WBA世界バンタム級チャンピオン洪景天「写真二枚」
1974年11月15日(金曜日) 大場政夫は日本に帰還した。空港で大場政夫の雄姿を一目見ようと大勢の観光客がすし詰め状態となった。今まさに大場政夫フィーバーが本格化したのだ。その中継を見ていた韓国人のバンタム級世界王者洪景天の闘志が燃えた。
※洪景天は実在の人物がモデルで存命中の人物を小説で書くとパブリシティ権の侵害にあたるので仮名です。
「次は俺とやろう!大場政夫ッ!真の王者は何たるか僕が証明してあげるよ。」
バンタム級世界王者洪景天は急いでトレーナー兼マネージャーの金俊浩(キム・ジュンホ、김준호)氏に大場政夫と試合する旨を伝えた。
「いいのか?奴は強敵だぞ!」
金俊浩(キム・ジュンホ、김준호)氏が忠告した。
「良いです!舞台は奨忠体育館にして下さい!」
「我ら韓国人の聖地か!そこでなら絶対勝てるなッ!」
トレーナー兼マネージャーの金俊浩(キム・ジュンホ、김준호)氏は喜んだ。金俊浩(キム・ジュンホ、김준호)氏は黒電話を取り試合契約をした。
※1970年代、ボクシング興行のメイン会場といえばソウルの奨忠体育館です。役割は韓国初の屋内競技場であり、世界タイトルマッチや国内の主要な試合のほとんどがここで行われていました。雰囲気は良く「ボクシングの聖地」として知られ、熱狂的なファンで埋め尽くされる場所でした。
「日付は1975年3月14日(金曜日)になった。絶対勝てよ!」
「相手選手は雑魚ではありません。絶対勝てるように日々トレーニングを欠かさず練習を極めますッ!」
そうして大場政夫に次の試合場所を桑田勲氏から伝えられた。
「また海外試合ですか...しかも相手はチャンピオンと来てる。これは流石に厳しい試合になりそうですね。」
大場政夫の表情は曇った。
「気にすることはない。日頃の練習の成果を発揮すれば政夫君ならきっと勝てる!」
「どうしてそんなこと分かるんですか!WBA世界バンタム級チャンピオン相手に海外試合することがどれだけ怖いかも知らないで勝手なこと言わないで下さいよ!」
大場政夫は恐怖に震えていた。今迄勝てたのは日本人の応援があったからだと信じていた。相手選手の聖地でしかもWBA世界バンタム級チャンピオンを倒すなど無理難題だ。
「ワシは政夫君なら勝てると信じているぞ!」
「だからその言葉の根拠が乏しいんですよ!」
「これを見ろ!」
桑田勲氏が大場政夫に見せた写真。そこには洪景天が写っていた。
「王者と言えども所詮は人間だッ!政夫君なら必ず勝てるぞ!」
桑田勲氏は優しく激励した。
「洪景天は細かったんですね....でも今じゃこれですよ。腹筋がバキバキになっているんです。友達から貰った写真です。」
大場政夫も最近の洪景天の写真を桑田勲氏に見せた。
二人はバンタム級世界王者になった洪景天の写真をまじまじと見て不安になり、より一層練習に精を出した。
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