倒幕派を殲滅せよ
第2章開始です。
「行けー!囲めー!今が攻めどきだー!!」
「負けるな押し返せ!!こちらの方が有利だ!!そろそろ援軍も来るぞー!!」
「うおおおおおお!!」
まずいな、若干こちらが押されている。
「おい軍師、今の状況は!?」
「あまりよろしくないかと。やはり物量には敵いませぬな、援軍が来るまで持ち堪えられるかどうか…」
「ちっ、大老どもがしくじらなければこんなことにならずに済んだものを」
「報告!千田隊が壊滅!及び西田隊も半壊!戦況はますますあちらが有利となっておりまする!」
「報告ご苦労!城主、いかがなされますか」
「くそっ、新鮮隊め。魚魚もいるみたいだな。仕方ない、あまり使いたくはなかったがそんなことは言ってられない。鉄砲隊用意!!」
「はっ!」
◇◇◇
よーし、ちょっとメモリア以外のゲームもしよっと。うーん、FPSは間に合ってるし、乙女ゲーは一回クリアできたらそれでいいし、RPGも間に合ってるし…猿蟹合戦・極もいいけどなぁ。いやでも最近やってなかったしこれをやろう。
俺が選んだのはAufstieg:the Castile online、通称お城だ。これは戦国時代をモチーフにしていて、城のどこかの身分につきそこから昇格するなり下剋上するなりして城主になったり、はたまた雇われの傭兵になったりするゲームだ。オープンフィールド型で、まあそれなりに自由ではあるし、良くも悪くも良ゲーだと思う。
このゲームでは城主になるかつ、自身の領地が一万石となると大名になることができる。大名になるといろんな場所に顔がきくようになり、さらに他の城主と同盟を結ぶことも可能になるのがメリットだ。その後、領地が10万石を超えると中大名として認められる。ここからは他の城主や大名などを配下につけることができるようになる。50万石を超えると大大名となる。大大名になったからと言って何か変わるわけではなかったので、これは単なる肩書きと捉えられている。そして、周りを侵略し続け晴れて領地が500万石を超えると幕府を開けるようになる。幕府になれると色々とすごい。説明はめんどいので割愛。まあ大体の城主たちは幕府を目指して頑張っている。
今の所有力な幕府としては禿剥げ幕府や山田幕府、それに鳳凰幕府などが有力だ。それに反して、倒幕を目標とする連中もいる。このゲームでは、幕府を倒すとその地に幕府ではない新政府を置くことができ、そこでは新兵器なども使用可能なため倒幕を目標とする奴らも多い。新鮮隊などがそれにあたる。
「最近のアップデートは、っと」
へえ。面白そうなのがあるじゃん。最近チェックしてなかったから知らなかったけどこのアップデートは…一昨日か。素晴らしい、最高だ。今回はこれを目標としようか。
俺は鳳凰幕府が初代将軍鴻蘭流だ。名前は響きがカッコ良かったから、以上!うちの幕府は特殊だ、一度幕府作りたての頃に倒幕され新政府を造られた。しかしもう一度幕府を作り直し新政府を倒した、そのおかげで新政府の近代的な銃火器やらなんやらを入手できたため鳳凰幕府は最強なのだ、わっはっは。いやあ、ね?大鳳凰帝国にしようかそれはそれは迷いましたよ。でもやっぱり幕府って言う響きが良くてサ…。てなわけで誕生した鳳凰幕府であるわけだが、ただいま絶賛大ピンチであった。なんで?それは大老諸君の素晴らしい経営ミスですよねぇ。おかげで新鮮隊が俺が入った瞬間倒幕を開始しやがった。魚魚のクソ野郎め…大人しく海でピチピチやってれば良かったものを…っ!
新鮮隊は強い、それはもうほんとに強い。主要な港…というか、主要な港にできそうな場所はことごとく新鮮隊が制圧し、海の交易では新鮮隊を頼る他ない。しかし新鮮隊は倒幕派であることから幕府が交易しようもんならことごとく酷い条件を突きつけてくる。俺も昔頼んでみたんだよ。「いやあ新鮮隊さん、うちは新政府が幕府って名前に変わっただけでして…実質的に新政府と言ってもいいのではないのでしょうか、ねえ?」って。したら奴さん酷いことに倒幕を開始しやがったんだよ。ちょうどその時は他の幕府を攻撃しようかと考えていたから戦闘の準備はしっかりできていてなんとかなったんだけども。
あろうことか今回、俺がいない間に実質的な将軍となっていた大老諸君が新鮮隊を挑発したせいで、俺が入るまでずっと倒幕を連打していたのだ。もう狂気よ、本当に。
と言うのが事情であるわけだ。大老を怒鳴り散らかしたい気持ちは山々だが、今はそれどころではない。まじで倒幕されかねないんだよ…っ!!
一応倒幕というシステムについて説明しておく。倒幕とは、将軍家以外の大名が将軍を殴り飛ばしてやるよと宣戦布告をし、その瞬間「倒幕」というイベントが始まる。誰にも使えぬ城主未満の地位の人物は必ずどちらかの勢力につく必要があり、幕府に所属しない大名も同じだ。一つ幕末と違うのは、新撰組のような運営に認められた精鋭部隊を作れるのは倒幕派の者たちだということだろう。それが新鮮隊だってわけだ。
新鮮隊のリーダーは魚魚だ。あいつの主武器は刀だ。かなり強く、他にも多彩な武具を持っている。また木端の隊員には銃を持たせている。しかし新鮮隊の真に恐ろしいのはそこじゃない。あいつらは投石器で腐った魚を投げ飛ばし、腐敗というシステムを利用して中のものたちを責める。腐敗というのは読んで文字のごとく腐るということだ、しかしこの世界では腐敗したもの、特に食料品などからは100%有毒な物質が発生する。この世界はゲームなので多彩な菌があることだろうと思ったそこのあなた、違います。腐敗した食料品から発生する菌はただ一つ、天然痘だ。えそんなリアルな菌なの?って思ったよ最初は。でもこいつ危険すぎる。感染力が以上に高く、状態異常:感染がついてしまうと永続的なスリップダメージを受け、さらに30秒毎に死亡抽選が行われ20〜50%の確率で死ぬ。それを新鮮隊は嬉々として幹部たちが遂行するのだ。
このゲームのデスペナルティは全ての富と権力を失うこと。もう1回1からやり直しだ。しかも足軽でもなく平民だ。もっと低確率でキャラメイクが女体化&ステータス半減されたり、とんでもなく年取ったり子供になったりする。まあこれになったやつは大抵ゲーム辞めてる。平民は意外と簡単に足軽になれるから、そこからもう一度駆け上がることも可だ。
長々と説明してしまったが、先ほども言ったように俺は絶賛倒幕の大ピンチって訳だ。
「鉄砲隊一列目よーい!!…放てーー!!」
「鉄砲隊二列目よーい!!…放てーー!!」
「鉄砲隊三列目よーい!!…放てーー!!」
「鉄砲隊四列目よーい!!…放てーー!!」
「鉄砲隊五列目よーい!!…放てーー!!」
「鉄砲隊一列目よーい!!…放てーー!!」
「鉄砲隊二列目よーい!!…放てーー!!」
…
「ふう、なんとかなったか」
「はい、そのようですな」
「で、大老諸君、一体何をしたんだね?(にっこり)」
「ひええ、ま、まことに申し訳ございませぬー!!」
こいつらロールプレイしながら全力でビビれんのある種才能じゃね?
ようやく倒幕イベントが終了し、一息ついたところで用事を思い出した。というかこれが俺の本命だったんだけどなあ。
「おい四方、大名諸君を全員を大広間へと招集してくれ」
「はっ、承知いたしました」
大事な話があるんだよなぁ。
「よくぞ皆集まってくれた。重要な話があってな。異論は認めぬぞ?すでに決定事項だ」
「「「「はっ」」」」
「これから我が鳳凰幕府は皇位を奪る」
「「「「な…っ!!」」」」
「諸君も知っているであろう?神からの天啓で」
「しかしそれはあまりにも無謀では…」
「言ったであろう?異論は認めぬと。これは決定事項だ。明後日行軍を開始する。準備しておけ」
「「「「…っ」」」」
「返事は?」
「「「「はっ!!」」」」
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