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勇者を助けてと言われても・・・

「勇者をお助け下さい。私の名前は、ミラテリア・ダーゴーンと申します。実は・・・」


 勇者を助けてと発した金髪少女が、今度は目を瞑りながらのドヤ顔をしながら何か喋っている。そんな少女よりも異世界に来たんだからと、再度周りを見回した。正面の椅子に座っている恐らく女王かな?と思しき女性は扇子で口元を隠しながら俺を凝視している。女王らしき人の隣にいる男性達は宰相とかなんかか?その中の一人だけ俺というよりは目の前の少女を見続けているっぽいが。俺の右手側、5,6メートルぐらい離れた場所にいる騎士達は顔面を覆う兜を付けているので表情が見えない。そんな騎士の傍で、槍の左右に斧みたいな刃が付いた武器(ハルバードってやつか?)を持った軽装の男性が壁に寄りかかっていて、先程の女性同様俺を凝視しているが何だろう?俺の目付きの悪さが気に入らないのだろうか。左手側、こちらも5,6メートルくらい離れた場所にいるメイドたちは女王だと思われる人がいるのに隣のメイドと和気藹々と話しこんでいる。もしかしたら椅子に座っている女性は階級が上の人ではないのかもしれないな。

 と、そんなくっちゃべっているメイドの中に一人だけ誰とも喋らず、こちらを興味なさそうに半目で見ているメイドを発見した。肩まであるクリーム色の髪、碧眼の下にクマがあり、身長は俺と同じぐらいの160cmかな。ちゃんと食べているのかってぐらい細い腕。俺が見ているのに気づいたかわからないが、目が合っても逸らさずの状態を保っている。半目メイドを見ていると、風邪を引いた時みたいに顔や身体が熱くなってきたんだが、もしかして・・・。

 そのままどれくらい時間がったったのかわからないが、肩を叩かれた事で正気に戻り後ろを向くと、先程壁に寄りかかっていた男性が目の前にいた。俺からは初対面の男性に何の用事もないので、何か用か?という意味を込めて軽く首を傾けた。


 「どうやら、わざと無視している訳ではなさそうだな。あんちゃん、異世界に呼び出されたんだから見知らぬものに興味を持つのは仕方ない。だが、そろそろ嬢ちゃんの声に耳を貸してもらえねぇか?」


 男性にそう言われ、嬢ちゃん?と疑問に思いながら目の前のドレス少女に目を向ける。・・・なんか顔を赤くして身体をプルプル震わせている。目に力を込めて涙が落ちるのを止めているんだろう。お~この場に母さんと姉さんがいたら衣裳部屋に拉致られて着せ替え人形にされそうだな。綺麗なドレス着てるし、カチューシャで前髪を上げてるから額が見えててまさに少女って感じがする。


 「・・・私の話聞いていましたか?」

 「当たり前だろ。君の名前は確か、ミラテリア・ダー・・・えーと・・・。」

 「自己紹介まで!?しかも最後まで聞いていない・・・。」


 俺が自分の話を全くと言って良いほど聞いていないことを知り愕然としていた。力が緩んだのか、彼女の頬を一滴の涙が流れていくのを見て、幼い少女を泣かしてしまった。まずい、とにかく謝って、それから言い訳をしよう。


 「悪い。いきなり見知らぬところにきたもんだから、まずは今いる場所とか自分の状態を確認していたんだ。君の言葉を無視してしまったことは本当に、悪かった。」

 「・・・そうですよね。貴方はこちらの世界に無理矢理呼び出されたんですから、本当なら貴方からの質問を待つべきでしたよね。」


 ちゃんとした歳は分からないけど、10歳ぐらいの女の子なのにしっかりしてるな~。礼儀作法が完璧って感じだし、もしかしてここの姫様とか?下手な言い訳を信じてくれたようでよかったよかった。


 「それじゃあ、君にとっては二回目になってしまうが、もう一度説明をしてもらえるか。俺の方からの質問はその後でいいから。」

 「分かりました。では、もう一度お伝えします。」


 姫さんの話をまとめると、彼女はミラテリア・ダーゴーンと言う名前でこの国の姫様だった。勇者であるお兄さんが迷宮で倒せない敵が現れた。勇者は足止めをしている状態なので、足の速い仲間に城に戻ってもらい、彼を助けるために俺が呼び出されたらしい。うわ、まとまりすぎて意味不明すぎる。因みに、椅子に座っているのがミラトリアの母親である女王で、その傍で立っている(姫さんを見ていた)男性が国王だそうな。なんで国王が立っていて椅子に動物が寝てるんだよ・・・。


 「勇者を助ける、か・・・無理。勇者が倒せない敵を俺が倒せるわけない。」

 「え!?で、ですが今回の儀式では『勇者を助けることが出来る存在』を軸に行いましたので。」

 「そう言われても・・・。だいたい、魔王を倒せるような存在がピンチな状況を助けることが出来るってどんな存在だよ。勇者の上となると英雄とかか?」

 「巳王(みおう)なら存在していますが。マオウですか?・・・マオウがどういった存在か知りませんが、勇者とは誰にも負けないような強さを持つ方ではありませんよ?」


 ・・・は?勇者がいる=倒すべき魔王がいる=勇者が魔王倒す=世界平和=姫pr仲間女性と幸せに暮らすというテンプレではないのか。魔王がいない世界の勇者って何するんだ?


 「誰よりも強くて勇敢で世界を救ってくれる様な俺が知っている勇者ではない。じゃあ、この世界の勇者ってどんな存在なんだ?」

 「『勇者』とは王族にしか存在しません。見分け方は、生まれた時に利き手の平に竜紋が描かれています。なお、勇者が死ぬと次に生まれた赤子が新しい勇者となるので、勇者が二人存在することはないそうです。私たちが知っている勇者とは、非日常的な困難を受ける定めを持っており、その困難に立ち向かえる力を持つ人のことです。」

書いていくうちに長くなってしまったので、分割しました。


勇者=正義の味方ではなく、勇者=運命に逆らう力を持つ存在とでも考えてください。


高広が想いを寄せる相手がチラッと現れました。

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