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紺色さん
「……お前、噂のリオだろう?」
(へっ!? そんなに有名なの?! どんぐらい知れ渡っているのよ……)
思わず、頭を抑えたくなった。
「……自分の教室の場所ぐらい覚えておけよ」
(逆に迷わないの!?)
そんなツッコミを心の中で入れながら、考えていた返事を答える。
「じつは……熱を出したせいか、記憶が混乱しちゃったみたいで……」
(ふふん、私だって考えているんだから!)
すると、はぁあーー。と紺色さん(髪が紺色だから)はため息をついた。
(もう一回のため息つかれた?! なんで!? 言い訳……自信あったのに………)
「……わかった」
というと、紺色さんは私に背を向けた。
意味がわからず、立ち尽くしている私に紺色さんは一度立ち止まり「……いくぞ」と言った。
「案内してくれるの……?」
「──……案内しなくていいのか?」
「いえ! お願いします! ……ありがとうございます」
「……別に断ってないけどな」
(あれ? なんか私、変なテンションになってなかった!?)
そして、紺色さんは今度こそ背を向けた。
そうして私は、渋々ながらも案内してくれる紺色さんの後ろをついて行くことになった。
(でも、なんで教室まで案内してくれることになったんだろう?)
──この時、すでにフラグを立てていたことなんて、私は知る由もなかった。




