28 性格
(人? 人って?)
ジークが言っている意味が分からなく、思わず首を傾げる。
私が困惑しているのを察したのだろうか、ジークは別の言葉で言い換えた。
「性格っていうか……」
「……? 私、そんなに変わりましたか?」
(確かに人格は全く違いますけど……ジークと会ったのは今日が初めてな感があったよね?)
そんなに違和感あるのかなぁ……『噂のリオだろう』って言われてたし……
そう思っていると、ジークは説明した。
「……あぁ、朝はどちらかと言うと『〜ですわ』みたいな、必死になっている《お嬢様》ぽい感じだが、今は……どちらかと言えば平民──」
(ん゛んっ)
ジークの口から『〜ですわ』と出てくるとは思わず、しかも真面目な顔でいうものだから、笑いそうになったものの、『平民』という単語で思わずどきりする。
「いや、庶民? の上の商人あたりと話しているように感じる」
ギクッ
(……そう言えば、そうだったかも。朝はお嬢様らしく! ってテンションだったような……)
『商人』というのは、前の世界で、一般人もいい暮らしが出てきいたからだろう。
「……今日いろいろありましたから……」
陰口に、迷子、花瓶のことに、先生からの差別……挙げ句の果てに、セリーヌ先生からの呼び出し。
(……多いな?)
こうして全部思い返すと、異常なほどに問題に直面していた。
(物語にこんなのあったっけ? ストーリーが始まるのはもっと先のはず……。つまり、これは小説に書かれてなかったこと……?)
だとしても、今日一日で起きたことなのか……
長かったなぁ……と感じたのも当たり前のような気がして来た。
……作者さん、詰めすぎでは?
ていうか、作者なのか……? 神様?
永遠に終わらなさそうな気がして、考えるのを反射的にやめたのだった──




