25 攻略対象
……結構失礼かもしれない。
勝手な偏見と共にジークを凝視していると
「……おまえは、失礼なことを考えるのが趣味なのか?」
「なんで分かったの!?」
心の声が思わず出る。
いや、ここでこう言うと、認めたことになるから……。慌てて「何のことですか?」と笑顔を貼り付けて言い直す。
「……おまえ……流石に無理がある……」
(ですよね……)
ええい! こうなったら、話題を変える作戦!
「そ、それよりもジークさんはなぜここに?」
私の考えていること全部わかっているように、小さく呆れた視線を向けられるもの、気づかないフリをする。
「……ここは生徒会室だからだ」
「こんなところが……?」
“生徒会室”。その意味が頭の中で消化すると共にゴクリと、息を止める。
(いやいや、ないない。こんな薄暗くて、誰も使ってなさそうな部屋が生徒会室なわけがない。仮にもここは小説の世界で……)
私の中の生徒会室とのイメージが違いすぎる。むしろここは私が最初に思っていた物置部屋と言われたほうが納得する。
しかし、よく分からないことを考えていても仕方がない。
「では、ジークさんはなぜ生徒会室? にいるのですか?」
一応、聞き間違いという可能性を考慮して“生徒会室”と断言しないようにしとく。それで疑問形になってしまったんだろう。決して私だけのせいでがないはずだ。……きっと。
「……まあ、これでも生徒会長だからな」
「ほうほう、へ〜……え!? 生徒会長?」
(まじですか……? 私は生徒会長に校内を案内させてしまったということですか? めっちゃ失礼なことをしてしまった気がするのですが……?)
「大変失礼しました!」
「いや……いい。態度を変えられないのは、新鮮だった」
(よかったです……? よかったか? そして、う〜ん……。それは結構ある決まり台詞ですね?)
それは一旦置いといて、生徒会長なんて、小説の攻略対象の設定にあるあるな気がする……。まさか、攻略対象でした。なんて言わないでよ?
(ジーク……ジーク……)
そんなキャラいったっけな……?
いつの間にか【物置部屋じゃ、なかった?】よりも、【攻略対象】に思考を持っていかれる私であった。




