24 予想外の人
道を覚えながら、早歩きで教室から離れる。
どこに行くかは、特に決めていなかったのだが、どれだけ同じ方向に進めても廊下は続き、終わりはないように感じた。
(あ……これ、絶対に後で地図をもらわないと……っ!!)
授業と授業の間の休み時間がどのくらいあるかわからないため、一旦足を止めて、どう教室に戻ろうかと考える。
が、すぐに思いつくわけもなく、ひとまず教室のほうに戻りながら考えようとすると、「「きゃーー!!」」と周りにいる女の子たちが小さく騒ぎ出した。
(い、嫌な予感、が……)
こんな風に周りを騒がせながら、登場するのはキラキラした人達ではないのだろうか。そして……多分、この小説の攻略対象の気が……。
思わず周りを見渡して、人がいないであろう物置部屋のような部屋に入る。これでいなくなるまで待とう。もちろん、それを知るためには女の子の生徒たちの騒ぐ声が必要になるのだが……。
「……おい」
「ひゃっ……」
突然、後ろからの声に小さい悲鳴が口から溢れる。ここで叫ばなかった私を褒めたい。心臓がドクンドクンと大きく鼓動を打つ。
恐る恐る声のした方を振り向くと、そこには信じられない人がいた。
「無言さん……じゃなくて、ジークさん。なぜここに?」
思わず『無言さん』って言ってしまったとき、ジークが反応したように見えたのは気のせいだと思いたい。
「……こっちのセリフだが?」
別に隠すものでもないので自信を持って言う。逆に変に誤魔化して大事になったら嫌だし……
「私はキラキラした人に会わないようにここで避難しようとして入りました!」
「は?」
(ん? なんか想像してた反応と違うぞ……?)
私を案内してくれたジークだったら、ここはあんまり興味なさそうに『……そうか』と納得して言ってそうなのに……。




