集合場所 〜八木ちゃん視点〜
前話
投獄されるまで
遅すぎる。森の中、昨日お昼ご飯を食べた場所に、一番最初に戻った私は落ち着かない時間を過ごした。
十五分程で那須おじさんが牝馬さんを引いて戻ってきたけど、ハヤト君とははぐれたらしい。空を飛べるピピちゃんがこんなに遅いのもおかしい。
さらに十五分ぐらい経過した。嫌な予感が頭を巡る。捕まっただけなら、技能さえ見せられれば、少なくとも身の安全は守られるはず。
でも万が一、そんな事があるだなんて思いたくもないけど、そう万が一、ハヤト君が逃げようとして斬られたり撃たれたりしてたら、ヒールを使う余裕がないような致命傷だったら……
最悪の想定で鼓動が速くなる。想い叶って、町に着いて、これからだという時に……
「探しにいこ」
これ以上は待てない。
「追っ手をまくために、いったん別の方向で森に入った可能性もあるぞい。そうなると、今ここを離れると、すれ違いになってしまうかもしれん。行くとしても二手に別れて、必ずここにまた戻ってくると決めてからじゃな」
「大変、大変! はーちゃん捕まったっピ!」
慌てた声で知らせながら、ピピちゃんが飛んできた。
「空から見てたんですが、重傷の衛士の人にヒールをかけてて、それで囲まれて捕まったみたいです。どこに連れて行かれるかを、空から見てたので遅くなりました。今、ご主人様は衛士の詰め所に居ます」
アオイさんも、いつものゆったりとした雰囲気じゃなくなってる。
「心配しなくていいにゃ。トラ美が全部蹴散らして、ハヤトを助けてくるにゃ」
「今トラ美が突撃するのは愚策じゃ」
「早く助けないと危ないにゃ」
「牢屋などに入れられておる場合、力押しで突撃しても簡単には開かんじゃろう。トラ美の姿じゃと目立つし、狭いところに入れんのも不安要素じゃ」
「それに今、突撃するとトラ美ちゃんが詰め所の衛士をたくさん殺さないといけなくなりそうです。ご主人様は、それを喜ばないんじゃないでしょうか」
「そうだね。那須おじさまを心配してフォローしたり、衛士を心配して治してあげたりっていうのがハヤト君だもんね」
「ピピが詰め所で見張るっピ! はーちゃんが危ない時は、高く飛んでピピピピピ! って鳴くっピ! その時は突撃してほしいっピ!」
「賛成にょろ! それで大丈夫そうなら夜まで待って、ボクの神経毒で牢屋の鍵を奪うにょろ」
「決まりだね。じゃあ詰め所の位置を確認しに行こう」
待っててね、ハヤト君。




