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東方の世界に転生して頑張る的な話  作者: teyu
第5章 幻想郷を過ごす
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お嬢様はいつも一人

土曜日は学校が早く終わって、執筆日和です。

 「にしても、まだ人は少ないわね」

妖怪の賢者、八雲紫が創った幻想郷は俺の知っているときほど人がいない。まあ、まだ西暦1000年にもなっていないのだから仕方がないか。文はこの時代にすでに新聞を始めている。なかなか進んでいるな、幻想郷は。

「でも仕方ないだろ。大体誰を連れてくる気だよ」

「私の友達なら外にいるんだけどねぇ、その子人間だし」

「あややや、新しい人が来るならこれもスクープしないとですね!」

妖怪と友達っていう人間は、そうは多くない。どんな奴なんだろうか。

「そいつに会いにいかないか?」

「あ、いいわよ。あの娘いつも家にいるから」


 少女はいつも家にいた。しかも一人で。理由?それはあるけどやはり普通でない。

「はあ、これも全部桜と父上のせいだわ」

少女、西行寺由々子はおのれの不運を嘆いていた。有名な歌人であった父は生前よく桜を使った句を多く詠んでいた。そして死ぬ時も家の庭にあるあの桜のたもとで死んだのだ。そこまでなら桜好きだったで終わるかもしれない。しかし父の意志は桜に吸われ、桜は妖怪となった。そして生きているものの生気をすい、死へ向かわせるようになった。その力が私にもうつり、私と親しくなったものは、みな一様に死んでいった。

「でも彼女だけは私のそばにいても平気なのよね」

「それって私のこと?」

「うわっ!」

スキマから現れた紫に由々子は驚いた。いつものことなのだが、今日は考え事をしていたか気づかなかった。

「もぉ~、びっくりさせないでよ紫」

「あら、ごめんない。今日は私だけじゃないのよ」

「どうも、廿楽遊助だ。由々子、よろしく」

「よ、よろしく」

いきなりあらわれた男に由々子は戸惑った。それと同時におそれも抱いた。この人も殺してしまうんじゃないか?そしたらまた周りからいじめられる。

「あら、あなたの能力のことなら心配しなくても平気よ。彼、私と同じ妖怪だから」

由々子は安心した。これでまた話せる人が一人増えたからだ。

「これから毎日来てくれるの?」

「たぶんな。紫が来れないときは俺も来れないが」

「なら大丈夫ね。紫は毎日来てくれるから」

こいつらそんなに仲が良かったのか。意外だな。

「遊助ってすごいのよ。なんたって彼は・・・・」


紫が俺の自慢話を延々としているうちに、月が高く昇っていた。

「あら、もうこんな時間だわ。帰らないと」

「確かにな。由々子、じゃあまた明日な」

俺と紫が帰るときに、彼女は

「じゃあ、また明日も来てね」

と手を振っていた。彼女は死を操るようだが、彼女自身には問題なさそうだ。

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