8 幽霊!?
私の叫びが天に通じたのだろうか。
(ん? あれは、人では?)
ちょうど目の前を通りかかった人物に、私は思わず目を見張った。心の中で『救世主!!』と叫んだ。
顔には出さないけれど。
いろいろ気になるところはあったけど、一番大きかったのは、髪の色が紺色だったことだ。
(よしっ! あの髪色は攻略対象じゃないと見た。……どっちかというと、女の子がよかったけど、ここはいつ人が現れるかわからないし、あの人に教室の場所を聞こうっと!)
結構失礼なことを考えているなーと自覚しながら、私はその人のほうへ歩いていった。
「あの……すみ…」
「は?」
「え?」
言い切らないうちに、その人は声を被せてきた。
そして、信じられないものを見るような目で見られる。
突然の出来事に、頭の中ではてなマークが浮かぶ。
(私……なんかしたっけ? 普通に声をかけただけよね?)
「おまえ……なんで……」
「……?」
「俺のこと……見えてんのか……?」
「見えたから声をかけさせて頂いたんですけど……」
(え? ちょっと待って、どういうこと? 普通、そんなこと言わないよね? まさか……この人、本当は“見えない存在”とか……え、嘘でしょ!?)
「もしかして幽霊さん? えっどうしよう、リオって幽霊見えるの? 私は見たくないよぉ」
(どうしようどうしよう、私……普通の大学生だったんですけど! これ呪われるやつ? フラグ立てた? わざわざ、あの金髪の髪の人から遠ざけたばかりに? 地獄の次は修羅場とか、勘弁してよ……)
少しだけでいいから、落ち着く暇くらい、ちょうだいっての……!
「……おい、何やら失礼な想像をしている気がするんだが……」
「あっ! 忘れててすみません! どうか呪わないでください……」
「……まず、幽霊じゃないのだが……」
「そうだったんですか!? よかった……」
(意味ありげな言葉、やめてよ……。心臓に悪いなぁ……)
思わず息をつく。あまりの緊張で、呼吸してなかった気がする。
ほっ……生きてた。いや、死んでなかった。っていうか生きている人だった。
……何言っているんだろう、私。自分でもわからなくなってきた……
「……で、どうしたんだ? ……俺に声をかけたっていうことは助けてほしいことがあるんだろ?」
「はっ! そうでした! あの、実は教室わかんなくて……」
「…………」
(盛大にため息をつかれた!? なんで?!)




