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31.報告

「それじゃあ調査結果を教えてくれるかい?」


「はいよ、まずはそうだな、結果は黒。

グラン公爵とライゼン帝国で裏取引があった。

内容は、めちゃめちゃ要約すると、帝国に嫁いだクレア先輩が使えなかったことに怒った帝国が今まで以上に強く攻め込む。

それに対して公爵側は救援と交渉をしてそれをおさめる。

っていう筋書きがあって、その裏で公爵に帝国が援助して公爵の自国内での発言権や影響力を強くしたら、今度は公爵が帝国に有利になるようなあれこれをするっていう感じだな。」


「ふーん、舐められたものだね、帝国にも公爵にも。

それにクレア先輩が使えなかったからという理由で攻め込むとか、適当すぎる。

それに攻め込む原因となった娘の実家が援助もクソもないだろうに。」


「ほんとにな、多分何かしらの罪を擦り付けるつもりだったんだろうよ。」


「なるほどね。

詳しくは報告書を読むが、あれこれの内容は決まってたのかい?」


「いや、いくつかは決まってたが、ほとんどは後で決めることになってたね。」


「帝国のお陰で力をつけたらその後は帝国に逆らえず、傀儡にされてただろうに。

思っていたよりも公爵は無能だったみたいだね。

領内はそんなに荒れてもないし、失策もあるにはあるがそんなに大きくはなかったと思っていたんだがな。」


「あぁ、それに関してもいくつかあるぞ。

前提だが、まず現公爵は次男だ。

長男が非戦闘ジョブだったからか跡継ぎから外されてな、その結果次男が継ぐことになった。

そんな過去のせいか親のせいか分からんが現公爵は非戦闘ジョブを目の敵にしてる。

ここまではまぁいいんだが、その長男は派閥でもない当時没落寸前の伯爵家に婿入りしたんだが、めちゃめちゃに有能で今は伯爵家の中でも結構上位にいる。

さらにその息子たちも優秀で、跡継ぎは生徒会長をやってたらしいし、次男も今王国騎士団で若くして高い地位にいるらしい。

片や次男の公爵は領地を対して潤わせていないし、跡継ぎも無能。

派閥内で次男ではなく長男が継いでいればって結構言われてんだとさ。」


「つまり、功績を焦った公爵の暴走か。

ついでに言えば、非戦闘ジョブで優秀なクレア先輩が自分の兄に重なりでもしたか。

自分が過去見下した兄と役立たずだと思っている長女が自分より遥かに優秀だと認められないと。」


「そんな感じだ、帝国の方は王国に影響力を持てると思っていた今回の件を横から邪魔したうちが憎いらしくてな、暗殺者をうちの父に送ったんだが、全員殺して首を皇帝が寝ている間に寝室に置いておいたってさ。

起きたら送り出したはずの暗殺者の首があってびっくり!

今はめちゃくちゃびびってるらしい。」


「流石は普段魔物相手に仕事をこなすコート辺境伯家のスカウト達だね。

多分王家の影やらなんやらよりも優秀なんじゃないか?」


「まぁ魔物、それも森の深くにいるやつらなんで1キロ離れててもバレるからな、それ相手にしてるんだ、人の相手は楽だろうよ。

もし王家の影を鍛えたいならうちに送ってこいよ、説明はしといてやるぞ。」


「すごく有りなんだよなぁ、まぁ父にも伝えておくよ。

色々情報ありがとう、助かったよ。」


「別にいい、俺たちが調べたくて調べただけだ、報酬もいらない。逆にバレかねんからな。

まぁ、そのうち飯でも奢ってくれ。」


「わかった、ユーリ達から公爵に対してなにかするとかは?」


「ない、王家が動くんだろう?ならそれでいい。

もし手助けがいるなら何時でもとだけ。」


「了解した、今日はこの辺で失礼するよ、公務を終えたら学園に戻れるよう準備しているから、そしたらダンジョンに行こうか、体が訛って仕方がない。」


「あいよ、それと今は俺クリスタ・メイジーと潜ってる、優秀だぞ。

四階層にも行けてる。」


「あぁ彼女か、一緒に潜ったことがあるよ。」


「あいつの前でわざと俺の名前だしただろ。」


「ふふっ、バレたか。」


「まぁな、だが助かってるよ、流石にひとりで四階層は危険だからな。

もし他に鍛えて欲しい奴がいたらそれとなく教えてくれ。」


「あぁ、そっちもバレたか、流石だね。」


「やっぱりか、全く。

そのうち身分でも与えて取り立てていくつもりか?」


「そこまでは考えてないよ、まだね。

だが優秀なものは多いに越したことはないからね。」


「まぁそれもそうか。

んじゃまたな。」


「あぁまたね。」


そう言ってユリウスは部屋から出て行った。

少し間を開けて俺も部屋から出る。

どうやらユーリは俺に優秀そうなやつを鍛えさせたいらしい。

そうなると今まで以上にネームドキャラと関わりが増えそうだが、どうしたものかと考えつつ腹が減ったので食堂に向かった。


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