第386話 フィリッペ2世と織田信雄
高山右近と織田信雄は、バチカン・ローマ教皇クレメンス8世に織田信長の使者として日本を旅立ち、スペインの南蛮貿易船に乗りアメリカ大陸メキシコルートから地中海に渡りスペイン帝国の覇者フィリッペ2世に拝謁した。
【↓スペイン語】
「我が父、日本国の王・織田信長からローマ教皇様への親書を渡したく、取り次ぎの手配をお願いいたしたく」
と、拝謁を許された信雄はフィリッペ2世に挨拶をすると、高山右近が、
【↓スペイン語】
「申しあげます。日本にいる王は魔王、織田信長と黒坂真琴は世界を支配しようとしています。今すぐ止めるべくお力をおかしください」
と、高山右近は胸のロザリオを額によって当てて拝みながら見せながら言う。
「右近、貴様、命をたすけていただいた二人を裏切る気かぁーーーー」
「裏切る?私の主はデウスのみ、日本にデウスの教えを広めようとしているのにそれを阻む黒坂真琴、そしてその意見を取り入れる織田信長は邪魔なだけ、これを機会に日本もイスパニアの傘下に入れば良い」
「おのれー右近」
【↓スペイン語】
「その者を捕えよ、ローマ教皇様に会わすなど言語道断、ポルトガルと結びし条約に基づき、支配権にしていた島・領地を好き勝手に武力を持って切り取るような国の使者は磔だ、高山右近、そなたは我が家臣となれ」
「はい、デウスの為ならば」
抜刀しようとした織田信雄を衛兵が一気に取り押さえた。
ジブラルタル岬に連れていかれた織田信雄は、十字架に縛り付けられ磔になった。
「フィリッペーーー、我を殺さば我が父、信長は貴様を殺すぞ、貴様たちの艦隊など我が国の艦隊に比べれば海に浮かぶ丸太も同然よ、ぬはははははははははは、地獄で貴様たちが来るのを待っているぞ」
と、叫んだあと槍で刺され死んだ信雄。
それを高山右近は、胸前で十字を切り見ていた。
笑いながら。




