の聖女』です」


「で、もう一人いるんだろ」


「います」


「あっちは真か」


「真です」


「『聖痕』あるか」


「あります」


「お前」


「はい」


「あっち本物だ」


「本物です」


「お前嘘つき」


「嘘つき」


「追放当然だ」


「当然」


「で、何が困ってんだ」


「えっと」


「答えろ」


「悔しいです」


「は?」


「悔しいです」


「お前」


「はい」


「悔しがるところか」


「悔しがるところです」


「嘘つきなのに」


「嘘つきなのに」


「悔しい」


「悔しい」


「お前」


「はい」


「メンタル強いな」


「強い!?」


「嘘ついて追放されて悔しがれる」


「悔しがれる」


「異名追加だ」


「いらない!!」


「『悔しがり偽聖女』」


「ダサい!?」


「『無敵の嘘つき』」


「もっと酷い!?」


「お前」


「はい」


「諦めろ」


「諦めろ!?」


「真の聖女に勝てない」


「勝てない」


「『聖痕』ないから」


「ないから」


「捏造しろ」


「は?」


「『聖痕』捏造しろ」


「は?」


「インクで」


「インクで!?」


「背中に描け」


「描く!?」


「で、教会に行け」


「行く!?」


「『見つけました』」


「『見つけました』!?」


「『大人になって生えてきました』」


「『大人になって生えてきました』!?」


「『遅咲きの聖痕です』」


「『遅咲きの聖痕です』!?」


「お前」


「はい」


「言えるか」


「言えます」


「即答!?」


「即答です」


「お前」


「はい」


「嘘つき適性ある」


「ある!?」


「で、教会騙せ」


「騙す!?」


「真の聖女と並んで」


「並んで!?」


「『二人目の聖女』として認定される」


「『二人目』!?」


「在庫増えた」


「増えた!?」


「神様雑だな」


「雑です」


「『真の聖女』『真の聖女』『偽の聖女』」


「ややこしい!?」


「お前」


「はい」


「どれだ」


「どれ?」


「お前どれだ」


「えっと」


「答えろ」


「『真の聖女(偽)』です」


「お前」


「はい」


「答えが既におかしい」


「おかしい!?」


「で、切るぞ」


「待っ」


「何」


「結局」


「うん」


「捏造するんですか」


「しろ」


「真の聖女に怒られませんか」


「怒られる」


「『聖痕』ない私と並ぶなって」


「言われる」


「お前」


「はい」


「殴れ」


「殴れ!?」


「真の聖女を」


「殴れ!?」


「目を」


「目を!?」


「もしくは」


「もしくは!?」


「カニばさみ」


「カニばさみ!?」


「お前」


「はい」


「知ってるか」


「知らないです」


「カニばさみ」


「知らないですって!!」


「両足で」


「両足で!?」


「真の聖女の首を」


「首を!?」


「挟む」


「挟む!?」


「で、捻る」


「捻る!?」


「真の聖女失神」


「失神!?」


「お前一人勝ち」


「一人勝ち!?」


「お前」


「はい」


「最低だな」


「最低です」


「即答!?」


「即答です」


「で、切るぞ」


「待っ」


 ガチャ。


 受話器を置いた。


 偽の聖女が「真の聖女」を名乗って追放された。


 次は「聖痕」を捏造する予定らしい。


 俺の知ったことじゃない。


 カニばさみが異世界に広まっても俺の知ったことじゃない。


 もう胸の女の専売特許じゃない。


 ジリリリリリ。


 出ない。


 ジリリリリリ。


 出ない。


 ジリリリリリ。


「死ね」


 出た。


「あの」


「お前か」


「私です」


「『偽の聖女』」


「『偽の聖女』です」


「で、何」


「あの」


「何」


「監督から連絡来ました」


「お前」


「はい」


「早えな」


「早いです」


「で?」


「で、じゃないですよ!! 大変ですよ!!」


「ふーん」


「ふーんって!?」


「何が大変だ」


「ギャラが」


「うん」


「結構いいんですよ」


「お前」


「はい」


「やる気か」


「えっと」


「答えろ」


「お金になるなら」


「うん」


「撮影してもいいかなって」


「お前」


「はい」


「即落ちだな」


「即落ち!?」


「『真の聖女』気取ってたやつが」


「うん」


「ギャラで脱ぐ」


「脱ぐ!?」


「異世界の闇」


「闇!?」


「で、聖痕」


「えっと」


「答えろ」


「描きます」


「描くのか」


「描きます」


「お前」


「はい」


「業界に染まったな」


「染まった!?」


「切るぞ」


「待っ」


 ガチャ。


 受話器を置いた。


 俺の知ったことじゃない。

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