幻想郷の月人たち
足が痛い
一行を幻想郷に連れてきた。隙間から出てくると、そこには同じく隙間から出てきた紫がいた。
「おお、紫。久しぶり」
「久しぶり、じゃないわよ!私のこと放っておいて、たまには帰ってきなさいよ!」
「いやぁ、悪い悪い」
このやり取りえを輝夜と永琳は冷たい目で見つめていた。
「遊助、この女性は?」
「永琳、紹介してなかったな。こいつは八雲紫、幻想郷の創設者で、俺の」
「遊助のお嫁さんよ!」
やばい。場の空気が変わった。輝夜、妹紅、永琳がそれぞれオーラを放っているような気がする。
「遊助?お嫁さん、ってどういうことかしら?私と会わなかった1億年の間に何があったの、どうして気が変わったの?」
「いや永琳これは、その違うんだ!」
輝夜も口をはさむ。
「私と妹紅といちゃついてたくせに、裏切るのね・・・」
「遊助、姫様とも浮気?」
永琳が拳をパキポキと鳴らし始めた。紫も黙っていない。
「彼は私のものよ。それにここは私の作った場所。私が管理しているのだから、部外者には出て行ってもらうこともできるのよ」
しかし永琳も引き下がらない。
「月の頭脳を甘く見過ぎているわね。妖怪風情がなめたこと言ってくれるじゃない」
「遊助はここにはおいておけないわね」
輝夜も参戦する。
「今すぐケリをつけてあげるわ」
「お前らやめろって」
「「「「誰のせいだと思ってんのよ!」」」」
「・・・はい・・・」
流石に俺も黙ってしまった。みんな怖すぎて口をはさめない。
「遊助が選ぶんならそれで私はいいけどね」
「妖怪のくせにいいこと言うじゃない。私もそれでいいわ」
「私も」
「私も」
「よくわからないけど関係ないウサ」
賛同する人間と、無関心な兎がいたが、まあいい。
「さあ、遊助。どうするの?」
紫が俺に詰め寄ってきた。
「私に決まってるわよね?私一番最初に結婚したのよ、正妻よ」
「永琳はもう歳だから、若い私を選びなさいよ」
「私の方がいいぞ!」
4人ともなんかいろいろなことを言ってきた。神子の能力か何なのか、複数人の人の声を同時に聞くことができた。輝夜はなんか裏切っていたような気がする。
「ん~~~、迷う。・・・全員は?」
皆は一瞬ポカーンとしていたが、やがてフフッとみんなが笑った。
「遊助。変わってないのね、強くて優しい。昔と一緒ね」
「あなたならそういうと思ってたわ」
「私を呼んで欲しかったけれど、これが一番あなたらしいわ」
「みんなに納得してもらえてよかったよ。まあ、永琳たちは取り敢えず家作らないとな、どんなのがいい?」
皆の機嫌が少し治ったところで話を逸らす。殺されたりはしないが、痛い目は見たくない。
「私は、薬を作れる場所を」
「私はWi-Fiとパソコンを」
二人の希望は大方予想通りだった。
「妹紅はどうする?」
「私は一人がいい。家は後で自分で作るよ」
妹紅は実年齢10歳くらいなのにだいぶ大人だ。
「輝夜、お前も妹紅を見習ったらどうだ?」
「バカじゃないの?なんで私が働かなくちゃいけないのよ?」
ニートなんですね、わかります。
「私は特に希望はないから、こいつらと一緒に済ませてほしいウサ」
なんか住むことになっているてゐとその後ろに兎を済ませるスペースを考慮して創造すると、かなりでかく仕上がってしまった。
「こんなんでいいか?」
「やればできる男ね、惚れ直しちゃったわ」
「とりあえずイベントクエストやるぞー」
二人は家の中に入って行った。
「じゃあな、てゐ」
「またなんだウサ」
こうしてまた住民が増えた。今日はなんか疲れた。というかずっと鈴仙おろおろしてたな。ちゃんと話しかけよう。
星蓮船の前に別に話はさみます