表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/197

#071

――次の日の朝。


ホテルで目を覚ましたアンは、ソウルミューから連絡を受けていた。


「今日のテストは中止か?」


どうやら昨日――。


ソウルミューや研究所の職員たちがアンの脳波を調べてみたところ、もう少し円形ユニット――RELAY-Gの調整が必要になったようだ。


アンの目の前に映るホログラム画面では、朝から酒瓶をラッパ飲みするソウルミューが言葉を続ける。


《あぁ、今日中には調整を終わらせられると思うから、アンタは酒でも飲んで休んでいてくれ》


「仕事して飲んでる君にそう言われると、なんだか違和感を覚えるな」


《そう言うなって。じゃあ、また明日な》


そして、通信が切られる。


アンの傍には、同じホテルに泊まったブレシングとミントの姿かあった。


「聞いての通り、今日は休みになってしまった」


アンが二人にそう言うと、ミントが両手をポンと叩き合わせて口を開く。


「じゃあ、せっかくですし、出掛けちゃいましょう」


「出掛けるって、一体どこへ行くつもりなんだよ? 僕たちはここに来たばかりで、ろくにこの国のことを知らないんだよ」


「フフフ、こんなこともあろうかと、しっかり調べておいたんです」


「こんなことって……。ミント……君は一体どんなことを予想していたんだよ……」


まさか遊びに行くつもりだったのかと、ブレシングはミントに呆れている。


そんなブレシングのことなど気にせずに、ミントは二人に向かって声を張り上げた。


「さあ、行きましょう! この国にはとってもステキなところがあるんですよ!」


それからアンたちは、それぞれ出掛ける支度をし、ミントが手配した自動運転車に乗ってホテルを出た。


まだ行き先を知らされていないアンとブレシングだったが。


二人とも特に気にしてはいないようだ。


むしろブレシングは、これから向かうところよりも、ミントが妙に明るく振る舞っているように感じていて、そのことか気になっている。


(なんか無理しているように見えるけど……。お父さんと何かあったのかな?)


運転席に座っているミントの後頭部を見ながら、ブレシングかそう思っていると、助手席にいるアンが口を開く。


「そういえば、エンチャンテッド氏は君に何の用事だったんだ?」


アンの訊ねられたミントの顔が一瞬だけ曇ったが、彼女はすぐに表情を戻して答える。


「えーと父は……ひ、引っ越しをしたいとかで……。まあいいじゃないですか、そんな話しは」


「……どうやら踏み込んだことを訊いてしまったようだな。すまない」


「もうッ謝らないでくださいよ。それよりも昼食はどうしましょうか? この国の名物料理は――」


アンの謝罪をなかったことにし、デバイスに映るグルメサイトを二人に見せるミント。


ブレシングはそんな彼女を見て、アンの態度を見習うことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ