↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
496/1410

第495話 高山右近

 このイスパニア帝国との戦いの元凶の源、高山右近が俺の前にいる。


「なぁ、なんであんな馬鹿なことをしたんだ」


「・・・・・・」


「折角やり直す機会として、南蛮の使者に推薦したのに」


「・・・・・・」


高山右近は何も語らなかった。


語らなかったと言うより、語れなかった。


マドリードを蒲生氏郷軍が包囲するとフィリッペ2世は高山右近を捕まえて城の門の上の見晴らせる所に断頭台、ギロチンを設置しそこで高山右近は処刑された。


そして、その首を差し出すことで織田信長に降伏を申し出てきたそうだ。


その首が今、このジブラルタル城の庭にある。


うん、別に俺は首実検しなくて良いのだけどな。


わざわざ織田信長が送ってきた。


色がどす黒く変わっていたが、顔の形は間違いなく高山右近だ。


俺の家臣としてそれなりの実績を残し、畜産の発展に尽力してくれた人物。


それが、宗教に取り憑かれたせいであらぬ方向に突き進んでしまった人物。


俺はそんな男にチャンスを与えたのだが、間違っていた。


主君である俺があのとき、厳罰にしていれば今このような戦争に発展していなかっただろう。


人の上に立つときには非情にならなくては駄目だと、高山右近の首を見ながらしみじみと思いながら語れぬ首についつい話しかけてしまった。


「慶次、高山右近の首をジブラルタル城下町の一番よく見える場所にさらせ」


慶次にそう命じる。


慶次は、


「裏切り者の末路は美しさのかけらもなしか」


と言って、さらし首にした。


『黒坂常陸介真琴に背く者は皆こうなるぞ』


そう高札に書いたそうな。


いや、俺に背くというか、織田信長に背いたらなんだけどな。


織田信長が高山右近の首で許すはずもなく、マドリードは連日砲撃が続いた。


織田信長はこの戦いを石山本願寺のように見せしめにする覚悟を持っているのが俺にはわかった。


背く者容赦せず。


皆殺しという手段も選ばずと言うのをヨーロッパ大陸で示したいのであろう。


俺はそこまで非情にはなれないので、この戦いのクライマックスの指揮から外されたであろう事も想像出来た。


俺なら、柳生宗矩配下や真田幸村・前田慶次配下の精鋭の忍び部隊で、フィリッペⅢ世を捕まえて広場で処刑するのが精一杯だ。


この違いが、第六天魔王と自負する覚悟を持った織田信長なのであろう。


自分の名が汚れることを恐れない男、それが織田信長だ。


俺はそれを恐れる男のままだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍版案内】 13巻2026年2月25日発売 i1090839 i928698 i533211 533215 i533212 i533203 i533574 i570008 i610851 i658737 i712963 i621522 本能寺から始める信長との天下統一コミカライズ版☆最新情報☆電撃大王公式サイト i533528 i533539 i534334 i541473 コミカライズ版無料サイトニコニコ漫画
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。