二階級王者大場政夫VS WBC世界バンタム級王者ベニシオ・セグンド・ソサ「写真二枚」
1976年3月10日(水曜日)体重測定の日になった。大場政夫の体重は52.171kgでベニシオ・セグンド・ソサの体重は52.163kgだった。
そして運命の日1976年3月11日(木曜日)に日本大学講堂(日大講堂)で試合が始まる。
「レディースエンジェントルメーーーンッ!今宵はお集まり頂きありがとうございます!これよりMasao Ohba VS Benicio Segundo Sosaの試合を始めます!」
リングアナウンサーが大声で言った。
「大場政夫選手はプロボクシング44戦42勝22KO2敗2分の戦績です。」
アナウンサーは隣同士で仲良く談笑する。
「そうですね!対するWBC世界バンタム級王者ベニシオ・セグンド・ソサはプロ戦績13戦(13KO)無敗なのでどうなるか楽しみですね!」
遂に大場政夫とWBC世界バンタム級王者ベニシオ・セグンド・ソサの火蓋が切られる。
「青コーナー WBA世界バンタム級チャンピオンMasao Ohbaァアアアアアアア!対するは赤コーナー WBC世界バンタム級チャンピオンBenicio Segundo Sosaァアア!レディーーーーーーーーーーファイ!」
レフェリーの大声と共に試合の火蓋は切られた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー第1R開始ーーーーーーーーーーーーーーーー
第1R、ゴングが鳴り響くと、両者は中央に向かって歩を進めた。大場政夫は冷静な表情で、ソサの動きを観察していた。一方、ソサは挑発的な笑みを浮かべ、パンチを繰り出す準備を整えていた。第一R前半はソサの巧なジャブで場を支配した。大場は応えず、ガードを固めたまま相手の動きを分析していた。ソサが猛然と前進し、強烈なジャブを放つ。大場はそれを軽やかに避け、カウンターの左フックをソサの顎に叩き込んだ。観客から歓声が上がる。ソサが一瞬後ずさる。大場はここで追い撃ちをかけることもできたが、冷静に距離を取った。彼はソサの13戦13KOという恐ろしい戦績を知っていた。焦りは禁物だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー第2R開始ーーーーーーーーーーーーーーーー
第2R、ソサは怒りに燃えていた。彼のパンチはより激しく、より危険になっていた。大場はロープに追いやられるが、巧みなディフェンスで致命傷を避け続けた。強烈な右ストレートを放つ。その瞬間、大場は不意を突かれ、ガードがわずかに崩れた。パンチが彼のこめかみを直撃し、よろめく。観客から悲鳴が上がる。
「大場が危機に!ソサの強打が炸裂!」
アナウンサーが叫んだ。ソサはここでとどめを刺そうと、連続パンチを繰り出した。大場は必死に耐えていたが、明らかに苦戦していた。レフェリーが近づき、大場の状態を確認しようとした。その時だった。大場の目に光が戻る。彼はソサのパンチの間にわずかな隙を見つけ、そこに渾身の左ボディブローを叩き込んだ。
「ぐっ!」
ソサが苦しげに呻き、動きが止まる。大場はここで反撃に転じた。彼のパンチは正確かつ強力だった。左フック、右ストレート、そして再び左フック。ソサは防戦一方になり、ロープに背を押し付けられた。ゴングが鳴り、第2Rが終了。ソサは息を切らし、自信なげな表情で自分の corner に戻った。一方、大場は冷静に、深呼吸を繰り返していた。
「大場が逆境から這い上がり!ソサの無敗神話に風穴が開いたか!」
アナウンサーが興奮して叫んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー第3R開始ーーーーーーーーーーーーーーーー
第3R、試合の流れが完全に大場に傾いた。彼のテクニックとスタミナがソサのパワーを上回っていた。大場は巧みなフットワークでソサを翻弄し、的確なパンチでダメージを蓄積させていった。大場の左ジャブがソサの顔面を的確に捉える。その一撃一撃が、ソサの自信を少しずつ奪っていく。ソサは怒りに任せて無謀な右フックを放つが、大場はわずかに体を沈めて回避し、即座に左ボディブローを叩き込んだ。
「うぐっ!」
ソサが膝から崩れそうになる。大場はここで一気に畳み掛ける。左フック、右アッパー、そして再び左フック。ソサのガードは完全に崩れ、彼の体はロープに寄りかかるように動かなくなった。レフェリーが介入するかと思われた瞬間、大場は渾身の右ストレートをソサの顎に叩き込んだ。ソサの体がクルッと回転し、リングに倒れ込む。観客の悲鳴と歓声が混ざり合う。
「ダウン!ソサがダウンした!」
アナウンサーが叫ぶ。レフェリーがカウントを始める。
「1…2…3…」
ソサはもがきながら立ち上がろうとするが、膝が震え、何度も倒れそうになる。
「4…5…6…」
レフェリーのカウントが6に達した瞬間、第3R終了のゴングが鳴り響いた。大場は冷静に自分の corner に戻り、深呼吸を繰り返す。ソサはコーナーマンに支えられながら、ようやく自分の席に戻った。
「第3R、大場の圧勝!ソサの無敗神話は今夜、ここで終わるかもしれない!」
アナウンサーが興奮して叫ぶ。観客は立ち上がり、大場の名前を叫んでいる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー第4R開始ーーーーーーーーーーーーーーーー
第4R、ソサは明らかに疲弊していた。彼の動きは鈍く、パンチも威力を失っていた。大場はここでとどめを刺すことを決意した。彼は中央に進み出ると、ソサを挑発するようなジェスチャーをした。ソサは最後の力を振り絞り、右ストレートを放つ。
しかし、その拳は空を切った。大場は一瞬の隙を逃さず、左フックをソサのこめかみに叩き込んだ。ソサの体がふらつき、大場はさらに追撃をかける。右アッパー、左ボディブロー、そして再び右ストレート。ソサのガードは完全に崩れ、彼の体はロープに寄りかかるように動かなくなった。レフェリーが介入するかと思われた瞬間、大場は渾身の左フックをソサの顎に叩き込んだ。ソサの体がクルッと回転し、リングに倒れ込む。観客の悲鳴と歓声が混ざり合う。
「またダウン!ソサがまたダウンした!」
アナウンサーが叫ぶ。レフェリーがカウントを始める。
「1…2…3…」
ソサはもがきながら立ち上がろうとするが、膝が震え、何度も倒れそうになる。
「4…5…6…7...」レフェリーのカウントが7に達した瞬間、第4R終了のゴングが鳴り響いた。大場は冷静に自分の corner に戻り、深呼吸を繰り返す。ソサはコーナーマンに支えられながら、ようやく自分の席に戻った。
「第4R、大場の圧勝!ソサの無敗神話は今夜、ここで終わるかもしれない!」
アナウンサーが興奮して叫ぶ。観客は立ち上がり、大場の名前を叫んでいる。第4Rの休憩中にソサが何やら怪しげなブラック・ボトルがソサに手渡された。ブラックボトルの中には禁止薬物の液体が入っていた。ソサはドーピングをして今迄勝ち残ってきたのだ。此処からソサの怒涛の反撃が始まる。
※オスタリン(Ostarine)がボクシングを含むスポーツ界で正式に禁止薬物として指定されたのは、2008年からです。ボクシングの主要なタイトルマッチにおけるドーピング検査は、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)やVADA(ボランティア・アンチ・ドーピング機構)の基準に準拠して行われています。オスタリンが禁止された経緯と扱いは以下の通りです。
1. 2008年に「SARM」として全面禁止
オスタリンは「SARM(選択的アンドロゲン受容体モジュレーター)」と呼ばれる物質の一種です。筋肉増強ステロイドと似た同化作用(筋肉を増やす効果)を持ちながら、副作用が少ないとされています。
WADAは、このSARMというカテゴリーの薬物がスポーツにおける不正なパフォーマンス向上に悪用される危険性を早期に察知し、2008年の禁止表(Prohibited List)からSARM類を全面的に禁止リストに追加しました。これにより、ボクシングにおいても2008年から禁止薬物となっています。
2. どのような扱いになっているか?
現在のWADAの規定では、オスタリンは禁止表の「S1. 同化薬(S1.2 その他の同化薬)」に分類されています。
常に禁止: 試合の当日(競技会時)だけでなく、トレーニング期間中などの試合外(競技会外)を含め、「常に(At all times)」使用が禁止されています。
3. 名称についての補足
オスタリンは別名で「エノボサルム(Enobosarm)」や「MK-2866」とも呼ばれます。成分自体は2008年から一貫して禁止されていましたが、WADAはより規定を明確にするため、2019年の禁止表の更新時に、一般名(INN)である「エノボサルム」という名称もリストに併記するようになりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーー第5R開始ーーーーーーーーーーーーーーーー
第5R、ゴングが鳴り響いた。大場はいつものように冷静に中央へと歩を進める。
しかし、向かいから来るソサの様子が明らかに違った。彼の目は、先ほどまでの疲労感や焦りとは全く異なる、冷たく、獣のような光を宿していた。筋肉は不自然に隆起し、血管が浮き出ている。まるで別人だ。
(おかしいな…)
大場は内心で警戒を強めた。ゴングと同時に、ソサは爆発的にスタートを切った。彼のフットワークは第4Rまでの鈍重さから見られないほど軽やかで、大場が反応する間もなく間合いを詰めてくる。ソサの放ったジャブは、これまでの鋭さとは比べ物にならないほどの速さと重みを持っていた。大場はガードを上げて防御するが、その衝撃に腕が痺れるほどの威力だった。
(なんだこのパワーは!?)
大場は内心で驚愕した。ソサのパンチは、まるでヘビー級選手のものかのようだった。ソサは怒涛の連打を浴びせかける。左ジャブ、右ストレート、そして左フックで大場は必死にフットワークで逃れようとするが、ソサの動きは予測不可能で、まるで大場の動きを読んでいるかのようだった。大場はロープに追いやられ、そこで猛攻撃を受けることになった。
「大場が危機に!ソサが突然変貌!これは一体どういうことだ!」
アナウンサーも驚きを隠せず叫んでいた。観客も一様に驚き、会場は騒然とした雰囲気に包まれた。ソサの右フックが大場のガードを突き破り、こめかみに直撃した。大場はよろめき、膝から崩れそうになる。ソサはここでとどめを刺そうと、渾身の左ボディブローを叩き込んだ。
「ぐっ!」
大場は苦しげに呻き、息が詰まる。ソサはさらに追撃をかける。右アッパー、左フック、そして再び右ストレートで大場は必死に耐えていたが、明らかに苦戦していた。彼の目には、先ほどまでの冷静さはなくなり、焦りと困惑が浮かんでいた。
「大場が苦戦している!ソサの無敗神話はまだ終わらない!」
アナウンサーが興奮して叫ぶ。観客も、試合の流れが急変したことに驚き、息をのんでいた。大場はロープに背を押し付けられ、ソサの猛攻撃を受け続けていた。彼のガードは完全に崩れ、パンチが次々と彼の体に直撃していた。大場の意識は遠のいていった。彼は、このままでは試合に負けることを悟った。
「くそっ…」
大場は最後の力を振り絞り、ソサの懐に飛び込んだ。そして、渾身の左ボディブローを叩き込んだ。ソサは一瞬動きが止まるが、すぐに反撃に転じた。彼の左フックが大場の顎に直撃し、大場はリングに倒れ込んだ。
「大場がダウンした!」
アナウンサーが叫ぶ。レフェリーがカウントを始める。
「1…2…3…」
大場はもがきながら立ち上がろうとするが、膝が震え、何度も倒れそうになる。
「4…5…6…7...」
レフェリーのカウントが7に達した瞬間、第5R終了のゴングが鳴り響いた。大場はコーナーマンに支えられながら、ようやく自分の席に戻った。彼の顔は腫れ上がり、血だらけだった。
「第5R、ソサの圧勝!大場は危機的状況に!」
アナウンサーが興奮して叫ぶ。観客は、試合の予想外の展開に驚き、息をのんでいた。ソサは、自分の corner に戻り、得意げな笑みを浮かべていた。彼の目には、勝利への確固たる自信が宿っていた。大場は、自分の corner で必死に呼吸を整えていたが、彼の体は限界に近づいていた。
「大場はこのままでは負ける…」
大場のトレーナー桑田勲氏は、彼の肩を叩きながら励ました。
「大場、まだ諦めるな!お前にはまだ力がある!」
大場は、トレーナーの言葉に力を得て、ゆっくりと立ち上がった。彼の目には、再び戦意が宿っていた。
「第6R、大場が逆転できるか!それともソサが勝利を収めるか!」
アナウンサーが叫ぶ。観客は、次のラウンドの展開に期待を寄せていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー第6R開始ーーーーーーーーーーーーーーーー
第6R、ゴングが鳴り響いた。大場は、最後の力を振り絞り、リングに向かって歩を進めた。ソサは、自信満々で彼を待っていた。第6Rの二人の実力は拮抗していた。
(来い、大場!)
ソサは、大場を挑発するようなジェスチャーをした。大場は、それに応えるように、ソサに向かって歩を進めた。両者は中央で対峙した。そして、最後の戦いが始まった。ソサは、猛然と大場に襲いかかる。彼のパンチは、まるで嵐のように大場を襲った。大場は必死に防御するが、ソサのパンチは次々と彼のガードを突き破り、体に直撃した。大場は、ロープに追いやられ、そこで猛攻撃を受けることになった。彼の意識は遠のいていった。彼は、このままでは試合に負けることを悟った。
「くそっ…」
大場は、最後の力を振り絞り、ソサの懐に飛び込んだ。そして、渾身の左ボディブローを叩き込んだ。ソサは一瞬動きが止まるが、すぐに反撃に転じた。彼の左フックが大場の顎に直撃し、大場はリングに倒れ込んだ。
「大場がまたダウンした!」
アナウンサーが叫ぶ。レフェリーがカウントを始める。
「1…2…3…」
大場は、もがきながら立ち上がろうとするが、膝が震え、何度も倒れそうになる。
「4…5…6…7...」
レフェリーのカウントが7に達した瞬間、第6R終了のゴングが鳴り響いた。大場は、コーナーマンに支えられながら、ようやく自分の席に戻った。彼の顔はさらに腫れ上がり、血だらけだった。
「第6R、ソサの圧勝!大場はさらに危機的状況に!」
アナウンサーが興奮して叫ぶ。観客は、試合の予想外の展開に驚き、息をのんでいた。ソサは、自分の corner に戻り、得意げな笑みを浮かべていた。彼の目には、勝利への確固たる自信が宿っていた。大場は、自分の corner で必死に呼吸を整えていたが、彼の体は限界に近づいていた。
「大場はこのままでは負ける…」
大場のトレーナーは、彼の肩を叩きながら励ました。
「大場、まだ諦めるな!お前にはまだ力がある!」
大場は、トレーナーの言葉に力を得て、ゆっくりと立ち上がった。彼の目には、再び戦意が宿っていた。
「第7R、大場が逆転できるか!それともソサのドーピングパワーが勝利を収めるか!」
アナウンサーの声が興奮と共に響き渡る。観客の多くは、先ほどまでの歓声とは打って変わって、信じられないという表情でリングを見つめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー第7R開始ーーーーーーーーーーーーーーーー
第7R、ゴングが鳴り戦士達の試合が始まる。ソサは前ラウンドと変わらず、異常なほどのスタミナとパワーで大場に襲いかかる。彼のパンチはもはや人間業とは思えず、一撃ごとに大場の体を蝕んでいく。大場はロープに追い詰められ、必死のディフェンスを続けていた。
しかし、ソサの連打は容赦なく、彼のガードを粉砕し、腹、脇腹、肋骨へと容赦なく打ち込まれる。大場の口から血潮が溢れ、彼の視界はぼやけていく。
(これで終わりだ、大場!)
ソサが嘲笑を浮かべ、渾身の右ストレートを放つ。その瞬間、大場の脳裏に閃光が走った。ソサのパンチが、彼のガードをかすめた時、わずかに見えた光だった。ソサの左脇腹のあたりに、彼がコーナーで隠していたであろうブラックボトルの破片が、わずかに服の下から覗いていたのだ。
(あれは…)
大場は、その瞬間に全てを悟った。ソサの突然の変貌、異常なスタミナとパワー。それは、禁止薬物の仕業だった。
(裏切り者だ…)
大場の心に、静かなる怒りが燃え上がった。彼は、ソサの不正に怒りを覚えると同時に、自分の純粋な戦いが汚されたことに深い悲しみを感じた。
(お前のようなやつに、負けてたまるか!)
大場は、最後の力を振り絞り、ソサの懐に飛び込んだ。そして、彼の左脇腹、ブラックボトルの破片が隠されていたであろう場所に、渾身の左ボディブローを叩き込んだ。
「ぐっ!」
ソサは、予期せぬ攻撃に苦しげに呻き、動きが止まる。大場はここで反撃に転じた。彼のパンチは、怒りと悲しみを込めて、正確かつ強力だった。左フック、左ストレートそして再び左フック。ソサは防戦一方になり、ロープに背を押し付けられた。そしてトドメの左ストレート。
「大場が逆転する!ソサが圧されています!」
アナウンサーが叫ぶ。観客も、大場の奇跡的な逆転に歓声を上げた。
ソサは、ここで最後の力を振り絞り、大場に反撃しようとする。しかし、彼の体は、薬物の効果が薄れ始めていたのか、明らかに動きが鈍くなっていた。それでもソサの闘志に燃えた目が大場を恐れさせた。その時過去のノートの文字が脳裏に浮かび上がる。
【右ストレート解禁しても良いんだよ。】
「何をモタモタしている!早く右ストレートを出せぇえええ!」
桑田勲氏の魂の絶叫が走った。
(こいつはヤバイ!右ストレートの封印を解くしか倒せない....!)
大場は、その隙を逃さず、渾身の右ストレートをソサの顔面に叩き込んだ。
ソサの体がクルッと回転し、リングに倒れ込む。観客の悲鳴と歓声が混ざり合う。
「ダウン!ソサがダウンした!」
アナウンサーが叫ぶ。レフェリーがカウントを始める。
「1…2…3…4…5…6…7…8…9…10!」
レフェリーのカウントが10に達した瞬間、ゴングが鳴り響いた。大場は、勝利を確信し、天を仰いだ。彼の顔は、血と汗にまみれていたが、その目には、勝利の光が輝いていた。
「勝利者!新しい統一バンタム級王者、マサオ・オオバァァァァ!」
アナウンサーの声が、会場に響き渡る。観客は立ち上がり、大場の名前を叫んでいた。大場は、ロープに登り、両手を高く掲げた。彼の勝利は、不正と戦い、正義を勝ち取った、真の勝利だった。ソサは、リングに倒れたまま、動かなかった。彼の目には、敗北と絶望が浮かんでいた。彼の不正は、彼自身の敗北を招いただけだった。大場は、ソサの元に歩み寄り、彼の手を握った。
「お前の強さは認める。だが、勝利は、不正によって手に入れるものではない。」
大場の静かな語りかけにソサは頷いた。ソサは大場の言葉に何かを悟ったように、ゆっくりと目を閉じた。試合後、ソサのドーピングが発覚し、彼の王座は剥奪された。大場は、真の統一バンタム級王者として、歴史にその名を刻むことになった。この試合は、ボクシング史に残る、正義と不正の戦いとして、後世まで語り継がれることになった。大場政夫の名は、日本の誇りとして、永遠に人々の心に残り続けるだろう。そして、大場は、この勝利を機に、さらに多くの試合で勝利を収め、伝説のボクサーとして、その名を世界に轟かせることになったのである。この物語は、真の強さとは何かを問いかけ、不正と戦う勇気の尊さを教えてくれる。大場政夫の戦いは、これからも、多くの人々の心に灯り続けるだろう。




