女帝の定義
絶妙に短い
女帝とはなんであるか。1人の女はそれをそのゲームで知らしめた。女帝とはなんであるか。圧倒的カリスマ性を持った人間であるか。誰にも左右されない強い意志を持った人間であるか。リーダーシップを持ち、国民を率いていける人間であるか。
違う、そのどれもが違う。女帝は目立つ必要はない。それは傀儡に任せておけばいい。
正解だ、そのどれもが正解だ。女帝は目立ってこそだ。政治は別のものに任せておけばいい。ならば女帝とはなんであるか。
女帝とはすなわち────
────陰から王族を操ることができる執事のことである。
────民の熱狂的な支持を全て集める秘書のことである。
それが世界の、「Triskele・Cosmos」の、真実である。
◇◇◇
女帝。メアリー・スチュワード。アラリザベス。これらは全て1人のプレイヤーがその行動によって他のプレイヤーから揶揄された名である。実際のプレイヤーネームはアランチアであるが、その三つの呼び名はゲーム「Triskele・Cosmos」……通称三つ巴において大きな意味を持つ。
まず、「Triskele・Cosmos」について大まかな説明をしておこう。このゲームは16世紀半ば程度を舞台としていて、一つの大陸に三つの国が存在する。1つ目の国が「ノルド」。特色としては、執事に国を乗っ取られた国であること。2つ目の国が「エスト」。特色としては秘書を象徴とした国であること。3つ目の国が「オヴェスト」特色としては唯一乗っ取られなかった国であるということ。このゲーム、世界観の設定も悪くない、ゲーム的な設定も悪くない、だが全体的に見ると何か物足りない。
「凡ゲー」という評価が最も相応しいこのゲームであるが、その世界の2/3を乗っ取った女がいる。それが「アランチア」である。その女は執事であり、秘書であり、戦士であり、暗殺者であり、千の顔を使い分け、国々を渡り歩き、ついには大陸に3つある国のうち2つを乗っ取ってしまった。その女は女帝の異名を持ち、自身に忠誠を誓うものたちで作り上げた女帝騎士団。その合言葉は「奴らの終わりが我らの始まり 我らの始まりが奴らの終わり」である。
Q.その女帝もといアランチアさんが今目の前にいるのですがどうしたらいいですか?
A.逃げろ、と言いたいところですが逃げてもレベル差の暴力で即刻捕まり、さらにひどいことになるのが目に見えているのでおとなしくしておきましょう
だめだ、俺の脳内審議の結果逃げても無駄だという事が分かってしまった。くそ、もはやここまでか……っ!!
「いやなんかすごい顔してるけど別に獲って食ったりしないよ?」
「どちらかというと拷問で情報を吐き出させようとしてきそうで怖い」
「それってつまり何かいい情報を持ってるってこと?」
おっとまずい、知り合ってしまった以上こいつの性格からして絶対絡まれるからこういう情報は大事になってくる。でもひどかったよ、Triskele・Cosmosの唯一の欠点と言えば痛覚が1/100くらいではあるものの存在する事であるが、こやつはそれを「じゃあ1/100にしても痛いくらい強い痛みを与えたら拷問は成立するってこと?」などとぬかしおった。そして数々の実験を重ね被害者の山を積み重ねて開発された拷問方法は、とにかく回復薬をぶっかけまくりながらじわりじわりとプレスの荷重を増やしていくというもの。まあ控えめに言って悪魔の所業だ。「じゃあ普通にいうと?」などというバカな質問はよしてくれ、こいつの行動を言い表すのに適切な表現など存在する訳ないだろう。「誇張すると?」なんて聞いたやつは俺が直々にお話をしに行くことになる。
俺の経験から言わせてもらうと、こいつは他人を拷問してその姿をその恋人にみせてその不幸をグラスに注いで飲んで楽しむと言うよりも、他人の体を絞って出したエキスを恋人に飲ませてその不幸とエキスをカクテルにして人間花火を鑑賞しながら楽しむ人間だ。ごめん俺も何言ってんのか分からんくなってきた。まあとにかくヤバいやつということがわかれば全てよし!ただし状況は何も良くない。
「ちなみにアラリザベス……言いにくいな、ザベスでいい?」
「いいよ」
「どうも。んでお前はなんでこんな初心者エリアに来てるんだ?」
「ほうほう、つまりこんなところで苦戦していた君は初心者とも言えない、と」
「しばくぞドブカス野郎が。とっとと質問に答えやがれ」
「あらら、お口が悪いですわよルアンさん。まあ目的としてはね、実は……」
「切り替えはやっ」
「聞け」
「アッハイスイマセン」
「実はね、この山紫水明の樹海内に隠しエリアがあるっていう噂があってさ。マップを見てみても確かにありそうなんだよね。だから探してるって訳。それで他の2人は有志だよ」
「有志の間違いじゃ……」
「何?」
「ナンデモナイデス」
「よろしい。で、その途中に死にかけの「死にかけじゃない」うるさい、ルアンくんを見つけたのよ」
「へえ、それで見つかりそうなのか?」
「今アヤが探してるわ」
「いや自分で探せよ」
「あの子超万能なのよ。支援職なのに普通に強いし探索系のスキルも持ってるし。あと普通にリアルラックが高い」
「へー」
「おねーちゃーん!!見つかったよー!!」
「ほらね?」
「お前が誇れることじゃないと思うけど」
さあ皆さんも一緒に!せーのっ「奴らの終わりが我らの始まり 我らの始まりが奴らの終わり」!!!
さるでもわかるにょていかいせつ(酒Ver)
・一般的(?)な悪人
ウォッカ(アブサン)をがぶ飲み
・女帝
ウォッカ(スピリタス)100倍濃縮にエナドリと玉露40倍濃縮を混ぜてがぶ飲み
さらに言うとエナドリは某半裸の鳥頭が出てくる作品のものだと言うとより近づくと思います




