さとりんにプレゼント
高校受験したくなってきた。
さとり宅の長い廊下を進むと、立派な扉の部屋の前でお燐が止まった。
「ここがさとり様の書斎です」
お燐はコンコンとドアをノックした。すぐに扉の向こうから、
「どうぞ」
という声が返ってきた。
「入るぞー」
俺はそれを聞いてから部屋に入った。そこはなん個かの本棚と、大きな机、ソファのある部屋だった。おおよそ幼女には似合わない空間である。そしてさとりは椅子に座っていた。
「遊助、ですか。まあ、来るとは思ってましたよ。どうせ暇なんでしょう?」
「あたりだ。心読めなくても十分じゃないか?」
さとりはクスッとわらい
「そうかもしれませんね」
と答えた。しかしこの姿はちょっと不便じゃないのだろうか。
「お前なんでそんな服着てるんだ?威厳とかを出したかったらもっとほかの服があるだろ」
さとりは少し考えてから、こういった。
「あなたの言いたいことはわかります。でも私はこの服が好きですし、威厳というものはあまり必要ないと思っています。私に付き従いたいものだけがいればいいのですから」
「そうか。それならその服でもいいな。でも威厳とかいう前に、幼女だぞそれ」
「仕方ないじゃないですか!この服以外は動きづらいんですよ」
「あ、ああ。そうなのか、なら仕方がないな。服プレゼントしてやるよ」
俺は、白いワンピースを創造した。サイズはたぶんあってると思う。
「こんなのどうだ?」
さとりは渡された服を見つめ、広げてさらに見てからこういった。
「いいと思います。ただ、、、」
「ただ?」
さとりは少し恥ずかしそうにもじもじしながら、
「腕とか露出する部分が多くないですか?」
「そうか?普通だと思うぞ」
ワンピースのイメージが間違っていたのだろうか。まあ、俺がさとりに似合いそうなのを想像しただけだしな。
「普通、ですか。それなら着てみます」
さとりは書斎からワンピースを持って出て行った。
20分ほどしたところで、さとりが戻ってきた。
「どうですかね?」
とさとりは顔を真っ赤にしつつも聞いてきた。
「いや、にあってるよ。いつもの服もさとりらしさが出てていいと思うけど、これはかわいい」
「そうですか。ありがとうございます。大切にしますね」
「どういたしまして」
喜んでもらえたようだ。
「そうだ。私はあなたに一つ頼みたいことがあるのです」
「頼みたいこと?」
「はい。実は私にはこいしという妹がいるのですが、こいしも私と同じ能力を持っているんです」
「へえ~~」
「彼女は人や妖怪との交流を恐れ、能力を使うのに必要な第三の目、私で言うところのこれを使えなくしてしまい、ここに籠るようになってしまったんです」
「なるほど。で、俺が会うっていうことか」
「理解が早くて助かります」
こいしか。心を読むのができなくなった代わりにほかの能力を持っていたような気がするんだが・・・
さとりん、さとりん




