第863話 黒海
ボスポラス海峡を封鎖していた両岸の砦は、お初率いる艦隊の艦砲射撃で完全に無力化した。
しかし、捕らえた敵兵に自白剤を飲ませたところ、黒海入り口には機雷が仕掛けられ、うちからオスマン帝国が買った戦艦が奪われ利用され待機、そして、また人力突撃潜水艦が待機しているとの情報が入った。
黒海に入れば狙い撃ちになる。
艦隊は一時、イスタンブール近郊のブルサと言う港に停泊させた。
「真琴様、いかがいたしましょう?」
と、お初、
「被害が出るのをわかっていながら無理矢理進軍したくはないしな・・・・・・」
「マコ~捕まえた敵兵に自白させたけど、拠点としている港は、コンスタンツァって港らしいよ」
「石田三成隊が近いか」
と、地図を見ている。
コンスタンツァはルーマニアにある港だ。
「御大将、前田慶次殿も合流間近との事、敵の港を制圧し浮き足立ってから進軍すれば、いささか味方の被害は減るかと思いますが」
と、宗矩。
「真琴君、ちょっと時間くれれば、ダイナマイトを水中爆破出来るように作れるよ」
と、佳代ちゃんが言う。
「ん~、なら決まったな。ルーマニア、ブルガリアの奪還を石田三成、前田慶次隊に命じる。こちらも陸側から港を制圧、敵の補給が困難になり始めたら、飛行機よりダイナマイトを使った機雷で爆破、一気に黒海に進軍する」
「はっ、かしこまりました」
「恐れながら、先方をこのシュピリッツァにお任せいただきたく」
「シュピリッツァの軍は我が軍から見れば旧式だからなぁ、被害が大きくなる」
「なんの、この筋肉で弾なんてはじいて見せましょう」
と、大胸筋をアピールしていたが、筋肉最強論は無視した。
「宗矩、戦車20両を率いて東へ向かい、まずはサムスンの港の占領を命じる。幸村はこのままイスタンブールの再建を命じる」
と、まだポージングして筋肉アピールをしていたシュピリッツァには、
「柳生宗矩と同行を命じる。ただし、総大将は柳生宗矩、何事も宗矩の指示通りに動くこと」
と、命じると、
「腕が鳴ります」
と、本当に腕の筋肉をメリメリと音を立てさせていた。
ん~マッチョマン家臣団むさ苦しい。
オスマン帝国アメフトスは、トルコ鎮圧の為に各地に手紙を出し、自身が健在で俺が後ろ盾となり優勢に転じたことを各地のパシャに知らせていた。
そう、皇帝が生きていれば、旧勢力はそう簡単には敵にはならないのだから。
あともう一声だな・・・・・・。
「オーストラリアの桃信にベンガル湾に艦隊を率いて向かうように電信、オスマン帝国側の港に駐留して牽制することを命じる」
オーストラリアにも少しずつ戦艦は増強され、小さな艦隊編成が出来ると情報が来ているのでそれを動かすことにした。
インドもオスマン帝国の支配圏だが遠い、アメフトスの手紙だけでは効力が薄い。
そこでうちの最新鋭戦艦艦隊。
そうそう清帝国に鞍替え出来なくなるだろう。
脅しに使う。
織田信長は軍議など気にもせず、黒海上空の遊覧飛行を楽しんでいた。




