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15 世紀末郵便屋伝説 ~完~【郵便屋伝説】
「『舞落葉書煌』……だとっ!? まさか、あの技の使い手が実在するはず……っ!」
「遅い」
大剣を背負った巨漢ーーその拳が、新聞配達人のみぞおちに入る。たまらず
新聞配達人は吹き飛ばされた。
「ぐっ、ああああっ! ば、バカな、この速度……ッ」
「未熟者めが! その程度でバイク便ライダー、新聞配達人を名乗るなど笑止!」
「くっ……!」
頭部を覆うフルフェイス・ヘルメットのバイク便ライダーが、地面を叩く。ーー完敗だ。郵便配達には適わないのかーーっ!
アパートの扉に取り付けられたドア・ポストに、郵便屋は、一枚の葉書をコトリと落とす。
「葉書はーー安く送れてお得なのだ。甘く見たな」
うなだれながら、バイク便ライダーがチャイムを押す。
新聞配達人は、静かに朝刊をドア・ポストに押し込むと、よろめきながら、歩き去っていった。磁気嵐の吹き荒れる今日のことだ。配達が長引いたのだろう。
朝日が眩しい。今日も、明日も、郵便屋は、宇宙のどこかで戦い続けている。流星雨の夜も、太陽の黒点が増加する日も。
世紀末郵便屋伝説〔完〕




